2020年11月12日に発売されたPlayStation 5 ですが、Digitimesによると2022年末頃にも内蔵するAPUを現行の7nmから6nmに変更し、デザインにも手が加えられる可能性があるとの事です。
TSMC 6nmを採用。主な変更は内部設計。
Suppliers to gear up for PS5 redesign
台湾で半導体系ニュースを取り扱うDigitimesによると、TSMCが改良型PlayStation 5に向けて6nmプロセスでのAMD製APUの生産準備に取り掛かっているとの事です。
PlayStation 5は発売から約半年が経過していますが、例年ソニーでは新しいコンソールをリリースすると2年程度でAPUをシュリンクしたモデルをリリースしておりPlayStation 5でも同じような戦略が取られるようです。
この改良型PlayStation5ではAPUが現行の7nmプロセスから6nmプロセスを採用すると見られており、歩留まりの改善や省電力化が実現でき、それに伴い冷却機構や電源などをコストダウンする事が可能となります。また、部品点数も削減できる事からより高い生産ボリュームを確保できるとの事です。
デザインについては外装部分については大きくは変わらない見込みとの事で、主にAPUなどを含めた内部構造などが見直されるとの事です。
TSMC 6nmプロセスについては、最大5層のEUVリソグラフィーが採用される事で半導体の製造速度が上がり、歩留まり向上も見込まれます。TSMCによると6nmプロセスを採用することでトランジスター密度はTSMC 7nmに比べて18%向上します。また、7nmから6nmへの移行には半導体の大規模な再設計の必要がないことから開発費を縮小でき、ダイサイズを縮小や歩留りの向上、消費電力の低減などが実現できます。
なお、2022年にはTSMC 5nmプロセスが本格稼働していますが、5nmを採用する場合、APUに対して5nmの製造に適合できるように設計変更を行い新たな開発が必要となります。そのため、Sonyとしては開発の手間が少なく、コスト低減も可能な6nmを選んだと見られています。
現行のPlayStation 5はサイズが巨大であるため、小型版を期待する人は多いと思いますが来年登場する見込みの改良型PlayStation 5では小型化まではされない模様です。恐らく小型化を実現するにはより消費電力が少ないTSMC 5nmを採用したAPUに切り替える事は必須と見られていますが、半導体供給やコストの問題もある事から小型版PlayStation 5の登場まではまだまだ時間がかかりそうです。
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