NVIDIAが2021年に発売を開始したグラフィックカード、GeForce RTX 3080 Tiについて、最近Blizzardが発表したゲーム、Diablo IVベータをプレイするとグラフィックカードが故障する不具合が複数件報告されているようです。
Diablo IVベータをプレイするとGeForce RTX 3080 Tiが故障。主にGIGABYTE製を中心に発生
RTX 3080 Ti GPUs Are Mysteriously Dying On Diablo IV Beta | Tom’s Hardware
BlizzardはDiablo IVのプレイ可能なベータ版を3月18日からリリースしました。しかし、RedditやBlizzardの掲示板を中心にハイエンドグラフィックカードの一つでもあるGeForce RTX 3080 TiがDiablo IVをプレイした事で故障したという報告が複数件出現しているようです。
Redditのユーザーの1人は、Gigabyte GeForce RTX 3080 Ti Vision OC 12Gがわずか20分間のゲームプレイ後に壊れたと報告しています。ユーザーのアカウントによると、礼拝堂のカットシーンがグラフィックカードの故障を引き起こしたとのことです。他のユーザーも同様のシーンで問題が発生したと報告している例もあるほか、他のシーンやゲームプレイ中にクラッシュする場合があります。
報告された症状は、多くのケースでは共通しており、システムが即座にブラックスクリーンを表示し、グラフィックカードの冷却ファンがフル回転で回るなど正常な動きではなくなるとのことです。また、その後に再起動すると、グラフィックカードから映像出力はされなくなるとのことです。
この致命的な不具合を報告したユーザーのほとんどはGeForce RTX 3080 Tiを使用しているのですが、不思議な事にその多くがGIGABYTE製のものである事が明らかになっています。ただし、EVGA製GeForce RTX 3080 Tiが故障した例やRTX 3080、Radeon RX 6900 XTも1件ずつ故障した事がReddit掲示板で報告されています。
メーカー | グラフィックカード・モデル | 故障件数 |
Gigabyte | GeForce RTX 3080 Ti | 6 |
不明 | GeForce RTX 3080 Ti | 5 |
Gigabyte | GeForce RTX 3080 Ti Vision OC 12G | 3 |
Gigabyte | GeForce RTX 3080 Ti Gaming OC 12G | 1 |
EVGA | GeForce RTX 3080 Ti | 1 |
不明 | GeForce RTX 3080 | 1 |
不明 | Radeon RX 6900 XT | 1 |
現在、故障したグラフィックスカードの原因がGIGABYTEのGeForce RTX 3080 Tiの不具合なのか、Diablo IVに致命的なバグが含まれているのかなど詳細は不明です。ただ、Diablo IVだけではなく、Valheimをプレイ中にGIGABYTEのGeForce RTX 3080 Ti Vision OC 12G故障した例もあるとのことです。この件ではGIGABYTEは交換品を提供したとのことですが、ユーザーが故障原因など詳細について問い合わせても返答が無かったとの事で、GIGABYTEのGeForce RTX 3080 Ti自体に問題がある可能性がありそうです。
なお、この問題は海外のYoutuberやサイトでも大きく問題になっていますがBlizzard側もGIGABYTE側も特にコメントなどは出していません。
ユーザーが現時点で出来る対策としてはNvidiaコントロールパネルで「グローバル設定」タブに移動し、「3D設定を管理する」セクションの「最大フレームレート」オプションを選択し、フレームレートを制限する事が最善の策と言えそうです。
ゲームが原因でグラフィックカードが破損する例は過去にも存在しており、AmazonのMMORPG、New WorldでGeForce RTX 3090が破損する例がありました。この時は、オープンベータ時にフレームリミットリミッターが存在していなかったため、GeForce RTX 3090に不必要なまでに高いフレームレートでメニュー画面を描写、結果GeForce RTX 3090が破損に至ったと言われています。ただ、同時期にGeForce RTX 3090やRTX 3080に搭載されていたMOSFET回路に不具合があった事も原因とも言われており、真因は明らかにされていません。
GeForce RTX 3080 Tiについては名称はRTX 3080シリーズですが中身はRTX 3090に近く、RTX 3090の発売から約8か月後の2021年6月に発売はされていますが、多くのリークは2021年1月ぐらいから出ていました。そのため、不良が起きたGIGABYTE製RTX 3080 Tiについてはもしかしたら、MOSFET回路に不備があったRTX 3090やRTX 3080と同じ設計やバッチであった可能性がありそうです。ただ、この件についてはGIGABYTEからのコメントまたは、保証修理したユーザーからの報告を待つ必要がありそうです。
この一件でベータ版のゲームをプレイする事にリスクを感じる人も居ると思いますが、ほとんどの場合は問題が起きる事はありません。今回、Redditなどに報告された例は合計18件と少なくは無いですが、Diablo IVについては100万人がレベル20に到達とBlizzardが報告しており、このDiablo IVベータを1時間以内でもプレイした数は100万人より圧倒的に多いと言えます。そうなると、今回明らかになった故障例18件では故障確率は0.002%と非常に低いです。
また、この故障例の中には既にグラフィックカードが故障寸前で、たまたまDiablo IVプレイ中に故障した例も含まれているとも言えますので、実際の故障確率はもっと低く恐らく普通にグラフィックカードを使って故障したという可能性の方が高いと言えますのであまり心配する必要は無いかもしれません。ただ、原因が明らかになっていない点は不安でもあると思いますので念のため、フレームレート制限を設けるなど対策を施しておいて損は無いかもしれません。
コメント
コメント一覧 (1件)
マイニング全盛期にGigabyteの3080はサーマルパッドがしょぼくてハッシュレート出せないことで有名だった
自分でサーマルパッドを貼り替えれば、ヒートシンクの作りは良いからちゃんと冷却できて回るようになる
Diablo4がフレームレート上限なしでぶん回すから、マイニングと同じようにメモリに過酷な負荷がかかって熱でやられたんでしょうね