液体金属の使用で Raptor Lake の保証交換が拒否される。原因は刻印が消えるため
Intelのデスクトップ向け第13世代CPU「Raptor Lake」と第14世代「Raptor Lake Refresh」には、CPUのマイクロコードに不具合があり、これによりCPUが不安定になる問題が報告されています。Intelは影響を受けるCPUに対して5年間の延長保証を適用し、交換要件も緩和してユーザーの申告ベースで交換を受け付けています。しかし、香港のHKEPCによると、液体金属をサーマルペーストとして使用したことで保証交換が拒否される事例が明らかになりました。
HKEPCのFacebookグループに投稿された情報によると、ユーザーはCore i9-14900Kにおいて動作の不安定化などの不具合が発生したため、香港のIntel代理店であるSynnexのサポートセンターに保証交換を相談し、RMAの申請を行いました。しかし、Intelはこの保証交換を受け付けず、理由を尋ねると液体金属の使用が原因であるとの返答を受けました。この内容についてHKEPCがSynnexに確認したところ、液体金属の使用によるRMA拒否は事実であることが確認されました。さらに詳細を確認すると、液体金属の使用によりCPU本体に刻印されているシリアル番号などが腐食し、識別が困難になったことが主な原因であることが分かりました。
実際に不具合が発生したものの、RMAを拒否されたCPUは刻印が一切確認できない状態となっており、IntelがRMA申請の条件としているシリアル番号の識別が不可能となっているため、今回のRMAは規約に基づき拒否されたと考えられます。
Intelは公式サポートでも液体金属の使用に関して注意を喚起しており、CPU本体に刻印されているマーキング類(シリアルや製品名など)が消えることでRMAの確認が困難となり、結果的に保証を受けられなくなる可能性について指摘しています。したがって、今回のRMA拒否は妥当な判断と言えるでしょう。
液体金属は通常のサーマルペーストに比べて冷却性能が向上するため利用するユーザーも一定数いますが、導電性があるため初心者向けではなく、扱いが難しい性質があります。また、今回の事例から分かるように、Raptor Lake系CPUのみならず、Arrow Lake系のCore Ultra 200SやAMD Ryzenにおいても、保証交換に必須となる刻印を消してしまうリスクが存在します。したがって、CPUを使い捨てにするほど酷使するエクストリームオーバークロッカーでない限り、液体金属の使用は控えた方が良いでしょう。
拒保 CPU 因表面被腐蝕無法識別 聯強︰曾嘗試申請 RMA 但 Intel 拒絕接受 | HKEPC
コメント
コメント一覧 (2件)
シリアル番号ないとなんのCPUかわからんし特定する手間がふえるから断られるのは当然
これは残当