Google Pixel 9はPixel 9シリーズの中で唯一ベイパーチャンバー非搭載に。性能もPixel 9 Proより低めに
Googleは2024年8月14日に次世代スマートフォン「Pixel 9シリーズ」を発表しました。ラインナップにはベーシックなPixel 9、ハイエンドモデルのPixel 9 Pro、Pixel 9 Pro XL、そして折りたたみ型のPixel 9 Pro Foldの4モデルが含まれますが、この中でベーシックモデルのPixel 9は他のモデルに比べて冷却性能が低い可能性があるとされています。
Pixel 9シリーズのすべてのモデルには最新のTensor G4チップセットが搭載されています。Tensor G4は、先代のPixel 8シリーズに搭載されたTensor G3に比べて、CPUおよびGPUの動作クロックが引き上げられています。しかし、Pixel 8シリーズでは本体の冷却性能が不足し、性能が制約されるサーマルスロットリングが発生するケースが見られました。
そのため、GoogleはPixel 9シリーズの発表イベントで、Pixel 9 Proには冷却のためベイパーチャンバーを搭載することを明らかにしました。同じProシリーズであるPixel 9 Pro XLやPixel 9 Pro Foldにも同様にベイパーチャンバーが搭載されていると見られています。しかし、このキーノートではわざわざ「For Pixel 9 Pro」と明言しているため、「Pro」ではないPixel 9については、先代モデルと同様にグラファイトシートなどによる熱伝導処理が施されるものの、Pixel 9 Proシリーズほどの冷却性能は期待できない仕様になるようです。
実際にGeekbenchに掲載されているPixel 9シリーズのベンチマークによると、Pixel 9 Proはシングルコアで約1900ポイント、マルチコアで4700ポイント程度の性能を発揮しています。一方、Pixel 9はシングルコアで約1800ポイント、マルチコアで4300ポイントと、約5%ほど性能が低下しています。動作クロックが同じにもかかわらず、冷却性能の違いが原因でPixel 9はPixel 9 Proシリーズに比べて劣る可能性が示唆されています。
なお、Pixel 9シリーズに内蔵されているTensor G4は、Googleによれば電力効率が20%向上しているため、先代のPixel 8に内蔵されたTensor G3ほど発熱しない可能性があります。しかし、Pixel 9 Proにベイパーチャンバーが搭載されていることを考えると、CPUやGPUに断続的な負荷がかかると、サーマルスロットリングによるパフォーマンス低下が発生する可能性があると考えられます。また、Tensor G4のGPUアーキテクチャはTensor G3と同じですが、動作クロックを上げることでグラフィックス性能を向上させています。そのため、冷却対策が不十分なPixel 9では、3DMark Wildlifeなどのゲーミング性能において、Pixel 8から大きな向上が見られない可能性がありますが、この点については発売後の詳細レビューが注目されます。
MadeByGoogle ‘24: Keynote | Youtube (28:30~)
コメント