NVIDIAではAda Lovelaceアーキテクチャーを採用するGeForce RTX 4000シリーズのラインアップを拡充させていますが、今回このAda Lovelaceを採用するワークステーション向けGPUに新モデルが追加され、史上最強のロープロファイルGPUが爆誕する事となりました。
外部電源不要のロープロファイルGPU、RTX 4000 Adaが登場。CUDAコアは6144基搭載で、VRAMは20GB。最強のロープロファイルGPUに
NVIDIAではTSMC5nmで製造される次世代GPUアーキテクチャーのAda Lovelaceを採用したグラフィックカード、GeForce RTX 4000シリーズを2022年から発売を開始しています。
このGeForce RTX 4000シリーズは現在はRTX 4090、RTX 4080、RTX 4070 Tiの3モデルがラインアップされています。ただ、これらのグラフィックカードはどれも消費電力が大きい他、筐体サイズが巨大で筐体サイズが限られているシステムへの搭載は困難でした。
しかし、NVIDIAではゲーミング用グラフィックカードではなく、エンタープライズ向けのRTXシリーズにてロープロファイルに対応し外部電源も不要なRTX 4000 Ada Generationを発表しました。
NVIDIAではGTC2023にて、エンタープライズ向けのRTXシリーズを合計6モデル発表、多くはノートPC向けモデルがラインアップされているなかで、デスクトップ向けにロープロファイル規格に対応、さらに外部電源が不要なRTX 4000 Ada Generationを発表しました。
このRTX 4000 Ada GenerationではAda Lovelaceアーキテクチャーを採用し、GeForce RTX 4070 Tiなどで採用されているAD104 GPUを採用、CUDAコアを6144基搭載し、動作クロックは最大1.56 GHz、VRAMにはGDDR6を20GB搭載し、バス幅は160-bitとなっています。
性能面ではCUDAコアはRTX 3070 Tiと同等の数を積んでいますが、動作クロックは1.56 GHzとかなり低めに抑えられています。ただ、浮動小数点演算性能ではRTX 3070並みの性能となっている一方で低い動作クロックによって消費電力はたったの70Wで外部電源は不要と言う驚異的な仕様になっています。
NVIDIAでは既にロープロファイルで外部電源が不要なエンタープライズ向けグラフィックスカードとしてRTX A2000を発売していますが、NVIDIAによると、グラフィックス性能はA2000に比べてRTX 4000 Ada Generationは2.1倍、CADでの描写性能は1.7倍に向上しているとのことです。
なお、このグラフィックカードはエンタープライズ用途での活用が想定されているグラフィックカードではありますが、ゲーミングでも使用が可能になっています。現行のRTX A2000ではGeForce RTX 3050相当の性能をゲーミングでは発揮できますが、NVIDIAが言う通り1.7倍の性能向上であればGeForce RTX 3060 Ti相当、2倍であればRTX 3070程度の性能を発揮できると見られています。特にこのRTX 4000 Ada Generationでは20GBのVRAMを搭載しているため、オープンワールド系のゲームでも楽々プレイする事が可能で、ロープロファイルGPUで最強のゲーミングPCを作りたい場合は割高ではあるものの、選択肢に入れてみるのも良いかもしれません。
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