SK HynixがNVIDIA向けにHBM3Eのサンプル出荷開始。速度は5.2 TB/sでBlackwell GPUで採用か
SK Hynixでは高い転送速度を持つメモリーであるHBM(High-Bandwidth Memory)で高いシェアと技術力を持つメーカーで、HBM市場では50%以上のシェアを持っていると見られています。
このSK Hynixでは現在、NVIDIA向けにHBM3をHopper H100 GPU向けに供給しており、このモデルでは2.6 Gbpsの動作速度に設定され、バス幅5120-bitで転送速度は最大1.68 TB/sと言う速度を実現しています。また、HBM2e搭載モデルでは3.2 Gbpsの動作速度から最大2 TB/sを超える速度を実現していますが、NVIDIAは次世代GPU向けにSK Hynixに向けてHBM3eのサンプリング出荷を要請したとDigitimesなどで報じられています。
このHBM3eについてはSK Hynixが開発中の次世代HBMに辺り2024年前半より量産が開始される予定になっています。仕様面では最大8 Gbpsで動作可能なメモリーになっており、現行のHopper H100と同じく5120-bitのバス幅であれば最大5.12 TB/sと現行モデルに対して2.5倍の転送速度を実現する事となります。HPCやAI用途においてメモリー速度はパフォーマンスに直結する部分でもあり、現行のHopper H100の2.5倍の転送速度で動作するとなるとパフォーマンスは大きく向上し、ChatGPTなどの生成AIにおいて更に高度な学習が可能となり機能などが大きく向上するものと見られています。
NVIDIAがHBM3eのサンプリング出荷を要請した理由は次世代GPUの開発に向けてである事は確実で現時点ではHopperの後継としてBlackwellアーキテクチャーを搭載したGPUを2024年内に投入予定としています。特にNVIDIAではAI向けにGPU需要が2024年以降も高まる事を予測しているため、AMDやIntelに対して差を広げるべく性能は大きく向上させるものと見られています。そのために最先端であるHBM3eのサンプリング出荷を要請し、可能であればBlackwellアーキテクチャーを搭載するGPUと組み合わせると考えられます。
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