NVIDIAが GeForce RTX 5090D のさらに性能低下バージョンを計画中。米国の新規制に対応
米国は中国がAI技術を用いて軍事研究などを進める懸念からAIに必要となる高性能なグラフィックカードに関して一定の性能以下に規制されています。そのため、NVIDIAはゲーミング向けで非常に高性能なモデルにあたるGeForce RTX 4090やRTX 5090ではAI処理性能を落とした処置を加えたRTX 4090DやRTX 5090Dと言った中国専用モデルを投入しています。
しかし、この中で現在販売中のRTX 5090Dに関しては米国が現在施行されている輸出規制をさらに強化する可能性があるためNVIDIAは急遽販売を取りやめていますが、どうやらこの強化された輸出規制に対応するためにさらに性能を落としたGeForce RTX 5090Dの新世代版の投入をNVIDIAが検討しているようです。
A source told me the following:
— Jukanlosreve (@Jukanlosreve) April 30, 2025
NVIDIA is preparing revised versions of the RTX 5090D and H20 with reduced memory clock speeds to comply with export control regulations, and customer test samples are expected to be available as early as late June to early July. If the test…
米国の新しい輸出規制はTotal Processing Power (TPP)と呼ばれる特定のビット数におけるAI処理性能(TOPs)にそのビット数を乗じて算出される性能指標に加え、新たに帯域幅も1400GB/s以上は規制対象として挙げられているようです。そのため、リーカーのJukanlosreve氏によるとNVIDIAは現行のGeForce RTX 5090Dに対してVRAMの動作速度を引き下げたモデルの投入を計画中で、6月下旬から7月上旬にかけて米国合衆国商務省にサンプル品を出荷し、許可を得る予定とのことです。
具体的にどれだけVRAMの動作速度が下げられるかは不明ですが、現行のRTX 5090Dの帯域幅は1790 GB/sで、1400GB/sと言う規制に合致するには最低でも22%下げる必要があります。そのため、現行の28Gbps動作のGDDR7をGDDR6並みの21Gbpsまで下げるなどの対応が考えられます。ただ、単純に動作速度を下げるだけの場合はBIOS改造などで制限を潜り抜けられるリスクもあるため国務省からの許可を得るにはGDDR6へ格下げなども必要になるなど大規模な変更が加えられる可能性もありますが、このあたりはNVIDIAと国務省との交渉次第と言えそうです。
なお、RTX 5090Dの販売停止に伴ってかここ最近はRTX 5090の出荷量が増える傾向にあり日本でも予約注文や一般販売が受け付けられている状態にまで改善してきています。しかし、新しいRTX 5090Dの出荷が開始されれば再び日本向けのRTX 5090の出荷量が減る可能性があるため、もしRTX 5090の購入を検討している場合は早めに予約注文をしておいた方がいいかもしれません。
Jukanlosreve | X (Twitter)
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