非対応CPUは悲惨。Arc A770ではResizable BAR無しで性能が約20%低下

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IntelのArc Alchemistの上位モデルであるArc A7シリーズ(Arc A770とArc A750)について2022年10月12日の発売に向けてレビューが解禁されましたが、どうやらCPUとVRAMのデータ転送速度を高速化するResizable BARに対応していないCPUとArc A7シリーズを組み合わせると性能が20%以上低下するようです。

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2022年10月12日発売、Arc A750とArc A770

IntelのディスクリートGPUであるArc A750とArc A770(Arc A7シリーズ)は上位モデルに位置するGPUとなっており、2022年10月12日に発売が予定されています。このGPUについて、発売を前にしてレビュー解禁が10月5日より行われました。

このArc A7シリーズに関しては、対応CPUとしてIntelでは第9世代(Core i9-9900Kなど)、AMDではZen 2以降など比較的新しいCPUを搭載しないとパフォーマンスを発揮できないと明言されていますが今回TechPowerUPがどれだけパフォーマンスが落ちるのか調査を行っています。

Resizable BAR(ReBAR)とは?

Resizable BARとは、CPUからGPUのVRAMにデータを転送する際に設けられている転送量の制限を解除するものです。このResizable BARが無効化状態ではCPUは256MB毎にしかVRAMの読み書きができませんでしたが、Resizable BARが有効化された状態ではこの制限がなくなっています。そのため、VRAMの読み書き速度が向上し、結果的にフレームレートが向上するなどしGPUの性能が上がる(最適化される)という物です。

Arc A770はResizable BAR非対応の場合、性能は20%以上の低下

TechPowerUPではArc A770をResizable BAR無効化やPCIe Gen 3での動作、または両方を想定したベンチマークを実施しています。

Intel Arc A770 Tested with PCIe 3.0 and Resizable BAR Off | TechPowerUp

結果としては、PCIe Gen 4に接続でResizable BARを有効化した状態をベースとして置くとまず、PCIe Gen 3接続でResizable BARを有効化の場合では2%の性能悪化に留まっており、パフォーマンス面で大きな悪化は見られません。

しかし、PCIe Gen 4に接続のままResizable BARを無効化した場合、1080p解像度では23%、1440pでは24%、4Kでは20%と性能が大きく悪化するようです。このグラフで言うと1440pではArc A770 16GBはRadeon RX 6600 XT並みのパフォーマンスがありましたが、Resizable BARを無効化で性能は一気にRX Vega 64並みにまで落ちてしまいます。

PCIe Gen 3+Resizable BARを無効化ではさらに性能は30%近い低下となるようです。

NVIDIAやAMDのGPUでもResizable BARには対応していますが、有効、無効状態ではフレームレートが数%レベルでしか変わりませんがIntel Arc Alchemsitに関してはこのResizable BARをフル活用する事で性能を発揮する設計になっているため、このような結果になっているようです。

Intelの第9世代CPUやRyzen 2000 CPUに関しては2018年末頃発売という事もあり、まだ現役で使っているという人も多そうですがIntelはこれらの層を完全に取りこぼす事となりそうです。

特にゲーミング用途においてCPUが最新鋭である必要性は低く、比較的古いCPUでもゲームに支障なくプレイができるためこれらの層を切り捨てるような仕様の選択はミドルレンジモデルにおいては致命的なミスの様に感じますがどのような結果になるのか気になる所ですね。

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この記事を書いた人

『ギャズログ | GAZLOG』の編集兼運営者
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