低発熱なPCIe Gen 5 NVMe SSD登場へ。SiliconMotionがTDP 3.5WのSSDコントローラーを発表。

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低発熱なPCIe Gen 5対応NVMe SSDが登場へ。SiliconMotionがTDP 3.5WのSSDコントローラーを発表

PCIe Gen 5対応NVMe SSDでは10GB/sを超えるような高い読み込みおよび書き込み速度が魅力的なのですが、それだけ多くのデータを瞬時に処理を行う必要性からメモリーコントローラーの消費電力が大きくなり、結果的に発熱が大きくなっています。その結果、現在販売されているPhisonのPCIe Gen 5用メモリーコントローラーであるPhison E26ではTDPは10Wを超えており、多くのPCIe Gen 5対応NVMe SSDでは巨大なヒートシンクや小型ファンなどを搭載して冷却を行う必要があります。

しかし、PhisonのライバルであるSiliconMotionが非常に低い電力で動作するPCIe Gen 5 NVMe SSDに対応するメモリーコントローラー『SM2508』を発表しました。

SM2508はフラッシュメモリー関連のイベントであるFMS 2023のイベントで発表されました。このSM2508では以下の様な仕様となっています。

  • 最大14 GB/sの読み書き速度
  • 最大2.5百万IOPS
  • 3D TLC/QLC NANDのサポート
  • 8チャンネルDRAMのサポート

仕様としては、PCIe Gen 5の最大性能である14GB/sの読み込みおよび書き込み性能を有しており、IOPsも最大250万で3D TLC/QLCと8チャンネルのDRAMをサポートするなどハイエンドNVMe SSDにも対応可能な仕様になっており、PhisonのE26に直接対抗するモデルになっています。

このSM2508は仕様面ではほとんどPhison E26と同じなのですが、最も特徴的なのがその電力効率でメモリーコントローラーの消費電力はわずか3.5Wで動作が可能となっており、PCIe Gen 5 NVMe SSDではスタンダートとなりつつある巨大なヒートシンクなどを搭載しなくても動作が可能になる可能性があります。ちなみに、Phison E26は最大14W程度と言われており、SiliconMotion製は4分の1程度と大幅な低減を実現しています。

SiliconMotionによるPCIe Gen 5 NVMe SSDコントローラーの登場は、消費電力の効率化を実現するだけでなく、SSDのコスト削減へも寄与すると見られています。Phison E26がほぼ独占していたPCIe Gen 5 NVMe SSDコントローラー市場に、SiliconMotion製のSM2508が新たに投入されることで、競合が生まれるとともに、SSDコントローラーの価格が下落する可能性があります。この動きが結果的に、NVMe SSDの全体的な価格の低下を促進すると期待されています。

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この記事を書いた人

『ギャズログ | GAZLOG』の編集兼運営者
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