Intel Raptor Lake系CPUでアイドル時にも高電圧発生。故障リスクありで修正BIOS適用を推奨
Intelが2022年から2023年にかけて発売した第13世代デスクトップ向けCPUのRaptor Lake-Sと第14世代のRaptor Lake Refreshでは、CPUの制御を司るマイクロコードが不適切だったため、高電圧に晒され最終的にCPUが恒久的に動作不安定化する『Vmin Shift』と呼ばれる不具合が発生していました。
そのため、6月以降にこの不具合を修正したマイクロコードや保証期間の延長などが行われましたが、Intelでは、このVmin Shiftなどの動作不安定化につながる4つの原因を明らかにするとともに、新たにアイドルおよび軽負荷時にCPUに高電圧を送りVmin Shiftを引き起こすことを発見し、これらを修正する新しいマイクロコードをリリースしたことを明らかにしています。
Vmin Shift不具合の原因と対応策
- マザーボード電源設定がIntelの推奨ガイドラインを超えた場合、Vmin Shiftが発生する可能性が高まります。この問題を回避するためにIntelは電源設定はIntelのガイドラインに基づくDefault/Performance/Extreme Profileを選択することが推奨されます。
- eTVBマイクロコードにより、Raptor LakeとRaptor Lake Refresh世代のCore i9は高温時でも高動作クロックで動作しVmin Shiftを引き起こす可能性がありました。この不具合は2024年6月リリースの0x125マイクロコードアップデートで修正済みです。
- SVIDマイクロコードの不具合によりCPUに対して長期間、高い電圧を要求することがあり、Vmin Shiftを引き起こすリスクが高まっていました。そのため、Intelは2024年8月に0x129マイクロコードアップデートを配信し、修正済みです。
- マイクロコードおよびBIOSの両方がアイドル時または軽負荷時に高い電圧を要求するケースがありVmin Shiftを引き起こすリスクがありました。この不具合は新たに配信される0x12Bマイクロコードアップデートにより修正されます。
Intelによると、これがVmin Shiftを引き起こす原因のすべてであるとしています。この中で、上から3つまでの事象はIntelが保証期間延長を発表するまでに修正済みの不具合なのですが、最後の『アイドル時または軽負荷時に高い電圧を要求する』という不具合は新たに発覚した事象で、保証期間延長発表後の不具合修正になっています。
そのため、直近で保証交換を受けたユーザーでも、この不具合により再びVmin Shiftによる動作不安定化が発生している可能性があるため、BSoDやゲームのクラッシュなどが頻発しているユーザーは、再び保証交換を行う必要があるかもしれません。一方で、動作不安定化していないユーザーは、使っているマザーボードメーカーから0x12Bマイクロコードアップデートが含まれたBIOSが登場次第、すぐにBIOSアップデートを行うことをおすすめします。
Intel Core 13th and 14th Gen Desktop Instability Root Cause Update | Intel Support Community
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