NVIDIAでは2023年1月開催のCES2023にてノートPC向けのGeForce RTX 4000シリーズを発表しましたが、この中で最上位モデルとなるノートPC向けGeForce RTX 4090のレビュー記事が一斉に登場、ノートPCなのにデスクトップ向けのRTX 4070 Ti並みのグラフィック性能を持つ事が明らかになっています。
ノートPC向けRTX 4090搭載モデルのレビュー出現。グラフィック性能はRTX 4070 Ti並み
NVIDIAではノートPC向けにAda Lovelaceアーキテクチャーを搭載するGeForce RTX 4000シリーズを2023年1月に開催されたCES2023にて発表を行い、2月より実際にこれらの製品を搭載したゲーミングノートPCが販売される予定となっています。今回、この中で最上位モデルとなるGeForce RTX 4090を搭載したゲーミングノートPC、MSI TITAN GT77HX 13Vのレビューが一斉に出現し、衝撃的なまでに高いグラフィック性能を見せつけています。
グラフィックカード | RTX 4090 Mobile | RTX 4070 Ti (Desktop) | RTX 3080 Ti Mobile |
---|---|---|---|
GPU | AD103 | AD104 | GA103 |
CUDAコア | 9728 | 7680 | 7424 |
ベースクロック | – | 2310 MHz | – |
最大クロック | 1455 ~ 2040 MHz | 2610 MHz | 1125 ~ 1590 MHz |
浮動小数点演算 | 28.3~ 39.6 TFLOPs | 40 TFLOPS | 16.7 ~ 23.6 TFLOPs |
VRAM仕様・容量 | 16GB GDDR6 | 12GB GDDR6X | 16GB GDDR6 |
バス幅 | 256-bit | 192-bit | 256-bit |
VRAM帯域幅 | 576GB/s | 504 GB/s | ? |
消費電力 | 80 ~ 150W | 285W | 80 ~ 150W |
ノートPC向けGeForce RTX 4090ではデスクトップ向けのGeForce RTX 4080で搭載されているAD103 GPUが採用されており、CUDAコアは9728基、動作クロックは各OEMが設定する消費電力量によって異なるものの、最大80Wであれば1455 MHz、最大150Wであれば2040 MHzに設定されます。
VRAM仕様は16GBのGDDR6を搭載し、バス幅は256-bit接続、帯域幅は576GB/sを発揮する仕様になっています。
なお、消費電力は各OEMで設定が可能で最小は80W、最大値は150Wでさらに条件が整えば追加で25Wで最大175Wでの動作も可能になっています。
NotebookCheckが掲載したRTX 4090搭載MSI TITAN GT77HX 13Vの3DMark FireStrikeベンチマークでは49247ptのスコアを記録しており、デスクトップ向けGPUであるRTX 3080 Tiに対しては同等、RTX 4070 Tiに対しては8%劣るスコアに留まるなどノートPC用GPUでは考えられないような性能を叩き出しています。
同様のスコアはより負荷が高い3DMark TimeSpyにおいても確認ができ、ノートPC向けRTX 4090では22254ptを記録する一方で、RTX 4070 Tiは1%リードとほぼ同等レベルのスコアを示し、RTX 3090 Tiや3%劣り、RTX 3090に関しては13%も劣るなど前世代の最上位デスクトップ向けGPUを超える性能をノートPC向けGPUで実現しています。
高い性能であるノートPC向けRTX 4090ですが、ワットパフォーマンスに関しても非常に高いレベルに仕上げられており、Witcher 3を外部モニター出力で計測したワットパフォーマンスは同じAD103 GPUを搭載するデスクトップ向けGeForce RTX 4080に対して37%優れたスコアを記録しています。
ただし、ワットパフォーマンスは高くても消費電力量自体は非常に大きくなっており、ゲーム時には外部モニターを用いてもシステム全体で250Wの消費電力が、Furmark実行時には218Wの消費電力が記録されており、CPU分を除いても仕様通り150Wを超える消費電力をGPU側は消費しているようです。
間違いなくトップクラスのゲーミングノートPCだが価格は日本円で約70万円。
デスクトップ向けのRTX 4070 Tiを超える性能を発揮するノートPC向けGeForce RTX 4090、4K 144HzのIPS液晶、Raptor Lake世代のCore i9-13980HXを搭載するMSI TITAN GT77HX 13Vですが、価格は異次元となっています。
Neweggでの予約販売価格は$5299、1ドル130円で計算すると日本円で約68.8万円となっています。恐らくこれだけ高い金額を払えばRTX 4090 + Core i9-13900KのデスクトップPCが買えてしまう金額になっていますが、デスクトップ向けRTX 4070 Tiの性能を鞄で持ち運べるという点に魅力を感じて買う人も居るのかもしれません。
今回のノートPC向けRTX 4090についてはTSMC 5nmで製造した利点をフルに活かせているGPUと言えますがやはり価格がレベル違いに高くなっているのがネックと言えます。また、このノートPC向けRTX 4090については性能が非常に高くなっていますが、デスクトップ向けRTX 4000シリーズと同じく下位モデルに行くほど前世代との性能差は小さくなる傾向にあります。ですので、RTX 4090かRTX 3080 Ti搭載のゲーミングノートPCで迷うのであれば間違いなくRTX 4090を選ぶべきですが、下位のRTX 4060かRTX 3060搭載のゲーミングノートPCで迷う場合は価格なども鑑みながらRTX 3060を選ぶ方が良い場合もある事は認識しておいた方が良いです。
あと、いくらRTX 4090搭載でも消費電力が80Wに制限されていては宝の持ち腐れとなりますので、GPUの設定消費電力の値についても確認してから買う必要があります。これはノートPC全般に言える事です。
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コメント
コメント一覧 (1件)
間違いなく性能は高いんですけど、デスクトップ版と性能が全然違うのに同じ名前名乗っているのが気に食わない・・・
RTX 4090M とかの名前なら納得するんですが・・・