Sapphire Rapids搭載HEDT、Xeon W9-3495のベンチマーク出現。だがTR5995WXに劣る

この記事は最終更新日から1年経過しています。掲載内容や情報が古い可能性があります。
  • URLをコピーしました!

Intelでは2023年1月にサーバーデータセンター向けCPUのSapphire Rapids-SP Xeonを発売しましたが、これらを流用したワークステーション向けのSapphire Rapids-WS Xeon最上位モデル、Xeon W9-3495Xのベンチマークが出現しました。

目次

Sapphire Rapids搭載のワークステーション向け最上位のXeon W9-3495Xのベンチマーク出現。

Intel Xeon W9-3495X unlocked 56-core Sapphire Rapids CPU appears on Geekbench – VideoCardz.com

Intelでは2023年1月にサーバー・データセンター向けにAlder Lakeで採用されているGolden Coveアーキテクチャを搭載したSapphire Rapids-SP Xeonを発売しました。このSapphire Rapids-SPでは最大60コア、TDPは最大350Wで構成され、AMDのサーバ・データセンター向けCPUのEPYC Genoaに対抗する製品となります。

Intelではこのサーバー・データセンター向けのXeonをワークステーション、HEDT向けに転用したSapphire Rapids-WS Xeonを2023年2月15日に発表する計画で今回この中でも最上位モデルとなるXeon W9-3495XのGeekbenchベンチマークが出現しました。

Xeon W9-3495XはGolden Cove CPUを56コア、112スレッド搭載し、L2キャッシュは2コア共有で2MB搭載し合計56MB、L3キャッシュは105MBでCPU全体では161MBのキャッシュを搭載しています。

また、動作クロックについてはベースが1.9 GHz、ブースト時は最大4.6 GHzで動作するようです。

Xeon W9-3495Xのスコアはシングルコアが1284pt、マルチコアが36990ptを記録しています。

Xeon W9-3495Xの前世代のワークステーション向け最上位モデルであるXeon W-3375に対してはシングルコアは同等、マルチコアは1.5倍の性能を記録しており後継モデルに相応しい性能向上を実現しています。

ただし、Xeon W9-3495XのライバルとなるAMDのRyzen Threadripper PRO 5995WX(以下:TR5995WX)ではシングルコアは1563pt、マルチコアは47005ptをなっており、AMDの方がシングルコアは約1.2倍、マルチコアにおいては1.27倍と大きく差をあけられています。

TR5995WXはXeon W9-3495Xの56コアに対して64コアを搭載し、L2キャッシュは32MBとXeonの方が勝る一方、TR5995WXはL3キャッシュは256MBでL3とキャッシュ全体で見るとXeonの方が劣る仕様になっているため仕方がない面もありますが、消費電力面においてもXeon W9-3495Xは350Wである一方で、 TR5995WXは280Wと8割程度に抑えられているため、性能のみならずワットパフォーマンス面でもXeon W9-3495XはTR5995WXに対して劣っている可能性があるようです。

ただ、注意点としてこのXeon W9-3495Xのベンチマーク自体、動作クロックの最大値である4.8 GHzではなく3.2 GHzに抑えられていた可能性がある事がGeekbenchのログで明らかになっています。メモリーチャンネルが最大の8ではなく4チャンネルであるため最大性能を発揮できればシングルコアスコアについては向上する可能性はありそうです。ただ、マルチコアに関しては動作クロックが最大値の4.8 GHzまで動作するとは考えにくいため、TR5995WXを下回るスコアである事には変わりないと見られています。

 

ワークステーションおよびHEDT向けCPUに関しては、AMDがRyzen Threadripperを導入していますが、現行のRyzen Threadripper 5000シリーズではワークステーションを対象にした高価なPROモデルのみ投入されています。そのため、Sapphire Rapidsを搭載するXeon Wシリーズについて、TR5995WXを下回る性能であっても価格面で優れているようであれば十分にシェアを取れると考えられますので、Intelには競争力のある価格でXeon W-3400および Xeon W-2400シリーズを発売してほしい所です。

IntelがAMDに対して自己破壊的行為に出ている模様。収益度外視でシェア重視

最近のIntelはコンシューマー向けCPU市場を死守するのに必死ですので、その必死さをワークステーション、HEDT向けでも見せてもらいThreadripper 『PRO』しか出さないAMDを目覚めさせて欲しい所です。

  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

『ギャズログ | GAZLOG』の編集兼運営者
幼い頃から自作PCなどに触れる機会があり、現在は趣味の1つに。
高い買い物でもある自作PCやガジェットをこれから買おうと思ってる人の役に立てるような記事を提供できるよう心がけています。
プロフィールはこちら

コメント

コメントする

目次