IntelではIntel 7プロセスで製造されるサーバー・データセンター向けCPUであるSapphire Rapidsを開発中ですが、2023年1月10日に正式発売が行われるとのことです。しかし、歩留まりに関して問題を抱えているようで大規模生産は更に遅れる可能性が出てきているようです。
延期x3だったSapphire Rapidsがついに正式投入へ
IntelのSapphire Rapidsに関してはサーバー・データセンター向けのXeonラインアップとして投入が予定されているCPUでAlder Lake-Sに搭載されているGolden Coveアーキテクチャーを最大56コア搭載する設計になっています。
このSapphire Rapidsに関しては、Zen 3を搭載するEPYC MilanやZen 4搭載のEPYC Genoaに対抗することを目的に当初は2021年発売を計画していましたが、2022年、2023年と延期を3回重ねてしまっていましたが、ついに2023年1月10日に正式に投入が発表されるようですがいい話だけでは無いようです。
歩留まりは5割ほど。クラウドプロバイダー向けの供給は更に遅れAMDに劣後する見込み
Intelによると、長らく延期されていたSapphire Rapids XeonについてSapphire Rapidsについては発売に耐えうる品質を確保できたとのことで2023年1月10日に発売をすることを公式に発表しました。
ただ、調査会社TrendForceによると、IntelのSapphire Rapidsについては歩留まりが50~60%にしか達しないとのことです。そのため、発表したものの多くのOEM向けおよびクラウドサービス・プロバイダー向けの供給は更に遅れる可能性があるとのことです。
これまでの遅れや今後のCPU供給不足が原因となり、サーバー・データセンター向けのCPUシェアは2022年には15%だったAMDのシェアは2023年には23%にまで伸びると見られています。また、Intelに関してはSapphire Rapidsの供給不足に加え、サーバー・データセンター向で需要があるデュアルソケットシステム用の半導体供給も不足しているようでSapphire Rapidsを無事発表できても納入が出来ないという状況が起きる可能性があるようです。
IntelのSapphire Rapidsについては利益が出やすいサーバー・データセンター向け製品という事で期待がかかる製品となっていますが、遂に発表時期が確定したようです。ただ、立ち上がりに関してはあまり順調とは言える状況ではなく歩留り50~60%と言うと利益が出せるのか怪しいレベルで悪いのでこの問題に関しては何かしらの対策をIntelは打てたという事で発表時期の発表ができたと考えられます。
ただ、Sapphire Rapidsに関しては性能面でZen 3 EPYC Milanには対抗できますが、Zen 4 EPYC Genoaには敵わないと見られているため大規模なサーバー・データセンターにおいてはAMDの方が優位と言えそうです。
ちなみに、AmazonやGoogleなどクラウド系企業の決算が軒並み悪かったので今後、サーバー・データセンター向けの投資が減る可能性もありますのでIntelやAMDなどサーバー・データセンター向け製品が収益の柱となっている場合、影響を受ける可能性はありそうです。
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