NVIDIAのワークステーション向けグラフィックスカードの中でAmpereアーキテクチャーを搭載するモデルNVIDIA RTX A2000ですが、マイニング効率が際立って高いようです。
ワークステーション向けGPUもマイニングの餌食に??
NVIDIAではワークステーション向けGPUとしてAmepreの頭文字をとったRTX Aシリーズ(旧:Quadro)をリリースしていますが、その中で最も手ごろな価格で購入が出来るNVIDIA RTX A2000についてマイニング効率が非常に高い事が海外のYoutubeに投稿された動画で判明しています。
NVIDIA RTX A2000の概要
NVIDIA RTX A2000はGeForce RTX 3060などに使用されているGA106 GPUを搭載しています。仕様面ではCUDAコアが3328基、Tensorコアが104基、RTコアが26基でGDDR6を6GB搭載するモデルとなっています。GeForce RTX 3060に比べてCUDAコアなどは減らされたモデルとなっています。
GPUモデル | GeForce RTX 3060 | RTX A2000 |
---|---|---|
GPU | GA106 | GA106 |
CUDAコア | 3584 | 3328 |
Tensorコア | 112 | 104 |
RTコア | 28 | 26 |
ベースクロック(MHz) | 1320 | 562 |
ブーストクロック(MHz) | 1777 | 1200 |
メモリー仕様 | GDDR6 12GB | GDDR6 6GB |
バス幅(bit) | 192 | 192 |
帯域幅(GB/s) | 360 | 288 |
TDP | 170W | 70W |
価格帯(円) | 66,800 | 64,460 |
RTX A2000ですが、特徴的な点としてTDPが70Wと低消費電力であり、PCIe 6pinなど外部電源が不要なデザインとなっています。また、低TDPと言う事で発熱量も少なく、電源周りの小型化も可能であることからグラフィックカードのサイズも小さく仕上がっておりロープロファイルに対応できる幅になっています。
マイニング効率はRX 6600越え。CMP 170HXにも迫る
Youtubeに掲載された動画によると、このRTX A2000では動作クロックを+100MHz、メモリークロックを+200MHzに設定しPower Limitを95%に制限するという最適化を施した状態では消費電力を66Wに抑えながらハッシュレートは41MH/sを記録しています。
なお、RTX A2000ではワークステーション向けという事でEEC機能が搭載されていますが、この機能はマイニング性能に大きな悪影響を与えるため無効にする必要があるとの事です。
GPUモデル | MH/s | W | PPW |
---|---|---|---|
CMP 170HX | 164 | 250 | 0.656 |
RTX A2000 | 41 | 66 | 0.621 |
Radeon RX 6600 | 30 | 50 | 0.600 |
Radeon RX 6600 XT | 32 | 55 | 0.582 |
Radeon VII | 93 | 200 | 0.465 |
GeForce RTX 3060 Ti | 58 | 130 | 0.446 |
GeForce RTX 3070 | 58 | 130 | 0.446 |
Radeon RX 6800 | 64 | 150 | 0.427 |
Radeon RX 5700 XT | 55 | 130 | 0.423 |
GeForce RTX 3080 | 91 | 230 | 0.396 |
Radeon RX 5600 XT | 40 | 110 | 0.364 |
GeForce RTX 3090 | 114 | 320 | 0.356 |
このRTX A2000自体、マイニング性能が高いという訳ではありませんが、消費電力が66Wと低いため1W辺りのパフォーマンスは0.621を記録しています。
他のGPUとこの1W辺りのパフォーマンスを比べるとRTX A2000は最も効率が良いCMP 170HXを6%下回る程度に推移しており、市販のグラフィックスカードで最もマイニング効率が高いと言われていたRadeon RX 6600 XTやRX 6600を3~6%上回る効率を示しています。
「100万円分のRadeon RX 6600 XTを買っていきました」(8/14)・・・複数ショップ店員談 – エルミタージュ秋葉原 (gdm.or.jp)
また、マイナーにとって魅力的になりそうなのは価格帯でこのRTX A2000は6万円前後で売られている場合があり、Radeon RX 6600 XTやRX 6600と大きく変らない価格帯となっています。そのため、このRTX A2000もまた近い内に一人で百万円分買うような餌食にされる可能性がありそうですので、ワークステーションへの搭載を考えている方は早めに購入した方が良いかもしれません。
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NVIDIA RTX A4000がコスパが良いという事で売れているという話を聞いた事がありますが、このA2000は別の意味で売れそうですね・・・
現在、BitcoinやEthereumの価格はBitcoinのETF入りが確定した事で最高値を更新する勢いを見せています。そのため、またマイニング需要が増える事が予想されますがEthereumについては近々ETH2.0と呼ばれるマイニングが不可能になるアップデートが投入予定となっています。そのため、RTX A2000など高価なグラフィックカードを買ってその分がペイ出来るだけの収益を上げられるかは十分に検討する必要があると考えられます。
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