サムスンがMediaTek Dimensity 9300+搭載のハイエンドタブレットを投入へ。ベンチマーク結果が登場
サムスンではハイエンドスマートフォンやタブレットにおいてはSnapdragon 8シリーズを搭載していますが、2024年秋以降に投入が予定されているハイエンドタブレットのGalaxy Tab S10+についてはMediaTekのDimensity 9300+を搭載することが最近登場したベンチマークにより明らかになりました。
Geekbench 6に登録されたSM-X828Uと呼ばれるモデルは北米向けに投入されるGalaxy Tab S10+なのですが、Geekbenchに記録されている仕様情報によるとマザーボードが『gts10p』と記載されており、これはMediaTekのDimensity 9300+を搭載するマザーボードに関連していると言われています。このDimensity 9300+はSnapdragon 8 Gen 3に対抗するチップセットで、TSMC 4nmプロセスで製造されています。コア構成は全コアがBig-Coreで、Cortex-X4が4コア、Cortex-A720を4コアの合計8コア搭載しています。ベンチマークでは動作クロックはCortex-X4のうち1コアは最大3.4 GHzで動作し、残り3コアは2.85 GHz、Cortex-A720は全コア2.0 GHzでの動作します。
ベンチマーク結果によると、シングルコアは2141ポイント、マルチコアは6952ポイントを記録しています。
競合であり、サムスンのハイエンドスマートフォンなどに搭載されているSnapdragon 8 Gen 3はシングルコアが約2200ポイント、マルチコアは約6900ポイントを記録しているため、Dimensity 9300+搭載による性能差は少ないと言えます。
なお、サムスンが今までハイエンドモデルにはQualcommのSnapdragon 8シリーズを使っていた中、MediaTek Dimensity 9300+に切り替えた理由としては明確ではありませんが、過去にMediaTekはサムスンに対して特別な値下げを提供し、同社チップセットのシェア拡大を目論んでいたという話がありました。そのため、今回のチップセット変更はMediaTekの割引を使って供給されている可能性もあり、サムスン側としてはコスト低減に繋げる考えがあると言えそうです。
サムスン製スマートフォンやタブレットのラインアップで見るとMediaTekの採用例はありますが、ほとんどはエントリーからミドルレンジモデル向けで、ハイエンド向けモデルに同社のチップセットが採用されるのは今回が初めてとなります。
今後、サムスンがMediaTekのDimensity 9000シリーズを採用した製品をスマートフォンにも拡大するのかは不明ですが、2025年以降のスマートフォンに搭載されるSnapdragon 8 Gen 4は供給価格が非常に高くなるとも言われているため、サムスンとしては自社開発のExynosやQualcommのSnapdragon 8、そしてMediaTekのDimensity 9000シリーズをラインアップに加えることで競争を促進し、コストの低減を図る狙いがありそうです。
Surprise! Galaxy Tab S10+ features a MediaTek Dimensity chip | Sammobile
https://www.sammobile.com/news/galaxy-tab-s10-mediatek-dimensity-9300-plus-processor-geekbench-score
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