Pixel 10 Proの目玉機能「100倍ズーム」
Googleが2025年8月21日に発表したPixel 10シリーズには、新たに生成AIを活用した「ProRes Zoom」が目玉機能の1つとして搭載されました。この機能は、Pixel 10に搭載されている5倍望遠レンズで撮影した画像を最大100倍まで拡大し、AI処理によってノイズを抑制し失われたディテールを補完するというものです。
ただし、この100倍ズームはGalaxy S25 Ultraなどと同様に万能ではなく、特に文字や飛行機など細部描写が苦手であることが、デモ機やレビューから明らかになっています。
文字や画像は別物に、一方で建物の描写は上手
Redditユーザー「Dry_Astronomer3210」は、Best Buyに展示されていたPixel 10 Pro XLのデモ機を使い、店内の遠くにあるNintendo Switch 2『マリオカートワールド』のパッケージを様々な倍率で撮影しました。

被写体までの距離は約20m。5倍ズームでは辛うじて「何か置いてある」と分かる程度です。これにProRes Zoomを適用すると、30倍では文字や画像が不自然に変化し、100倍ではパッケージのロゴや文字が模様化し、ディテールは完全に失われていました。

ProRes Zoom適用と非適用、そして実際の被写体を比較した画像では、ProRes Zoomではパッケージの輪郭や影などはそのまま出力された画像よりはっきり描写されているなど一定の効果はあるようです。しかし、パッケージ本体の画像は別の「模様」に置き換えられている他、Nintendo Switch 2のロゴやパッケージ端にかかれている価格などもよくわからない模様に置き換えられているなど文字やキャラクターの描写にはAI処理の限界が見えてしまっています。

さらに、空を飛ぶ飛行機の撮影では、機体がクラゲのように歪んだり、飛行機雲が別のものに置き換えられるなど、オリジナルとは大きく異なる描写となっていました。

一方で、ビル群など建物を撮影した場合は比較的自然に描写されており、風景写真や都市の景観といった「雰囲気重視」の撮影では有効であると見られます。
カメラの基本性能は高め
ProRes Zoomのような「飛び道具」的機能には課題が残るものの、Pixel 10 Proの基本的なカメラ性能は非常に高いと評価されています。CNETやYouTuberのレビューによれば、HDR品質、露光、ホワイトバランス、色再現性のいずれも安定しており、動画撮影も画質が良好で広角カメラでも利用可能。従来指摘されていた弱点が大きく改善されている点も確認されています。
そのため、AIズームを目的とせずとも、Pixel 10 Proはカメラ性能を重視するユーザーにとって満足度の高いスマートフォンとなりそうです。
コメント