IntelとAMDではそれぞれ2022年末までに次世代CPUをリリース予定で、IntelはRaptor Lake-S、AMDではZen 4アーキテクチャー採用のRyzen 7000シリーズを発売予定ですが、どうやらES品の時点では性能はIntelのRaptor Lake-Sが優勢のようです。
Intel Raptor Lake-SとAMD Ryzen 7000シリーズ
IntelとAMDでは2022年末に向けて現行のデスクトップ向けCPUを置き換える次世代CPUを開発中で、Intelは現行のAlder Lake-Sとなる第12世代CPUの後継として第13世代CPUのRaptor Lake-Sを、AMDでは現行のZen 3アーキテクチャー採用のRyzen 5000シリーズの後継としてZen 4アーキテクチャー搭載のRyzen 7000シリーズ(コードネーム:Raphael)を発売予定としています。
IntelのRaptor Lake-Sは現行のAlder Lake-Sと同じくP-CoreとE-Coreを搭載するハイブリッドアーキテクチャーを継承し、P-Core側は現行のGolden CoveからRaptor Coveへアーキテクチャーを改良し、コア数などは据え置きななものの、L2キャッシュの大容量化や動作クロックの向上などが行われます。E-Core側は現行と同じGracemontアーキテクチャーが採用されますが、コア数は最大16コアに増え、最上位モデルでは16コア24スレッドから24コア32スレッドへ大幅強化が行われています。この変更でAMDの次世代CPUであるZen 4アーキテクチャー搭載のRyzen 7000シリーズに対抗しようとしています。
そんな、AMDのRyzen 7000シリーズでは現行のRyzen 5000シリーズで採用されているZen 3からZen 4へ刷新され、L2キャッシュが倍増、動作クロックの大幅な増加をし、高いIPCと高い電力効率でIntel Raptor Lakeへ対抗しようとしています。
この2つのCPUですが現在、開発はES段階に来ているようですが現時点ではどうやらIntelのRaptor Lake-Sが性能面でリードしているようです。
Raptor Lakeがマルチスレッドでリード。ただし、TDPと動作クロックで勝敗は決まるレベル
The dinosaur’s MT performance is better than the artist’s, but both are ES at present, it is not clear what the artist’s TDP is, and the final win or loss will be determined by TDP and all core frequency.
— Greymon55 (@greymon55) June 8, 2022
リーカーのGreymon55氏によると現在の開発ステージであるES段階においては恐竜(Raptor Lake-S)のマルチスレッド性能は画家(Rapahel)に対して優れているとのことです。ただ、Raphael側のTDPは現時点では不明で、最終的な勝者はTDPと全コアの動作クロックで決まる見通しのようです。
IntelのRaptor Lake-SではAlder Lakeに搭載されているP-CoreであるGolden Coveの小改良に留まると見られていましたが、Greymon55氏によるとRaptor Lake-Sの性能は想定以上に高いようです。
In any case, competition has brought many benefits to consumers. The gen 13 is really strong, and it wouldn’t be surprising if it outperformed the ZEN4 in every way. ZEN5 ZEN6 must do something in response to the competition.
— Greymon55 (@greymon55) June 8, 2022
Greymon55氏は補足としてRaptor Lake-SがRyzen 7000シリーズに対してかなり手強い相手になるようで、Ryzen 7000シリーズを上回る性能となっても驚きはないとのことです。また、この調子でIntelが今後も性能を上げてくるのであれば、Zen 5やZen 6アーキテクチャーでは何かしらの対策を打たなければ対抗できないとも推察しています。
The MT performance lead I see is slightly higher than your figure.
— Greymon55 (@greymon55) June 8, 2022
具体的な性能についてはRaptor Lake-SはRyzen 7000シリーズに対して5%を若干超えるぐらいの性能になるというコメントも残しており、Raptor Lake-Sの方が性能面で上でも大きく上回るというレベルでは無いようです。
IntelのRaptor Lake-SとAMD Ryzen 7000シリーズはどちらも2022年秋頃に登場すると見られており、注目度の高いCPUとなっていますが、性能面で優位に立つのは現時点ではIntelのRaptor Lake-Sであると見られています。ただ、TDPと動作クロック次第ではRyzen 7000シリーズも勝てる可能性は残されているようですので、最終的にどうなるか判明するのは数か月後と言えそうです。
個人的には性能で1位を取るのも大事だとは思いますが、どれだけ効率的に性能を上げるかも重要な点ですが、この点ではRyzen 7000シリーズが有利だと思いますので下手に性能1位にこだわって動作クロックや消費電力を大きく上げるより、Intelに近い性能をより低い消費電力で実現する事をアピールするなどして欲しい所です。本当は性能モリモリのCPUも良いのですが、GPUが500W近く電気を喰う時代になりそうなので、CPUなどで消費電力を抑えて欲しいのが本音なんですけどね。
コメント
コメント一覧 (3件)
プロセスルールではAMDの5nmとIntelの10nmと、かなり差が開くけれど電力でカバーしきれるものなんですかね?w
まあプロセスルールの数字は言ったモン勝ちみたいな数字なので…
同じFabでの比較は出来てもメーカー跨ぐとあまり役に立たないです。
Zen3と同程度のTDP105W(PPT142W)では精々2割程度の動作クロック上乗せと見ていますが、RaptorLakeに勝つにはTDP170W(PPT230W)が必要になりそうな予感
だとするならば電力効率はあまり高いとは言えませんね