NVIDIAのワークステーション向けGPUであるRTX A2000ではロープロファイル規格に収まる小型グラフィックスカードですが、小型であるが故にブロワーファンのノイズが若干大きいのが弱点です。そこで、その弱点を克服すべくRTX A2000をファンレス化した猛者が登場しました。
NVIDIA RTX A2000をファンレス化。大型ヒートシンク搭載により性能は純正仕様と変わらず
NVIDIAのRTX A2000はワークステーション向けグラフィックスカードで、コンパクトなロープロファイル規格を採用し、消費電力は75Wに収まっているため外部電源が不要など少々分かったグラフィックスカードとなっています。このRTX A2000は中身はGeForce RTX 3060と同じGA106 GPUを搭載することで3328基のCUDAコアを内蔵し、メモリー面では6GBまたは12GBのGDDR6を搭載、バス幅は192-bitと仕様面ではミドルレンジ並みになっており、パフォーマンス的には、ロープロファイルグラフィックスカードであるGeForce GTX 1650やRadeon RX 6400に比べて1.5倍程度の性能を発揮するグラフィックスカードとなっています。
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そんな、RTX A2000ですが弱点であるのが2スロットかつロープロファイル規格の幅に収めるために搭載されている小型のブロワー型ファンでゲームやレンダリングなど負荷をかけるとかなりうるさくなるのですが、海外で小型PCなどに特化したSFF.Networkの掲示板ユーザー、REVOCCASE氏がこのRTX A2000をファンレス化する改造を行いました。
この改造はPalitが発売しているファンレスグラフィックスカードのGeForce GTX 1650 KalmXにインスピレーションを得たようで、RTX A2000に対して2008年に発売されたArctic Cooling製のGPU用パッシブヒートシンク、Arctic ACCELERO S1 R2を搭載しています。ただ、このArctic ACCELERO S1 R2は2008年に発売されたGPU用クーラーであるため、GeForce 8800 GTなど古いグラフィックスカードにしか対応していません。そのため、REVOCCASE氏はGPUとクーラーを固定するバックプレートやGPUクーラー本体をCNCで加工することで無理やり搭載しています。これにより、カードは長さ169.55mm、幅68.9mmと言う小型サイズから長さ135mm、幅220mmとロープロファイル規格を超えるサイズになっていますが、その代わり無音なパッシブヒートシンクを手に入れています。
REVOCCASE氏はファンレス化したRTX A2000でベンチマークを動作させていますが、温度は65℃から75℃の間を推移しており、小型なファンレスグラフィックスカードとしてはかなり優秀な温度を記録しています。また、温度も低いためサーマルスロットリングなどは見られず、純正状態と同等のパフォーマンスを発揮する事が可能になっているとのことです。
REVOCCASES氏によると、このファンレスRTX A2000について通常のグラフィックスカードと同じように搭載しても適切に冷却が可能とのことです。ただ、温度の上がりを遅くするためにアフターバーナーの電圧設定で1500 MHz@750mVに調整する事が推奨されるとの事です。
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