NVIDIAが新たなマイニングGPUの『CMP 100HX』を準備中。Voltaベース

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NVIDIAでは2022Q4決算発表時に、マイニング専用GPUの売上高が77%ほど下落したと報告をしていましたが、それに負けじとNVIDIAではマイニングファーム向けにデータセンター向けGPUであるGV100 VoltaをベースとしたCMP 100HXを投入する予定となっています。

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NVIDIAのマイニング専用GPU、CMPシリーズ

NVIDIA CMP 100HX crypto mining card spotted, features Volta GV100 GPU – VideoCardz.com

NVIDIAが2022年2月19日に発表した通期およびQ4決算発表時にゲーム部門およびデータセンター部門では売上高が予想より高い状況を記録したものの、マイニング専用GPUであるCMPシリーズに関してはQ3に比べてQ4の売上高は77%も下落しています。

ただ、NVIDIAではまだマイニング専用GPUの需要はあると考えているのか、CMPシリーズの新型を投入するようで、その新モデルの写真やマイニング性能が明らかになっています。

CMP 100HXはVoltaアーキテクチャーのGV100がベースに

CMP 100HXは過去に出現したCMP 170HXと同じようにデータセンター向けGPUをベースに、一部機能を無効化してマイニング専用GPUであるCMPに転用したモデルとなっています。

CMP 100HXのベースとなるGPUは2017年12月に発表がされたTITAN VでこのGPUはGTX 1000シリーズで採用されたアーキテクチャーであるVoltaを採用し、GPUのVRAMには12GBのHBM2を搭載し、バス幅は3072bitで帯域幅は651.3 GB/sにも及びます。このGPUは発売当時は2999ドル、日本円で35万円近くで販売が行われていましたが、2022年現在では既に生産が終了されています。

一方で、今回CMP 100HXとして投入がされるモデルはこのTITAN VがベースとなるGPUのようで、PCBのレイアウトなどはほぼ同じ状態でディスプレイ出力などGPUの一部機能が無効化された状態でかつ、HBM2メモリーが12GBから8GBに減らされた状態で出荷が行われるようです。

また、デザインはTITAN Vではシロッコファンを1基搭載していましたが、CMP 100HXではデータセンター向けGPUのように強力なファンが備え付けられたサーバーラックに搭載する事が想定された冷却フィンの構造となっています。

ハッシュレートは81MH/sで250Wの消費電力。効率は低め

CMP 100HXのマイニング性能はPC_Shoppingと呼ばれる掲示板に掲載された情報によると、250Wの消費電力で81 MH/sのマイニング性能を発揮するとの事です。性能的には最適化を施したGeForce RTX 3080 TiまたはLite Hash Rateを搭載する前のGeForce RTX 3080並みの性能となっていますが、1W辺りのマイニング性能は0.324という事であまり高いとは言えないものになっています。

GPUモデル MH/s W PPW
CMP 170HX 164 250 0.656
RTX A2000 41 66 0.621
Radeon RX 6600 30 50 0.600
Radeon RX 6600 XT 32 55 0.582
GeForce RTX 3080 91 230 0.396
Radeon RX 5600 XT 40 110 0.364
GeForce RTX 3090 114 320 0.356
CMP 100HX 81 250 0.324

1W辺り0.324 MH/sと言うのは最近発売されたGeForce RTX 3000シリーズの中で比べると最低クラスで、AMD Radeon RX 6000シリーズやRX 5000シリーズと比べても劣る効率となっています。ただ、HBM2を搭載しているため例え4年前のGPUとしても15万円以上はすると見られているため実際にマイナー向けに売れているのかは微妙な所です。

 

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NVIDIAでは決算発表時にCMPシリーズの売上高が大幅に低下した事や今後もマイニング用途でGPUが売れるという状況では無くなるとも予測しています。そのため、このCMP 100HXについてはあまりリリースをする意味は無いように思えますが、もしかしたらTITAN VになれなかったGV100 GPUのストックを捌くために安価かつ大量にマイナーなどに売りつけたなども考えられます。ただ、確実なのはこのGPUが一般向けに販売される事は無く、Ethereumマイニングが出来なくなったり、GPUでマイニング可能な仮想通貨の価格が下落するなどすればただのE-Waste(電子ごみ)として出される事となりそうです。

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この記事を書いた人

『ギャズログ | GAZLOG』の編集兼運営者
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