NVMeと言えば、SSDが頭に思い浮かぶと思いますが、新しく制定されたNVMe 2.0ではHDDにも対応がされるようです。
超高速HDDを見据えたNVMe 2.0
NVMe 2.0 Brings Support for PCIe-Connected Hard Disk Drives | Tom’s Hardware (tomshardware.com)
NVMeはHDD用に設計されていたSerial ATAではSSDが持つ本来の性能が発揮できない事から新たに制定されたインターフェイス規格で、PCI expressを利用して接続されます。2013年1月に制定された比較的新しい規格であることから、近代的なCPUやアプリケーションを念頭に置かれた設計がされており、並列性やSSDなど最新の記憶媒体が持つ低いレイテンシーをフル活用できるような設計がされていますが、HDDなど旧来から存在する記憶媒体には対応していませんでした。
しかし、6月3日に制定されたNVMeの最新規格 NVMe 2.0ではRotational media supportsつまり、HDDのサポートが追加されたとの事です。
対応の背景には複数ヘッドを搭載した超高速HDDの登場
HDDの接続方式として主流なSerial ATA(SATA) 3.0では約600MB/sの転送速度にまで対応しており、HDDの転送速度を大きく上回る状況が続いていました。しかし、最近ではSeagateが発売した2ヘッド搭載HDD、Mach.2 Exos 2X14と呼ばれる製品では最大で524MB/sの転送速度を持つなどHDDであってもSATAの600MB/sも限界に近づき始めています。今後、HDDの速度は大容量化と共に高速化されると見られており、近い将来にSATA以上に高速な接続インターフェースが求められる事から、NVMe 2.0では従来までは対応していなかったHDDに対応したものと考えられます。
今後はNVMeに一本化されるかも?
NVMe 2.0でHDDがサポートされる事によって、SATAは徐々に姿を消す事が予測されます。SATA規格は2008年に登場したSATA 3.0以降、更新されておらずコンシューマー向けの接続インターフェースとしてはSSDの普及に伴い、NVMeを採用したマザーボードが増えてきています。今後、HDDもNVMe規格に対応されれば、マザーボード側の接続インターフェースの種類が減らせるため、よりシンプルになりますが長く普及していた規格からの移行という事で、新たに発売される製品やユーザー側がNVMe HDDへ全面移行するには数年単位の時間はかかると思われます。
SATAに関してはずっと更新されていない規格であったため、ストレージ系のインターフェイスはそろそろ世代交代が行われるのではと思っていましたがNVMe 2.0が後継となりそうです。どのように接続されるのかなど詳細はまだありませんが、欲を言えば電源もまとめて1本にして欲しいですね。
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