Google Pixel 9搭載Tensor G4は爆熱?ベイパーチャンバーを内蔵するPixel 9 Pro XLでも性能が40%程度に抑えられる深刻なサーマルスロットリングが発生
GoogleのPixel 9シリーズに搭載されるTensor G4ではPixel 8シリーズに搭載されているTensor G3に対して電力効率が20%向上させるほか、ベイパーチャンバーを内蔵することで放熱性能を向上させるなどサーマルスロットリングに対する対策が強化されていると見られていました。しかし、CPUに断続的に負荷を与え続けるストレステストにおいてはチップセットの発熱とベイパーチャンバーによる放熱のバランスが取れていないのか、断続的な負荷を与えると先代のPixel 8シリーズ並みに激しいサーマルスロットリングが発生することが明らかになりました。
スマートフォン関連のベンチマーク情報などを掲載しているShazzam氏がPixel 9 Pro XLを用いてCPUに断続的な負荷をかけてサーマルスロットリングへの耐性度を計測する『CPU Throttling Test』を用いた検証を行っています。
その結果、このテストでは約2分間に渡っては100%に近い性能を記録していましたが、テスト開始3分以降はチップセットの温度が閾値を超えたのか急激に性能が落ち、テスト開始4分後には性能はピークに対して40%まで低下してしまう様子が記録されています。
この時の動作クロックは開始当初はPrime-Coreは3.1 GHz、P-Coreは2.6 GHz、E-Coreは1.92 GHzで動作していましたが、性能がピーク時の40%程度まで低下する時点ではPrime-Coreは0.7 GHz、P-Coreは1.32 GHz、E-Coreは0.57 GHzと半分以下にまで動作クロックが抑えられるなどCPUがパフォーマンスを発揮するのに必要な放熱が確保できていない様子が伺える状況になっています。
今回のテストはチップセット温度や廃熱に大きな影響を与える周辺温度が不明です。また、このテストはあくまでワーストケースを想定したテストで現実で使われるワークロード、例えばゲームや簡単な動画編集時のパフォーマンスをそのまま反映したものではありません。そのため、今回のテストではPixel 9シリーズのスコアが極端に低く出てしまっている可能性もあります。
ただ、Pixel 8シリーズではゲームなどにおいてもサーマルスロットリングが発生すると言われており、今回のPixel 9シリーズ内蔵のTensor G4が先代Pixel 8シリーズに搭載されているTensor G3アーキテクチャー面で大きく変わっていないため、発熱を踏まえた性能の持続力はあまり期待できないかもしれません。
ちなみに、Pixel 9 Pro XLではチップセットの熱を効率よく除去するためにベイパーチャンバーが内蔵されていますが、Pixel 9ではこれが搭載されないと言われています。そのため、サーマルスロットリングの発生頻度や性能の抑制率で言えばPixel 9は今回のテスト結果よりさらに低い性能を記録する可能性がありそうです。
Shazzam | X (Twitter)
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