CES2022にてNVIDIAはデスクトップ向けのグラフィックスカードなどを発表しましたが、モバイル向けも併せて発表しています。今回、CES2022で発表されたモバイル向けGeForce RTX 3070 Tiのベンチマークが出現していますが、2019年に発売されたTitan RTXを超えるパフォーマンスを記録しているようです。
GA104を搭載するモバイル向けGeForce RTX 3070 Ti
NVIDIAではCES2022にてデスクトップ向けにハイエンドとなるRTX 3090 Ti、エントリーモデルのRTX 3050を発表しましたが、同時にモバイル向けのハイエンドモデルであるRTX 3070 TiとRTX 3080 Tiを発表しました。
今回、この中でモバイル向けRTX 3070 TiのGeekbench5ベンチマークのスコアが出現しました。
モバイル向けRTX 3070 TiではGA104 GPUを採用しており、CUDAコアは5888基搭載しています。動作クロックはベースが1035 MHz、ブーストが1485 MHzとなっており、VRAMには8GB GDDR6を搭載しており、256-bitのバス幅で帯域幅は448 GB/sとなっています。消費電力は各モデル毎に設定が可能なcTDPが採用されており、80Wから125Wの範囲で各ラップトップメーカーが調整をする事が可能となっています。
ベンチマークではTITAN RTXと同等の性能を記録
モバイル向けRTX 3070 Tiのベンチマークが計測されたのは、MSIのゲーミングラップトップ、Vector GP66と呼ばれる15.6インチ液晶を搭載したモデルで、CPUにはAlder Lake-S世代となるCore i7-12700Hと16GBのDDR4メモリーが搭載されたモデルとなっています。
計測されたベンチマークはGeekbenchのOpenCLスコアとなっており、124220ptを記録しています。このスコアに近いGPUとしては、NVIDIA TITAN RTXの124398ptが存在しています。TITAN RTXは2019年に発売がされたRTX 2000シリーズ最上位モデルで、2022年現在で言うRTX 3090のような存在のGPUとなります。このGPUはTDPが280Wと言う当時はモンスター級GPUでしたが、今ではラップトップ向けGPUと対等となっています。
他に性能的に近いのはデスクトップ向けのRTX 3060 Tiの120173ptとなっており、OpenCLと言う限られた環境ではあるものの、デスクトップ向けのミドルレンジモデルと引けを取らないGPU性能をモバイル向けRTX 3070 Tiは持っているようです。
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NVIDIAによると、モバイル向けGeForce RTX 3070 Tiは2月1日より各社OEMから発売が開始される予定となっています。なお、RTX 3070 Tiを搭載するラップトップで最安値は1499ドルとの事で、これは日本円で20万円を切る価格となりますが、そんなゲーミングラップトップあるのか少々疑問ではあります。
なお、NVIDIAではRTX 3070 Tiより上位のRTX 3080 Tiがデスクトップ向けのTITAN RTXより高速と公式発表の際に紹介していますが、RTX 3070 TiでもTITAN RTXとほぼ同等スコアになっているため、RTX 3080 Tiはデスクトップ向けRTX 3000シリーズと比較すると、どれぐらいのパフォーマンスとなるのか気になる所です。