Intelでは2022年9月27日に第13世代CPUとなるRaptor Lake-Sを発表し、価格についても明らかになりましたがCore i9-13900Kが現行のCore i9-12900KなどAlder Lake-Sと同様の価格設定であるなど非常に高い競争力を持つ事が明らかになりました。
Intel 第13世代CPU Raptor Lake-S
Intelの第13世代デスクトップ向けCPUのRaptor Lake-Sでは2021年11月から発売が開始されたAlder Lakeの後継モデルで、引き続きP-CoreとE-Coreを組み合わせたハイブリッドアーキテクチャーと10nmプロセスを採用されます。
ただ、このRaptor Lake-SではP-Core側Alder Lakeで初採用となったGolden Coveに対してL2キャッシュ倍増や動作クロックの向上などを施したRaptor Coveが搭載され、E-Core側はAlder Lakeから採用されているGracemontのコア数は8コアから最大16コアと2倍搭載するようになります。
このRaptor Lake-SについてはAlder Lake-Sに比べて値上げが行われるという情報もありましたが、9月27日(日本時間9/28 0:00)より開催されたIntel InnovationにてRaptor Lake-Sの価格が発表され、Ryzen 7000シリーズを下回る高い競争力を持つ価格設定であることが明らかになりました。
希望小売価格はAlder Lake-S並みに。最上位モデルはAMDより約20%安価に
Intelが第13世代となるRaptor Lake-Sを公式に発表、同時に価格についても明らかにされていますが、Alder Lake-Sとほとんど同じ価格構成で発売となるようです。
CPUモデル | RCP*(米ドル) | Alder Lake-Sの価格 |
---|---|---|
Core i9-13900K | 589ドル | 589ドル(0ドル) |
Core i9-13900KF | 564ドル | 564ドル(0ドル) |
Core i7-13700K | 409ドル | 564ドル(0ドル) |
Core i7-13700KF | 384ドル | 564ドル(0ドル) |
Core i5-13600K | 319ドル | 289ドル(+30ドル) |
Core i5-13600KF | 294ドル | 264ドル(+30ドル) |
*RCPとはRecommended Customer Priceで希望小売価格同等のものです。
IntelのRaptor Lake-Sに関してはIntel全製品の値上げが計画されているというニュースが7月頃に出現したため、Alder Lake-Sに対して値上げになると予測がされていました。
しかし、実際には上位Core i9-13900KからCore i7-13700KFまではAlder Lake-Sに対して価格は据え置きとなります。また、Core i5-13600KおよびCore i5-13600KFについてはAlder Lake-Sから値上げにはなっているものの、値上げ幅に関しては30ドル(約10%)と比較的小さな値上げになっています。
実売価格はRCPよりは高め?Newegg上で価格がフライング出現
IntelのRaptor Lake-Sの発表より先に、アメリカの大手通販サイトのNeweggにてRaptor Lake-S CPUの価格が一時的に誤って掲載されましたが、その際に販売価格も明らかになっています。
Newegg上に掲載された価格はIntelが提示するRCPに対して10%ほど割高な価格となっていますが、これについては俗にいうご祝儀価格と言うものが反映されている可能性がありそうです。また、この割高な価格設定でもRyzen 7000シリーズに対して約5%ほど安価な価格での販売になるようです。
CPUモデル | RCP*(米ドル) | Newegg上の価格 |
---|---|---|
Core i9-13900K | 589ドル | 660ドル |
Core i9-13900KF | 564ドル | 630ドル |
Core i7-13700K | 409ドル | 450ドル |
Core i7-13700KF | 384ドル | 430ドル |
Core i5-13600K | 319ドル | 330ドル |
Core i5-13600KF | 294ドル | 310ドル |
日本での販売価格はCore i9-13900Kが10万円以内、Core i5-13600Kなら5万円以内?
Intelの第12世代CPUであるAlder Lake-Sに関しては、Core i9-12900Kが7.9万円、Core i7-12700Kが5.8万円台で発売がされていましたが、これについては北米での価格が据え置きながらも日本では円安の影響で値上げが行われると考えられます。
Alder Lake-S発売日にあたる2021年11月頃は為替レートは1ドル110円となっていましたが、9月28日午前2:00時点では1ドル144.8円台を付けている状態にあり、販売価格に関しては北米価格に対して、1ドル150円台ぐらいの計算で販売価格の設定が行われる可能性があります。(Ryzen 7000シリーズも1ドル150円台で計算)
CPUモデル | RCP*(米ドル) | 日本での販売価格(RCP x$1=150円+税) | Newegg上の価格 | 日本での販売価格(Newegg x$1=150円+税) |
---|---|---|---|---|
Core i9-13900K | 589ドル | 97,185円 | 660ドル | 108,900円 |
Core i9-13900KF | 564ドル | 93,060円 | 630ドル | 103,950円 |
Core i7-13700K | 409ドル | 67,485円 | 450ドル | 74,250円 |
Core i7-13700KF | 384ドル | 63,360円 | 430ドル | 70,950円 |
Core i5-13600K | 319ドル | 52,635円 | 330ドル | 54,450円 |
Core i5-13600KF | 294ドル | 48,510円 | 310ドル | 51,150円 |
1ドル150円+税で計算をすると、Core i9-13900Kが9.7万円から10.9万円と幅はあるものの、Core i9-12900Kの発売時点の価格より22~37%と大幅な値上がりとなる予定です。また、Core i7-13700Kに関しても同様に20~30%台の値上がり率となっています。
Core i5-13600Kに関しては、Alder Lake-S世代では3.9万円台で販売されていたものの、Raptor Lake-SからはRCPも値上げされている事からどれだけ安く販売されたとしてもCore i5-12600Kと比べると35%の値上がりとなり内蔵GPUを搭載するKバリアントに関しては5万円台と高価なCPUとなる予定です。また、GPU非搭載のKFバリアントでも4.8万円~5.1万円と5万円に近い価格となるので、ミドルレンジモデルとは言えない価格帯でCore i5は登場する可能性が大きいです。
Raptor Lake-Sに関しては、値上げをするという話が何度も出ていましたが、結局価格が安めだったCore i5-13600K/KFのみ10%ほど値上げし、他のモデルは据え置きと言うかなり戦略的な価格での登場となるようです。AMDのRyzen 7000シリーズについてもRaptor Lake-Sの値上げ話を聞いてか、Ryzen 9 7950XやRyzen 7 7700Xを前世代モデルに比べて値下げとしていましたが、Intelもこれに対抗した可能性もありそうです。
性能に関してはCore i9-13900KとRyzen 7000シリーズについてはほぼ互角と言われており、もしそうであればCore i9-13900Kの方がコストパフォーマンスは上と言う事となりますがこの辺りはレビューの登場を待つ必要がありそうです。ただ、正直Ryzen 7 7700XやRyzen 5 7600Xに関してはCore i7-13700KやCore i5-13600KのQS版でのベンチマークスコアを見る限り、かなり厳しい立ち位置になりそうです。
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