QualcommがSnapdragon 6s Gen 3を発表も性能はSnapdragon 6 Gen 1に劣る。購入時は注意を。

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QualcommのSnapdragon 6s Gen 3を発表も、2022年投入のSnapdragon 6 Gen 1より劣る性能に。購入時は注意が必要に

Qualcommは同社のスマートフォン向けチップセットのSnapdragonの新モデル、Snapdragon 6s Gen 3をプレスリリースで投入することを明らかにしました。しかし、この新しいチップセットについてGen 3という名前に対して、2022年に投入されたSnapdragon 6 Gen 1に対して仕様上、性能が劣る可能性があるようです。

Snapdragon 6s Gen 3は、エントリーからミドルレンジ向けのチップセットになっており、製造プロセスはTSMC 6nmを活用し、CPUコアにはP-Coreとして2.3 GHz動作のCortex-A78を2コア、E-Coreに2.0 GHz動作のCortex-A55を6コア内蔵しています。

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仕様項目Snapdragon 6s Gen 3Snapdragon 695Snapdragon 4 Gen 1Snapdragon 6 Gen 1
発売年2024202120222022
モデル番号SM6375-AC (5G), SM-6370 (4G)SM6375SM4375SM6450
プロセス6nm TSMC6nm TSMC6nm TSMC4nm Samsung LPE
CPU2x Cortex-A78 @ 2.3GHz + 6x Cortex-A55 @ 2.0GHz2x Cortex-A78 @ 2.2GHz + 6x Cortex-A55 @ 1.8GHz2x Cortex-A78 @ 2.3GHz + 6x Cortex-A55 @ 1.8GHz4x Cortex-A78 @ 2.2GHz + 4x Cortex-A55 @ 1.8GHz
GPUAdreno 619Adreno 619Adreno 619Adreno 710
メモリLPDDR4XLPDDR4XLPDDR4XLPDDR5
ストレージUFS 2.2UFS 2.2UFS 2.2UFS 3.1
ビデオ録画1080p@60fps1080p@60fps1080p@60fps4K@30fps
モデムSnapdragon X51 5GSnapdragon X51 5GSnapdragon X51 5GSnapdragon X62 5G

ただし、この新しいSnapdragon 6s Gen 3チップセットを過去に投入されたSnapdragonと比べると2021年に投入されたSnapdragon 695に対して動作クロックが僅かに向上した以外、同一仕様になっており、ほとんどリネーム品であるようなモデルになっています。

Qualcommは過去にSnapdragon 6 Gen 1発表時にもSnapdragon 695をSnapdragon 4 Gen 1としてリネームして投入していますが、このように古い製品をリネームする背景としては、チップセットを搭載するOEMが新チップセット搭載モデルとして販売するためと推察されています。

チップセットのモデル名だけ見るとSnapdragon 6 Gen 1より優れているように見えるSnapdragon 6s Gen 3ですが、Snapdragon 6 Gen 1はサムスンの4nmプロセスを活用し、P-Coreは4コアのCortex-A78、E-Coreは4コアのCortex-A55を搭載するなどP-Core数の数がSnapdragon 6s Gen 3より2コア多く、メモリーはLPDDR4XからLPDDR5、GPUはAdreno 619からAdreno 710に変更されているなど、性能面で大幅に上回る仕様になっています。

実際にGeekbenchにおいてもSnapdragon 6s Gen 3を搭載していると言われているMotorola Moto G85ではシングルコアが950ポイント、マルチコアが2100ポイント台の一方で、Snapdragon 6 Gen 1搭載のMotorola Moto G Stylusはシングルコアが950ポイントで同等ですが、マルチコアはP-Coreが多い分2700ポイントと大きく上回る性能を記録しています。

そのため、もしSnapdragon 6s Gen 3搭載スマートフォンを検討する際は、チップセット自体は2021年に投入されたモデルであることに注意する必要があります。

コメント

Qualcommのスマートフォン向けチップセットであるSnapdragonシリーズについては製品のランクを示す数字のほかに、世代を示すGen〇など2つの数字が入るため、非常にわかりにくくなっています。特に、今回のSnapdragon 6s Gen 3のように過去に登場した製品を度々リネームしたモデルもこの中には混在しているため、チップセットのモデル名だけで性能を推察することが非常に難しくなっています。

ハイエンドモデルではSnapdragon 8 Gen 3など両方の数字が大きいモデルを買えば最新かつ最上位モデルであるので簡単なのですが、ラインアップが多いミドルレンジモデルではこの数字だけをうのみにせず、購入しようとしているスマートフォンに搭載されているチップセットの仕様を横並びで比較するなどひと手間かける必要がありますので、Qualcomm側も少しわかりやすいラインアップに整理してほしいところです。(あと今回の様なリネームでGen〇の数字まで変えるのは本当にやめてほしいですね)

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この記事を書いた人

『ギャズログ | GAZLOG』の編集兼運営者
幼い頃から自作PCなどに触れる機会があり、現在は趣味の1つに。
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  • Nvidia Rename TechnologyならぬQualcomm Rename Technologyか…

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