仮想通貨のマイニング需要や半導体不足によってハイエンドグラフィックスカードが不足しているのですが、その影響はミドルレンジ、ローエンドグラフィックスカードにも波及し始めておりNVIDIAは対策として4年前のグラフィックスカードを再投入するようです。
世界的にグラフィックスカードが無い。
NVIDIA Bringing GTX 1050 Ti Back From The Dead To Meet AIB Demand (wccftech.com)
RTX 3000シリーズやRadeon RX 6000シリーズなど最新鋭のグラフィックスカードが品薄なのは、多くの人が感じている事象ですが、ここ最近前世代のRTX 2000シリーズ、Radeon RX 5000や果てにはGTX 1660など更に古い世代のグラフィックスカードまでもが在庫不足に陥っています。
この事態に対してNVIDIAはRTX 2060を再販するなどしてミドルレンジモデルで発生している在庫の穴を埋めようとしていますが、NVIDIAはローエンドモデルでも在庫の穴を埋めるべくGTX 1050 Tiの再販をする模様です。
GTX 1050 Tiはマイニング需要を回避する意図も
再投入がされるGTX 1050 Tiは2016年10月25日に発売されたモデルで、4年以上前に登場したモデルとなっています。このモデルではVRMが4GB、GDDR5を搭載するため最新のゲームなどは当然プレイできませんが、軽いゲームや動画編集などには耐えられるだけの十分な性能を有しています。このGTX 1050 Tiを投入する事で、在庫状況が厳しいRTX 2060やGTX 1660の状況を少しでも好転させる事をNVIDIAは見込んでいるようです。
また、このGTX 1050 TiのVRAMが4GB GDDR5というのも都合が良い仕様のようです。最近、GPUを使ってEthereumマイニングをする需要が爆発的に増えていますが、このマイニング作業には最低でも4GBのVRAMが必要となります。そのため、VRAMを4GBしか持たないGTX 1050 TiはGPUマイニング狙いの人が買う事を回避できます。
GDDR6を搭載する製品の需要は厳しい模様。
NVIDIAでは数か月前にGDDR5からGDDR6に変更されたGTX 1650の販売を開始しました。しかし、GDDR6メモリーの供給は思うほど増えておらず、需要を満たせるほどの量が供給されていない現状がある模様です。
GPU品薄は2021年2月まで続く可能性。原因はGDDR6の供給不足
NVIDIAとしては、GDDR5を搭載するGTX 1050 Tiならローエンドモデルとして必要十分な性能を維持しながら、GDDR6の供給不足を回避し、RTX 2060やGTX 1660など供給に余裕が無いモデルにユーザーが向かうのを防ぐためにに再投入を始めているものと考えられます。
ちなみに、価格.comを確認するとGTX 1660などは2020年末から比べると1万円以上値上がりしています。世界的にグラフィックスカード不足はすべてのラインアップで発生しており、日本もその影響を大きく受けている状況になっています。
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