NVIDIAでは2021年にかけてピークを迎えていた仮想通貨のマイニングブーム時にマイニング専用GPUのCMP-HXシリーズなどを発売していましたが、NVIDIAの最高技術責任者がマイニングは社会に貢献しないとのべ、NVIDIAは今後はデータセンター技術に注力すると明言したようです。
NVIDIA幹部が『マイニングは社会に役立たない』と明言。今後はAIに注力とも発言
Cryptocurrencies add nothing useful to society, says chip-maker NVIDIA
NVIDIAでは2021年から2022年始めにかけてブームとなっていた仮想通貨、主にEthereumマイニングに対応するためにマイニングに特化したグラフィックスカード、CMP-HXシリーズを発売し、決算ではマイニング用グラフィックスカードだけで売上高が300億円近くに伸びるなど好調を記録していましたが、マイニングブームが終わるとこの高かった売上高は一気に消え、同時に通常のグラフィックスカードも売上高が大幅に落ちるなどしていましたが、NVIDIAの最高技術責任者であるMichael Kagan氏がこのマイニングは社会に有用な貢献をしないと言う見方をGurdian氏のインタビューで発言していたようです。
Kagan氏によると、『NVIDIAのGPUについて並列処理に最適なため、マイナー達はNVIDIA製品を多く書いましたが、最終的には何も有益なものを社会にもたらさなかった事から市場は崩壊した』と発言しています。
一方で、Kagan氏はこのマイニングに続いて、ChatGPTなどのAIについて『AIは有用なことをもたらします。私は仮想通貨が人類のために何か良いことをするとは思っていませんでした。』とも述べており、NVIDIAがここ最近の決算でChatGPTなどAIに特化した製品で売上高を伸ばす予測を立てているように、NVIDIAの幹部でもあるKagan氏もNVIDIAはAI向けハードウェアに特化していく事を明確にしています。
NVIDIAについては仮想通貨で散々な目に遭っており、グラフィックスカードの売上高が大幅に下がり、株価の低迷などが起きていましたが、同時にSEC(米国証券取引委員会)に対して7億円相当の和解金の支払いを余儀なくされました。この原因はNVIDIAがマイニングによってGPU需要がどのように影響を与えるか、投資家に明らかにしなかった事が原因で、2021年の仮想通貨ブーム時にはNVIDIAがマイニングが事業の一部を牽引していると言う認識を持っていた他、上級管理職がマイニング市場への本格参入を検討していた事も明らかになっています。ただ、マイニングブームが終わった後はNVIDIAは軌道を修正し、NVIDIA H100など超高価なサーバー・データセンター向けGPUが売れるAIに注力することが今回のインタビューでも明らかになったと言えそうです。
なお、マイニングブームでゲーミング向けグラフィックス市場では価格が大きく高騰しましたが、未だにグラフィックスカードの価格は高いままになっています。今後、NVIDIAがサーバー・データセンター向けGPUを重視する場合、ゲーミング向けのグラフィックスカードの売上高に固執する必要もなくなる事から、これらが正常な価格に戻るには数か月、もしくは数年かかることになるかもしれません。
NVIDIAについてはマイニングブームの際には決算時にマイニング向けのグラフィックスカードについて売上高は高止まりすると説明し、多くのCMP-HXシリーズを生産していましたが、手のひらを返したかのように『社会の役に立たない』と発言していますが、それに加担していたのは誰だったのかなと言うのがこの発言を聞いた時に思った感想ですね・・・
ただ、AIに関しては今後も需要が伸びるのは確実で、NVIDIAの強みも活かせるた収益を安定的に確保する事が可能であるためマイニングを完全に捨てる事は妥当な選択肢とも言えそうです。今後、マイニングブームが再来した際に手のひらを返さないか心配ですがね。
コメント
コメント一覧 (1件)
『どの口が言ってんのw』
と言いたくなるのをグッとこらえて
「そうですか頑張って下さい、後GPUの値段全体的に下げないとPCゲーマーの全体数が減っちゃうよ」
と言ってみる