Minisforum MS-01の基本的な仕様について
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Minisforum MS-01は主にミニPCを製造、販売するMinisforumのミニPCで、CPUにはIntelのRaptor Lake世代となるCore i9-13900Hを搭載したモデルになっています。
価格はCore i9-13900Hを搭載するベアボーンキットが136,980円、32GBのメモリーと1TBのSSDを搭載したモデルは173,980円となっています。
CPU | Intel Core i9-13900H @TDP 45W |
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グラフィックス | Intel Iris Xe Graphics (1.5 GHz) |
メモリー | DDR5 5200MT/s 16GB x 2 = 32GB |
ストレージ | PCIe Gen 4 NVMe SSD 1TB アダプター使用U.2へ換装可能 拡張可能なNVMeスロット PCIe Gen 3.0 x4 x1 PCIe Gen 3.0 x2 x1 |
OS | Windows 11 Pro |
インターフェイス | フロント側 – USB3.2 Gen1 Type-A x 1 – USB 2.0 Type-A x2 – 3.5mm ステレオジャック リア側 – 10G SFP+ポート x2 – 2.5Gbps イーサーネットポート x2 – USB3.2 Gen 2 Type-A x 2 – USB4 Type-C (Alt-Mode対応) x2 – 2.5Gbps イーサーネットポート – HDMI 2.0 x 1 |
拡張スロット | PCIe Gen 4 x16 (ロープロファイル・シングルスロット) |
ワイアレス機能 | Wi-Fi 6E / Bluetooth 5.2 |
サイズ | 幅196 x 奥行き189 x 高さ48mm |
電源 | 19V ACアダプター (最大180W) |
価格 | Core i9-13900H:136,980円~ Core i5-12600H:87,980円~ |
パッケージ内容と同梱物
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箱のサイズは大きめで、紙製カバーを引っ張ると本体を収めた箱が入っており、Apple製品などでよく見られる、持ち上げると重力で本体や付属品が収められた箱の梱包になっています。
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同梱されている付属品はACアダプターの他に、長さ100cmのHDMIケーブルのほか、NVMeスロットにU.2対応SSDなどを収める変換アダプターが含まれています。
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ACアダプターはかなり大きめですが、容量が180Wまで対応しています。
Minisforum MS-01のデザインと品質、拡張性について
ここではMinisforum MS-01のデザインや品質そしてミニPCではあるものの気になる拡張性について解説します。
デザインと品質:前面と後面以外は金属製
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外観は通常のミニPCより拡張性に重点を置いた設計になっているため、大きさは一般的なミニPCより2周りぐらい大きくなっています。
筐体の材質は本体の大部分を覆う側面と天板、底面はアルミ製になっており、前後のインターフェースが備わる部分はプラスチック製になっています。
ただ、建付けは金属部分もプラスチック部分も良好で、新質感は高いです。
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前面は左から3.5mmジャック、USB3.2 Gen2 Type-Aを1つとUSB 2.0を2つの合計3ポート備わっています。
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後面には左から10G SFP+ポートと 2.5Gbps イーサーネットポート、USB4 Type-Cを2つづつ備え、HDMI 2.0ポートを1つ、そしてUSB3.2 Gen 2 Type-Aを2ポート備えるなど非常に高い拡張性を持っています。
拡張性:SSDやメモリー、グラボの追加が可能と言う驚きの拡張性
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本体底面には6つのネジがむき出しになっているため、スクリュードライバーで簡単に開くことができます。
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ただ、ネジを取っただけでは開かず、本体後面にあるボタンを押すことで蓋を固定するラッチが外れ、本体底面へのアクセスが可能になります。
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本体底面にはNVMe SSDなどを収めるエリアになっており、開けると冷却用のファンが鎮座しています。このファンを取り外すとアクセスが可能になり、PCIe Gen 4対応のNVMe SSDを1つとPCIe Gen 3 x4対応SSDを1つとx2対応SSDを1つの合計3つのSSDを収めることが可能になっています。
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また、この中でPCIe Gen 4対応NVMeスロットに付属のU.2アダプターを差し込むことで、U.2対応ストレージの運用にも対応することができます。
なお、U.2を使用する際は上の写真にあるスイッチを切り替える必要があるのですが、U.2使用後に再びM.2を使用する際にこのスイッチをONポジションにしていないとSSDが壊れる可能性があり注意が必要となります。
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本体の側面から上面を覆う金属製シュラウドは本体前方のプラスチック製カバーを外すことで、前方へスライドして外すことが可能になっています。
そして、このシュラウドを外すことで本体上面へアクセスすることが可能になります。
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本体上面はPCIe Gen 4 x16対応のスロットが1つ設けられており、ここにはロープロファイル対応かつ1スロットまで占有するグラフィックカードなどを収めることが可能になっています。
残念ながらロープロファイルグラフィックカードは持ち合わせていなかったので、この部分はレビューで検証できませんが、長さ170mm以下のグラフィックカードまでなら搭載可能であるため、Radeon RX 6400はもちろん、NVIDIA RTX A1000などエンタープライズ向けグラフィックスカードも搭載可能です。
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冷却用ファンは3つのネジで固定されており、これを外すとファンが外れ、その下にはSO-DIMM規格のDDR5が2スロット用意されています。今回のサンプル品ではDDR5-5200MT/s対応の16GBメモリーが2本備え付けられています。
Minisforum MS-01の各種パフォーマンスについて
内蔵のCore i9-13900H CPUについて
今回提供されたサンプルモデルではCore i9-13900Hが備えられています。
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このCPUはIntelの第13世代ノートPC向けCPUで、コア構成は6P+8Eで合計14コア、20スレッド構成になっています。動作クロックはベースクロックが3.0 GHz、ブーストクロックが最大5.4 GHzで動作します。また、TDPは60W、ブースト時のPL2が80Wに設定されているため、一般的なノートPCなどに備わっているCore i9-13900Hより高いTDPに設定されており、その分高いパフォーマンスが期待できます。
GPUはCore i9-13900Hに内蔵されているIris Xe Graphicsを使用しています。このGPUは96基のExecution Unitを備えたGPUになっていますが、ゲームを快適にプレイできるほどのスペックとは言い難いです。
Minisforum MS-01のCPUパフォーマンス
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性能面ではCore i9-13900HはノートPC向けCPUですが、6P+8Eの14コア構成であることやPL1/PL2含め高めに設定されているため、デスクトップ向けCPUとも遜色がない性能を発揮しています。
Cinebench R23やGeekbench 6のシングルコア、マルチコア共にデスクトップ向けCPUであるCore i5-12600Kを超える性能を発揮しており、Ryzen 7 7800X3Dにも迫るような性能を持っています。
PCMark 10のスコア:4Kの動画編集も可能なレベル
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PCMark10においては合計5780ポイント記録されています。
各項目においてはウェブブラウジングや各アプリの起動など日常用途の快適性を表すEssentialsやWordやエクセルなどオフィス用途での性能を示すProductivityでは高いスコアを記録しているため、日常やオフィス用途での使用で不満に思うことは無いと言えます。
RAW画像や動画編集、3Dのレンダリングなどを評価するDigital Content Creationも8129ポイントと高めのスコアを記録しています。そのため、レンダリングやPhotoshopを使った画像編集と言ったワークロードは快適に作業することが可能と言えます。
Minisforum MS-01のゲーミング性能
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3DMark TimeSpyにおいてはGraphics Scoreが1852ポイントを記録しています。もともとCore i9-13900Hの内蔵GPUはグラフィックス性能を追求したものではないため、スコアはあまり高くありません。
ただ、ゲーミング用途で使うミニPCではないためこの点は特に気にする必要はないほか、ゲーミング性能を高めたければロープロファイルグラフィックカードを追加できます。
Minisforum MS-01の消費電力と長時間の負荷を与えた際の動き
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Minisforum MS-01に内蔵されるCore i9-13900HのTDPは60Wに設定されていますが、Cinebench R23開始後の数秒間はブースト状態として80Wを超える消費電力を記録しています。また、そのあとも60Wで動作し続けるなど高めの消費電力で動作します。この動きに連動して、動作クロックも最初は3.2 GHz程度で動いていますが、そのあとは動作クロックは3.0 GHz程度で維持するようになります。
CPUの温度を見ると80Wの動作は温度が右肩上がりで80℃に到達していますが、60W動作に切り替わったあとは75℃を維持しているため、CPUの冷却能力は足りていると言えます。
なお、ブースト時の挙動はBIOS設定で変更することが可能になっていますが、保証対象外になるほか不安定になったりファンノイズが大きく増えるため推奨はされていません。
内蔵されているSSDの性能
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内蔵されているSSDはKingston製OM8SEP41024Q-A0と呼ばれるPCIe Gen 4対応NVMe SSDが搭載され、容量は1TBになっています。
この製品は読み取り性能が約5000MB/s、書き込みが約4000MB/sと非常に高速な性能になっているため、日常的な使用や動画編集など重めのワークロードでもストレスを感じることが無い性能を持っています。
Minisforum MS-01の日常での使い心地と使い勝手
PCではパフォーマンスなどが重要でもありますが、毎日使うという点で気になる使い勝手や使い心地について取り上げて行きます。
ミニPCで気になるライセンス問題は問題なし
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ミニPCで気になるWindowsライセンスについて、Minisforum MS-01はOEM_DM Channelと記載されているライセンスのため、正規ライセンスが使われている事が確認できます。
SFP+やU.2対応など刺さる人には刺さる装備
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SFP+やU.2などエンタープライズ用途で使われる装備が備わるため、自作のサーバーを構築したい人など用途が明確なユーザーにとっては魅力的と言えます。
Minisforum MS-01の最終評価:尖った製品で刺さる人には刺さるが万人受けはしない。
- 小型筐体ながらグラボも備えれる拡張性
- 10G SFP+やU.2対応などサーバー運用を視野に入れた仕様
- 本体のファンノイズは非常に静か
- Intel vPro対応
- ミニPCとして価格が高め
- SFP+など普通の人が使わない装備が多数
Minisforum MS-01はSFP+やU.2、vPro対応など、ミニPCと言いつつもワークステーションのような装備を持っており、唯一無二のミニPCであると言えます。特に、SFP+やU.2などワークステーション用途で使うには便利な機能が多く、PCIe Gen 4対応x16スロットを備えていたり、NVMe SSDを最大3本まで搭載できるなど、同じようなサイズや装備のミニPCが市場に多く出回る中、非常に尖った製品であることは間違いありません。
ミニPCとしては10万円を超えるなど比較的高価であり、SFP+やU.2、vPro対応など一般ユーザーにはあまり馴染みのない機能が多くなっているため、もし多少のゲーミングや日常使用を想定している方は、同価格帯でRyzen 9 8940HSなど内蔵GPU性能も高めのミニPCを選ぶ方が良いと言えます。
ただ、上述の通りMS-01はミニPCとして高い拡張性と機能を備えていることから、自宅用のサーバーやルーターを作りたいという用途が明確な人には魅力的な製品です。このようなニッチな製品を販売するMinisforumの姿勢は評価できる一方で、個人的には開発コストや収益がしっかり確保できているのか、少し心配になります。
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