PCIe Gen5対応SSDの搭載率は低調。2024年後半から徐々に普及する見通し

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PCIe Gen 5に対応するNVMe SSDは2023年に入り始めてから限られたモデルラインアップではあるものの発売が始まっていますが、NVMe SSD用のコントローラーを製造するPhisonによると、PCIe Gen 5対応NVMe SSDは2023年から2024年はじめまでは低調で、2024年後半になるまで普及はしないという予想を立てているようです。

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PCIe Gen 5対応NVMe SSDの普及率は低空飛行が続く見通し。2024年後半から普及し始める模様

PCIe Gen 5対応NVMe SSDについては2022年頃から発売されたCPUおよびマザーボードで標準的にサポートされるモデルが増え始め、2023年現在ではIntelのAlder LakeやRaptor Lake、AMDではZen 4 CPUに対応するマザーボードであれば標準搭載と言うレベルで普及していますが、肝心のNVMe SSD側についてはPCIe Gen 5に対応するモデルはまだまだ少ない状況ですが、SSD用コントローラーを開発するPhisonのCEO、Pua氏によると、PCIe Gen 5対応NVMe SSDの普及速度は非常にスローペースであると予想している事が、Digitmesによるインタビューで明らかになりました。

Phison CEO Expects PCIe 5 SSD Market to Remain Niche Until 2024 | Tom’s Hardware

PCIe Gen 5対応NVMe SSDでは、読み取りと書き込みが最大14GB/sに達する性能を有し、実際にSabrent Rocket X5についてはまだ発売前ではあるものの、サンプル品は14GB/sに到達しており、それ以外の製品でも10~12GB/sと言うPCIe Gen 4対応NVMe SSDの7GB/sを大きく超える性能を発揮しています。

ただ、Pua氏や業界関係者によるとPCIe Gen 5対応NVMe SSDについては、これらを製造販売するメーカーの多くが採用を躊躇している状態が続いているとのことです。また、PCIe Gen 5規格自体に対応したマザーボードなどへの移行も想定より遅れているとのことです。

この具体的な理由については、ここ最近では新しいCPUやグラフィックカードなど多くの新製品が発売される中で、どの製品も価格が高騰してしまっている事に加え、2020年から2022年にかけて発生した在宅需要による需要の先食いと景気後退への懸念により2023年現在はNVMe SSDなどは供給過多で多くの量販店やメーカーの間で過剰な在庫を持っている状態になっていると見られています。これにより、PCIe Gen 5対応NVMe SSDに対応する周辺機器の普及が遅れ、結果的にPCIe Gen 5対応NVMe SSD自体も売れないという悪循環に陥っていると見られています。

また、この市場環境からNVMe SSDを製造販売するメーカーについてもPCIe Gen 5対応NVMe SSDについて低い販売数を想定しているのか、PCIe Gen 5対応NVMe SSDを発売しても多くの製品が完売となり、再入荷もままならない状態となっている製品が多くあります。

ただ、Pua氏はPCIe Gen 5対応NVMe SSDについては今は需要の先食いや景気後退懸念に加え、価格の問題で現時点では普及率は低いものの、eSportsやコンテンツ制作をターゲットにしたPCメーカーはPCIe Gen 5対応NVMe SSDの高いパフォーマンスに関心を寄せているとのことで、まずはこれらの層を中心に普及を進めていくものと見られています。

また、同社は2024年後半以降に景気やPC需要の回復することや、需要増に応じて現在最新鋭のPhison E26の7nmプロセスを改良し、パフォーマンスを向上させ、冷却管理をより良くするために再設計する準備も進めているようです。

 

PCIe Gen 5対応NVMe SSDについてはCPUやGPUのアップグレードを優先した後により高性能なNVMe SSDは検討されるアイテムでもあるため、CPUやGPU、マザーボードの価格が大きく上がる中で、より高性能なNVMe SSDに掛けられる予算は減っていると考えられます。また、現在主流のPCIe Gen 4対応NVMe SSDとPCIe Gen 5対応NVMe SSDではゲームのローディングが1秒程度速くなる程度で、ユーザーが体感できるほどのメリットが感じられにくい事も普及を妨げる大きな要因と言えそうです。そのため、恐らくPhisonが予想する2024年後半に普及するかは、PCIe Gen 5対応NVMe SSDの価格次第という所と言えそうです。もし2024年後半もPCIe Gen 4の方が2~3000以上安く買えるという事であれば恐らく多くのユーザーはPCIe Gen 5対応NVMe SSDを買う事は無いと考えられます。


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この記事を書いた人

『ギャズログ | GAZLOG』の編集兼運営者
幼い頃から自作PCなどに触れる機会があり、現在は趣味の1つに。
高い買い物でもある自作PCやガジェットをこれから買おうと思ってる人の役に立てるような記事を提供できるよう心がけています。
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コメント

コメント一覧 (1件)

  • ストレージの速度上がったところで何も変わらんからな

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