NVIDIA GeForce RTX 3000シリーズのエントリーモデルとして登場が予定されているモバイル向けのGeForce RTX 3050 TiとGeForce RTX 3050ですが、3Dmark Time SpyとShadow of the Tomb Raiderを用いたベンチマーク結果が出現しました。
エントリーモデルとしては初のレイトレーシング対応モデル
GeForce RTX 3050 TiとGeForce RTX 3050については、エントリーモデルとして初めてレイトレーシング対応モデルとなる予定です。詳細な仕様としては、今のところはモバイル向けのみ存在が確認されており、GeForce RTX 3050 TiではCUDAコア2560基、4GB GDDR6を採用し128bitバス幅を持ち、TGPは35W~80Wで動作クロックはTGPによってベースが最小735MHz~最大1463MHz、ブーストクロックは最小1035MHz~1695MHzで動作します。
GeForce RTX 3050では、CUDAコアが2048基に減りますが、メモリー周りではRTX 3050 Tiと同じく4GB GDDR6を採用し128bitバス幅を持ち、TGPも35W~80Wの範囲となります。動作クロックはベースが最小713MHz~最大1530MHz、ブーストクロックは最小1057MHz~1740MHzで動作します。
GeForce RTX 3050 | GeForce RTX 3050 Ti | |
CUDAコア | 2,048 | 2,560 |
VRAM | 4 GB GDDR6 | 4 GB GDDR6 |
バス幅 | 128-bit | 128-bit |
メモリー帯域 | 88 GB/s | 88 GB/s |
TGP | 35 W – 80 W | 35 W – 80 W |
ベースクロック | 35 W: 713 MHz | 35 W: 735 MHz |
50 W: 1,178 MHz | 50 W: 1,140 MHz | |
60 W: 1,238 MHz | 60 W: 1,223 MHz | |
80 W: 1,530 MHz | 80 W: 1,463 MHz | |
ブーストクロック | 35 W: 1,057 MHz | 35 W: 1,035 MHz |
50 W: 1,455 MHz | 50 W: 1,410 MHz | |
60 W: 1,500 MHz | 60 W: 1,485 MHz | |
80 W: 1,740 MHz | 80 W: 1,695 MHz |
ベンチマークではモバイル版RTX 2060並みの性能を発揮
Notebook Checkが入手したベンチマークでは、3DMark TimeSpyとShadow of the Tomb Raiderを用いてモバイル向けGeForce RTX 3050 TiとGeForce RTX 3050の性能が計測されています。
ベンチマーク結果としては、RTX 3050 TiとRTX 3050との差については、3DMark TimeSpyではRTX 3050 Tiが無印に比べて9%程度高く、Shadow of the Tomb Raiderでは標準画質では15%、ウルトラ画質では44%高くパフォーマンスを出す結果となっています。
他のモデルと比較すると、3DMark Time SpyではRTX 3050 TiはGTX 1660 Ti Max-Qに比べると3%高いですが、RTX 2060 Max-Qに比べると約7%の差を空けられています。しかし、Shadow of the Tomb Raiderでは傾向が少し変わります。ウルトラ画質では、RTX 3050 Tiは平均69fpsを記録しており、RTX 2060 Max-Qで記録した平均70fpsから1fpsしか差がありません。また、標準画質においては前者が106fps、後者が87fpsとRTX 3050 Tiが20%程度上回る結果となっています。ちなみに、この106fpsはデスクトップ向けRTX 2060の93fpsを13%上回るパフォーマンスです。
また、GeForce RTX 3050については、3D Mark Time Spyではデスクトップ向けGeForce GTX 1650 Tiを33%上回っていますが、GTX 1660 Ti Max-Qに対しては約6%下回るスコアとなっています。しかし、Shadow of the Tomb Raiderで計測した結果ではRTX 3050とGTX 1660 Ti Max-Qに対してウルトラ画質では5%(60fps vs 57fps)、標準画質では7%(75fps vs 70fps)となっています。
GeForce RTX 3050 TiとRTX 3050についてはCUDAコアの数が2560基と2048基となっており、コア数の面ではCUDAコア1920基を搭載するRTX 2060 Max-Qや1536基を搭載するGTX 1660 Ti Max-Qを上回っていますが、バス幅についてはRTX 3050系では128bitに対して、RTX 2060 Max-QやGTX 1660 Ti Max-Qでは192bitとなっています。この差が顕著に出てしまっているのが3DMarkのベンチマークとなっていますが、Shadow of the Tomb Raiderではコア数の多さでバス幅の差を感じさせない性能を見せつけています。
ただ、気になるのが他のゲームです。GeForce RTX 3060についてもCUDAコア数は前世代のRTX 2060に比べて大幅に増えたものの、バス幅の狭さに足を引っ張られて一部ゲームでは性能が伸び悩む場面がありました。そのため、RTX 3050系についても同じ現象が出現すると思われるので他のゲームで計測したベンチマーク結果を確認したいところです。
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