AMDのRDNA3アーキテクチャーを採用する次期型Radeon、Navi3x系のGPUについて定評があるリーカーから仕様に関する情報が出現しました。リークしたモデルはRDNA3アーキテクチャーを採用するNavi 33と呼ばれるGPUとなっています。
RDNA3のミドルレンジモデルの情報が出現
AMD RDNA 3 Based Navi 33 GPU For Next-Gen Radeon RX Graphics
NVIDIAのGeForce RTX 3000シリーズに関して正確なリーク情報を提供したKittyYuko氏によって、AMDのRDNA3アーキテクチャーを採用するNavi 33に関する情報が出現しました。このNavi33はミドルレンジモデルになると見られていますが、仕様面では現行のRadeon RX 6900 XTのNavi21と同じCUやコア数が搭載されています。また、アーキテクチャー面ではRDNA3を採用するため、Radeon RX 6900 XT以上の性能が発揮されるものと見られています。
AMDではRDNA3アーキテクチャーにおいては大幅な性能向上を果たすことをテック系サイトのインタビューなどで語っており、ミドルレンジモデルもその例外では無いようです。
Navi 33 = Navi 21。CU80基に5120コアか
Navi 33 (?) = Navi 21 + Next Gen IP Core
— Yuko Yoshida (@KittyYYuko) May 2, 2021
KittyYYuko氏の情報は非常に簡潔で、「Navi 33はNavi21に次期型アーキテクチャーを採用したモデル」とツイートがされています。現行のNavi21では最大でCU80基を搭載しており、AMDが現行モデルと同様にCU毎に64SPを搭載しているとすると5120コア搭載されるということになります。
過去にRDNA3アーキテクチャーの情報が出た際には、Navi31ではCU80基5120コアを採用したGPUを2基MCM構成で搭載し、合計でCU160基、10240コアを搭載するという情報が既に出現しています。そのため、ミドルレンジモデルではGPU 1基分に当たるCU80基を搭載するのは理にかなった構成と言えます。また、ミドルハイエンドモデルではCUを120〜140基搭載するMCM構成となる可能性もあります。
AMDでは、既にMCM構成を採用しているCPU、Ryzenシリーズをリリースしています。Ryzenではダイ毎に有効なコア数やダイを何個搭載するかで性能を調整しており、最上位モデルに当たるRyzen 9 5950Xでは8コアCPUを2基、その次のモデルでは6コアのみ有効なCPUを2基、ミドルレンジでは8コアCPUを1基、その次のモデルには6コアを1基という構成で既に展開していますが、RDNA3でも同じような戦略が取られると考えられており、歩留まりの向上に伴い、コストパフォーマンスと性能が大きく向上すると見られます。
TSMC 5nm採用でリリースは2022年後半になる模様
RDNA3ではTSMCの5nmプロセスを採用すると見られています。また、前項で紹介したとおり、MCM構成になる可能性は非常に高く、AMDでは既にMCM構成のGPUに関する特許を何点か出しています。
AMDがMCM型GPUの特許を申請。MCM型Radeon登場への布石か
You mean the highest version of RDNA3?
Oh, that will be a big bang.— kopite7kimi (@kopite7kimi) May 2, 2021
I guess Ampere’s life will be extended at least until the end of next year.
— kopite7kimi (@kopite7kimi) April 28, 2021
AMDはRDNA3アーキテクチャーを採用するRadeonシリーズは2022年中にリリースするとRadeon RX 6000シリーズの発表会などで表明しており、リーク情報でも同様に2022年末ごろを目掛けてリリースするという情報が出現しています。かなり先の情報のため、まだまだ仕様が変わる可能性はありますが、性能面では大きく向上する可能性は非常に高そうです。
AMDはRyzenシリーズで実現したMCM構成のCPUで高い性能やコストパフォーマンスを実現し、Intelに追いつく大躍進を遂げましたが、GPUにおいても同じようなパターンで成功を掴もうとしていると考えられます。
近年、GPUはダイサイズが肥大化する傾向にあり、最近出現したハイエンドモデルではNVIDIA、AMD共に600mm2に近いモデルも登場し始めており、コスト面では非常に不利な状況となっています。そのため、コア数を増やしながらもダイサイズを大きくする必要の無いMCM構成はコスト面で有利になると見られており、もし実現ができればNVIDIAのハイエンドモデルと同様の性能を維持しながらも価格が抑えられたモデルが出現する可能性があり、どのようなモデルになるのか期待が膨らみます。ただ、一番気になるのはRDNA3が出現すると言われている2022年末には半導体不足がしっかり解消しているかどうかですが・・・
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