MacPro搭載のM2 UltraはIntelやAMDのHEDT CPUには及ばず。

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MacProに搭載されるM2 Ultraの性能はIntel XeonやAMD Threadripperには遠く及ばない模様

AppleではWWDC23にてタワー型で今までIntel製CPUを搭載していたMac Proに同社が開発した最新鋭のSoCであるM2シリーズの最上位SoCであるM2 Ultraを搭載したモデルを発表、発売を行いました。

この新型Mac Proに搭載されているM2 Ultraは2つのM2 Maxを2.5 TB/sの帯域幅を持つシリコンインターポーザ―を使用して接続し、合計でCPUコアを24コア(高性能コア16コア+高効率コア8コア)とGPUを76コアに加えて、AI処理を担うNeural Engineを32コアとビデオエンコードなどを担うMedia Engineを4コア搭載するなどパワフルなSoCになっています。さらに、内蔵メモリーについてはSoCに統合されており、8チャンネルのLPDDR5-6400を搭載することで800GB/sの帯域幅を実現しています。

今回、そんな高性能な仕様のSoCを搭載するMacProのGeebenchベンチマークが登場したのですが、ベンチマーク上ではワークステーション向けとして性能面でx86系CPUに対して大きく劣る現状が浮かび上がってきています。

スクロールできます
Geekbench 5M2 Ultra
(Mac Pro 2023)
Xeon W9-3495XRyzen Threadripper Pro 5995WXCore i9-13900K
コア数24C/24T (16P+8E)56C/112T64C/128T24C/32T (8P+16E)
動作クロック最大3.68 GHz1.9-4.6 GHz2.7-4.5 GHz3.0-5.8 GHz
シングルコア1956173015632343
マルチコア27945569104700528956
リンク先https://browser.geekbench.com/v5/cpu/21305974https://browser.geekbench.com/v5/cpu/211458582https://browser.geekbench.com/v5/cpu/19923348https://browser.geekbench.com/v5/cpu/20655426

Geekbench 5と言う限られたベンチマークスコアではあるものの、Mac Proに搭載されているM2 Ultraについてはシングルコアは1956ptを記録しており、ワークステーション向けx86 CPUであるXeon W9-3495XやRyzen Threadripper Pro 5995WXに対しては13%~25%と大きく上回っています。しかし、高い動作クロックが発揮できるデスクトップ向けのCore i9-13900Kに対しては16.5%劣る結果になっています。

マルチコアにおいてはこの差は更に広がってしまい、Xeon W9-3495Xに対しては50%、Ryzen Threadripper Pro 5995WXに対しては40.5%とほぼ半分程度の性能となっています。また、Core i9-13900Kに対しても3.5%劣るなど100万円以上するワークステーションとしてはCPU性能を期待すると期待外れな性能となっています。

このような結果になってしまっている背景として、M2 UltraのベースとなっているM2 MaxはMacBook Proや小型ワークステーションであるMac Studioなど電力効率と低発熱性が重視される筐体で採用されているため、動作クロックが低い状態での性能は高いものの、動作クロックを上げても性能が頭打ちになる傾向があるようです。また、コア数についてもM2 Maxでは最大12コアとなっているため、2つ繋げても24コアになるなどx86系ワークステーションCPUに対して少なくなるなど本格的なワークステーション向けとしては開発がされていないと見られています。

このMac Pro搭載のM2 UltraについてはNeural EngineやMedia Engineなどのアクセラレータを多く搭載しているため、CPU性能については通常のx86系CPUより求められない可能性もあります。ただ、Mac Proが使われるデザイナーやコンテンツクリエイトなどの現場においては高いCPU処理やGPU処理を必要とする場面も多くあり、Appleの独自開発するアクセラレータだけで対応できない場面もあります。そのようなケースではCPU性能が作業効率に直結してしまうため、CPU性能の低さはMac Proにとって致命的な欠点となる可能性があると言えそうです。また、筐体サイズもMac Proは非常に巨大で導入コストも非常に高価なため、TCOやスペース効率で考えると今回のMac Proに関してはゴミ箱形状だったMac Proに並ぶ失敗作と言われる可能性が高いと言えそうです。

AppleはApple Silicon発表時に2年以内に完全移行するとは宣言していたものの、このレベルならXeon W9-3995WXとかを採用していた方が良かったと言えそうです。

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この記事を書いた人

『ギャズログ | GAZLOG』の編集兼運営者
幼い頃から自作PCなどに触れる機会があり、現在は趣味の1つに。
高い買い物でもある自作PCやガジェットをこれから買おうと思ってる人の役に立てるような記事を提供できるよう心がけています。
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コメント

コメント一覧 (4件)

  • CPUのショボさも然ることながら、
    プロユースなのにメモリが192GBというのがヤバい。
    しかもバカデカ筐体なのにグラボも不可。

  • CinebenchやGeekbenchはコア数が全てなタイプのベンチマークなんで実用途とは関係ないですね
    スレッドリッパーの128スレッドもいまだに活用方法がないですし

  • マカーっさんw
    お前はPCで仕事したことないのか?
    DAWだとシングルスレッド性能もマルチスレッド性能もプラグイン刺しまくるなら無限に欲しくなるが?

    せめて知見をつけてからお前の大好きなmacちゃんのこと評価してあげてね
    他を下げてもmacちゃんは上がらないよ

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