Intelまた窮地?Raptor Lakeは秋以降に登場。サーバー向けは大幅遅延

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Intelでは2022年後半に現行のAlder Lake-Sの後継モデルとしてRaptor Lake-Sの投入を計画していますが、どうやら当初の計画に対して投入時期が遅れる様で、2022年第四四半期後半に登場する可能性があるようです。また、Intelが他に用意している製品Meteor Lakeなど将来製品についても当初予定より遅れ気味のようです。

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新製品を予定通り出せないIntel。。。

Intelでは2022年中に出現する製品としてコンシューマー向けCPUのRaptor LakeとGPUのArc Alchemsit、サーバー向けのSapphire RapidsとPonte Vecchioなどを投入予定です。ただ、この中でArc Alchemistは当初は2021年末から2022年初旬、Sapphire Rapidsについては2021年中に投入予定でしたが、様々な問題により2022年後半まで発売が延期されています。そして、開発が順調に進んでいるかのように見られていたRaptor LakeについてはIntelの当初の狙いは2022年秋頃に登場するAMD Ryzen 7000シリーズより先の夏頃発売を予定していたようですが、最悪な場合2022年10月~12月まで発売が遅れる可能性があるようです。

このようにIntelでは最近、開発中の新製品を予定通りに出せない状況となっているようですが、Raptor Lake-Sについては若干予定より遅れている他、2023年から2024年にかけて特にサーバー向け製品ではIntelは非常に難しい立場に追いやられる可能性があるとMoore’s Law is Deadでは取り上げられています。

Raptor Lake Launches October, and AMD is about to CRUSH Intel! – YouTube

Raptor Lakeは2022年Q4登場。本当は、Zen 4より先に出したかった?

Intelでは第13世代CPUとしてRaptor Lake-Sの発売を当初は2022年第3四半期(7月~9月)に発売を予定しており、マザーボードメーカーなどに対しても同様の日程感が共有されていました。

この日程はAlder Lake-Sと比べると3か月ぐらい早い時期の登場で予定されていた背景としては、Raptor Lake-SではAMDの新CPUであるRyzen 7000シリーズと同等か若干上回る程度の性能になる見込みです。そのため、AMDより後出しではAMDに顧客を奪われる可能性がある事から、Ryzen 7000シリーズより先に登場させ、パフォーマンス面でのアドバンテージをアピールし既存のAMDユーザーも取り込もうと考えていたようです。

しかし、Moore’s Law is Deadがマザーボードメーカー関係者などから得た情報によると、IntelではRaptor Lake-Sの発表会を2022年代3四半期内の9月に行うものの、レビューサンプルなどの提供は第4四半期(10月~12月)より前に出す事は難しく、発売に関しては確実に第4四半期内になるとの事です。

高い収益率を誇るサーバー向けも遅延。2023年~2024年は辛い年になる可能性

Intelでは2022年6月8日にサーバー向けXeonの新CPU、Sapphire Rapidsの投入遅延を正式に発表しました。このSapphire Rapidsについては2021年の登場が予定されており、AMDのZen 3アーキテクチャー搭載するEPYC Milanに対抗するモデルとしてIntelやサーバー・データセンター関係者、そして株主からも期待されていました。しかし、Sapphire Rapidsについては2022年下半期の遅い時期に登場が延期された事でIntelは96コアのZen 4 CPUを搭載するEPYC Genoaと対抗する必要性が出てきてしまいました。

また、このSapphire Rapidsの延期に伴い、後ろに控えていた製品も軒並み遅れるようです。例えばRaptor Lake-Sと同じ、Raptor Coveを64コア搭載するEmerald Rapidsは本来、Zen 4 EPYC Genoaに対抗するために投入されますが、2023年後半に登場という事で128コアのZen 4cを搭載するEPYC Bergamoと3D V-Cacheを搭載するZen 4 EPYC Genoa-Xに対抗する必要があります。

また、Emerald Rapidsの後継モデルのGranite Rapdsは2024年中に登場する事から、途中で256コアのZen 5を搭載するEPYC Turinにも対抗する必要があり、Intelはサーバー向け製品に関してAMDに全く歯が立たない状況になりうると見られています。

Moore’s Law is Deadによると、大規模なサーバー・データセンターの購入仕様を策定する関係者からはIntelは自社のサーバー向け製品について過大評価をしており、Intel CPU向けに最適化されたソフトウェアを使っているからAMDに買い替えられる心配があまり無いと見ているようです。しかし、AMDとIntelの間でCPUコア数で4倍程度も差が出てしまうと新しいソフトウェア開発チームを雇ってでもAMDに乗り換えるという選択肢が出て来る可能性があるとの事です。

Intelで一体何が起きているか分かりませんが、当初計画した通りに新製品を出せない状態が続いているようです。例えばIntel初のGPUであるArc Alchemistは当初は2021年末から2022年初頭に登場するはずで、GPU不足に嘆くゲーマーを救う救世主になると見られていました。しかし、2022年6月になっても発表は無く、最終的にはGeForce RTX 4000やRadeon RX 7000シリーズと登場時期がほとんど変わらない所まで延期されてしまっています。

また、一般ユーザーにはあまり関係がありませんが、Intelの収益を支えるサーバー・データセンター向け製品であるSapphire Rapidsについては2021年に投入される予定でした。しかし、2022年初頭、そして2022年後半とズルズルと投入が遅れてしまっています。この遅延発表の翌日にはIntel株は大きく下落しているため、Intelの収益に大きなダメージを与えると投資家は見ているようです。

Intelがこのまま新製品がズルズルと遅れるような事を繰り返せばやがて収益にも大きなダメージを与え、研究開発費の縮小などCPU性能面でAMDに歯が立たないという事態にもなり得ます。そうなればAMDがRyzen 5000シリーズで行ったように販売価格を一方的に吊り上げるという消費者側にとっては良くない事態も起こるのでAMDの良きライバルとしてIntelには頑張ってもらいたいところです。

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この記事を書いた人

『ギャズログ | GAZLOG』の編集兼運営者
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