Intelが販売する『Optane』と呼ばれるSSDですが、コンシューマー向け製品として販売されているM10、800P、900P、905Pについて近日中に販売終了となり、コンシューマー向けには後継モデルも用意されないとの事です。
コンシューマー向けOptaneは終了へ
Intel Kills Off All Optane-Only SSDs for Consumers, No Replacements Planned | Tom’s Hardware
Optaneは対応したマザーボードのみですが、HDDやSSDのキャッシュに当たる部分をOptaneメモリーに置き換え、利用頻度の高いデータを一時的に保存し、アプリケーションの高速な読み込みを可能にするシステムとなっています。コンシューマー向けのOptaneは2017年頃に発売され、SSDの容量当たりの単価が高価だった中で、安価で大容量なHDDの利点を活かしつつ、HDD単体利用より圧倒的に高速で低遅延なアクセスが可能になる製品として16GBと32GBの製品がそれぞれ、6000円、9000円ぐらいで販売がされていました。また、キャッシュ用の他に純粋なSSDとして利用できる製品も用意されていましたが数万円~数十万円する高価な製品となっていました。
そんな、OptaneですがIntelによると、近日中にコンシューマー向け製品の販売は終了する事が発表されました。
2月26日出荷分を持って終了。エンタープライズ向けにシフト
Intelによると、コンシューマー向け製品として販売されているOptane 900/905P、800P、M10シリーズについては2月26日の出荷分を持って販売が終了されるとの事です。
一方で、データセンターなどエンタープライズ向け製品としては、IntelはOptane SSD P5800Xと呼ばれるPCIe Gen4.0接続の製品を2020年12月頃に発表しており、他にもXeon向けCPUがサポートしているDDR4互換のDIMMモジュールで接続されるOptane Persistent Memoryなどの販売は継続されます。
コンシューマー向けは競争力が無いとインテルは判断か
Intelはここ最近、NAND製造をSK Hynixへの売却を進めたり、一部のCPUを自社ファウンドリからTSMCなどの外部ファウンドリでの製造を検討するなど様々な施策を打って出ています。その一環としてコンシューマー向けのOptaneは目を付けられた可能性が高そうです。
OptaneはHDDとの組み合わせでは高い読み込み速度を発揮し、SSDとの組み合わせられたOptaneも普通のNVMe SSDに比べて良好なパフォーマンスを発揮していました。しかし、SSDの低価格化に伴いHDDをメインドライブとして使うユーザーは減り、HDDのキャッシュ用としての需要は大きく減りました。
また、NAND SSDと組み合わせて使うOptaneも高速であるものの、容量辺りの単価は高価であり、通常のSSDで大多数のユーザーが満足できるぐらいの速度が出る事からOptaneはニッチな製品としてしか生きられず十分な利益を出せるほどの売り上げは見込めなかったのだと考えられます。
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