MediaTekがWindowsノートPC向けArmプロセッサを開発中。2025年に投入?
WindowsノートPC向けのArmプロセッサについてはQualcommのSnapdragon Xシリーズが2024年6月から順次投入されるなどここ最近注目度が高いプロセッサになっていますが、同じくArmプロセッサを開発するMediaTekが本格的にWindows PC向けのArmプロセッサへの参入を準備している事が明らかになりました。
ロイター通信によると、QualcommとMicrosoftでは2016年からWindowsでArmが動作できるように協業関係を結んでいるほか、Microsoftが開発するノートPCのSurfaceにQualcomm製チップセットを供給する独占契約を結んでいるとのことです。ただ、この契約は2024年内に期限を迎えるとのことです。
そのため、このタイミングを狙ってMediaTekではノートPC向けArmプロセッサを2025年末までの投入を目指しているとのことです。ただ、Qualcommとの独占契約が切れるとはいえMicrosoftとQualcommの関係は近いことから、このMediTek製チップセットがMicrosoftが推進しているCopilot+に対応できるのかなどは現時点では不明とのことです。
このMediaTekが開発するノートPC向けArmプロセッサの詳細は明らかにされていませんが、リークではMediaTekとNVIDIAが協業でチップセットを開発していると言われています。MediaTek側はCPUを担当し、Dimensity 9400シリーズから搭載されるCortex-X5 Blackhawk CPUを搭載すると言われています。このCPUはQualcommが独自開発したOryonに対抗できるだけの電力効率と性能を兼ね備えていると噂されています。
一方、NVIDIAが担当するGPU側は同社の最新アーキテクチャーのBlackwell GPUアーキテクチャーを搭載し、Armチップセットのパッケージ内にLPDDR6を組み込むことで高いパフォーマンスを発揮できるようになっていると言われています。
さらに、このプロセッサはノートPCのほかにハンドヘルド型のゲーミングデバイスにも搭載される可能性が指摘されているため、2025年からはMediaTek製チップセットに対する注目度が高まる可能性がありそうです。
MediaTekはここ最近はスマートフォン向けチップセット事業が好調で、2024年第一四半期はスマートフォンチップセットにおいて同社がトップの出荷量を記録しています。この背景には、Qualcommに対して価格が安いなどのアドバンテージがあるのですが、同様にコストパフォーマンスに優れるWindows on Armチップセットを投入できればArm市場において非常に強いプレゼンスを確保できると言えます。
また、噂されているNVIDIAとの協業が事実であれば話題性もあるほか、ゲームに強いArmノートPCとしても高い注目度を集めると言えそうです。
Exclusive: MediaTek designs Arm-based chip for Microsoft’s AI laptops | Reuters
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