NVIDIAでは2022年1月に開催されたCES2022にてハイエンドGPUであるGeForce RTX 3090 Tiを発表しましたが、発売時期や詳細が語られる事なく2ヶ月以上が経過してますが、遂に発売時期が明らかになったようです。また過去に噂があったGeForce RTX 3070 Ti 16GBは発売中止となるようです。
発売が危ぶまれていたGeForce RTX 3090 Tiと忘れられたRTX 3070 Ti 16GB
NVIDIAではCES2022にてハイエンドモデルであるGeForce RTX 3090 Tiについて発表を行いましたが、このモデルでは簡単な仕様情報に留める公開となり、発表から既に3月で2ヵ月が経っていますが発売時期に関する情報や詳細仕様の発表は一切出ていません。
この理由としては、RTX 3090 Tiでは設計上の問題に見舞われていたようで、初期の段階では全CUDAコアが有効化されたGA102の歩留りが悪い事、またTDP 450Wで動作クロックが最大1.86 GHzを維持する事が困難である話や、VRAMや基板の設計に変更を加える必要があるなどの情報が出ていますが、遂に問題をすべて解決したようで、発売時期に関する情報が出現しました。
また、過去にRTX 3070 Tiの16GB版が出るという話がありましたが、どうやらこのモデルは完全に開発中止となったようです。
RTX 3090 Tiの発売は3月29日を予定。不具合の原因はVRAMだった模様
ChiphellによるとGeForce RTX 3090 Tiに関しては3月末までに発売が開始される見込みで、最も有力な発売日は3月29日になるとの事です。
発売延期に繋がっていた不具合の原因もChiphellには記載されており、どうやらRTX 3090 Tiから採用されたGDDR6Xの2GBモジュールに何かしらの不具合があったようで、既に卸売りや量販店などに出荷された初期ロットに関しては返品処理をして不具合を修正したGDDR6Xモジュールに載せ替える措置が必要になるとの事です。
GeForce RTX 3090 Tiでは現行のRTX 3090に対してCUDAコアがGA102の全コアを使うようになる一方でVRAMに関してはRTX 3090までは速度19.5Gbpsの1GBのGDDR6Xを基板の表と裏面それぞれに12モジュールづつ実装していました。それをRTX 3090 Tiでは速度を21Gbpsに高速化し、モジュールは2GB化し片面実装に変更するなど多くの変更が加えられていましたが、どうやら21Gbpsへの高速化と2GBモジュール化が地雷だったようです。
ちなみに、RTX 3090 Tiでは歩留まりの問題からTDPが450Wになるという噂もありますが、TDPや動作クロックなどの情報は現時点では不明です。
RTX 3090 Tiのお下がりVRAMを搭載予定だったRTX 3070 Ti 16GBは開発中止。
Chiphellでは過去に噂が出ていたRTX 3070 Ti 16GB版に関する話が出ていますが、このモデルに関しては正式に開発が中止されたようです。
このRTX 3070 Ti 16GBに関してはArc Alchemistに対抗する意味もありましたが、RTX 3090 Tiで使われる2GBモジュールのGDDR6Xの中でRTX 3090 Tiに使えなかった選別落ちのものをRTX 3070 Ti 16GBに載せるように計画をしていたと見られています。
ただ、RTX 3090 Tiでは2GBモジュールのGDDR6Xに致命的な不具合が発生し、恐らく何かしら大きな変更が加えられていると見られています。この変更に適用させるコストをかけてまでRTX 3070 Ti 16GBをNVIDIAが発売する必要性はあまり無く、Arc Alchemistに対抗させるのであればVRAM容量では負けていても、現行のRTX 3070 TiやRTX 3080 12GBでも性能面では十分戦えるとNVIDIA側は考えているのかもしれません。
GeForce RTX 3090 Tiについては発売が危ぶまれる状態でしたが、無事に発売はされるようです。ただ、入手性については一部の国限定での販売であったり、店舗に1台あればいいレベルとも言われています。また、価格については50万円〜60万円という噂もあるため、一般向けモデルではないことは確実と言えます。
RTX 3070 Tiに関してはVRAMが16GBということでVR系のゲームなどで需要はありそうでしたが、おそらく再設計までしてしまうとコストが高くなりすぎるため開発中止となってしまったようです。個人的にすでにRTX 3000シリーズは飽和気味ですので正直残念な気持ちもありますが、まぁそうなるよねって気持ちもありますね・・・