Intel Raptor Lakeの不具合がノートPCにも波及する可能性。短期開発が原因?

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Raptor Lakeの不具合がノートPCにも波及する可能性が浮上。史上最短での開発により検証不足だった可能性も。

IntelのRaptor Lake系CPUで発生している不具合は主にオーバークロックが可能で実際に高クロックで断続的に動かしたデスクトップ向けRaptor LakeとRaptor Lake Refreshに限定されていると見られていました。しかし、最近ではサーバー用途で定格動作させているCore i9-14900Kでも不具合が発生していることが明らかになるなど高クロックでの動作だけが原因ではない可能性も出てきています。

そんな混沌となっているRaptor Lake系CPUの不具合についてですが、新たな情報としてAlder LakeからRaptor Lakeで変更されたキャッシュ関係の設計変更が原因となっている可能性があるようで、原因次第ではRaptor Lake-HやRaptor Lake-UなどノートPC向けCPUにも影響が波及する可能性が出てきているようです。

OEMの設計関係者によると、今まで見てきた大量のエラーログや調査結果から、IntelがAlder LakeからRaptor Lakeで行われたキャッシュ関係の設計変更が原因になっている可能性があると推測しているようです。特に疑われるポイントが、キャッシュとコアを繋ぐRing Busで、低電圧で動作させても壊れたり、コア数が多いモデルで発生頻度が高いほか、E-Coreを無効化することで症状が緩和するケースがあるのもこのRing Bus関係に不具合が発生しているとする仮説とも合致するとのことです。

ちなみに、このRing Busですが、Alder Lakeまでは動作クロックが3.5 GHz前後に設定されていましたが、Raptor Lakeでは最大5 GHzまで動作クロックが上げられています。また、コア数が多いモデルほどRing Busにかかる負担も大きくなるため、このRing Busの変更が何かしらの不具合に繋がっている可能性は十分あり得ると言えそうです。

ちなみに、もし仮にRaptor LakeのRing Busなどキャッシュ周りに不具合があった場合、Alder Lakeのリネームではない正真正銘のRaptor Lake系CPUは全滅となる可能性があります。そうなった際の被害範囲はデスクトップ向けのCore i5-13600KとCore i5-14600K以上のモデルに加え、ノートPC向けでは第13世代と第14世代のHXモデルとすべてのPモデルが含まれる事になり、RMAなどが必要となればその被害額は膨大なものになります。

そんな混迷を極めている状況なのですが、Intel関係者からのリークによるとこのRaptor Lakeはかなりの短期開発で推し進められたようで、設計から発売まで約11か月で達成したとのことです。

実際にリーク情報を遡っても、Raptor Lakeが発売された2022年10月に対して、初めてリークが登場したのは2021年8月ごろで発売まで1年2ヵ月前に初めてリーク情報が登場しています。一方で、より変更規模が大きく秘匿度も高そうなMeteor Lakeの情報が初めて登場したのは発売まで2年以上前の2021年9月末、Arrow Lakeも2年以上前の2022年6月に登場するなどしているため、Raptor Lakeがかなり短期間で開発された可能性は実際に高いと言えます。

この短期間での開発が今回の不具合に繋がっているかは明らかではありませんが、仮に短期間での開発が事実であればAlder Lakeから使えるリソースを可能な限り流用し、一部だけ新規で作るなど無理が伴っていた可能性もありそうですが、どちらにせよ影響範囲がこれ以上広がればIntelはデスクトップ向けユーザーのほかに、OEMからの信頼も失いかねないので消費者とのコミュニケーションを密に取りつつ、事実究明と対応策を早急に発表することが望まれます。

コメント

IntelのRaptor Lake系で発生している不具合は最初はCore i9系だけかと思われており、Intelが設定するBaseline Profileもこのモデル向けの設定だけありました。しかしその後Core i7、その後にはCore i5系にもBaseline Profile設定が用意されるなど徐々に対象範囲が広がっています。ただ、今回のリークの通りRaptor Lake自体に何かしらの欠陥があるとなると2022年以降に発売したCPUの大多数で不具合が起きる可能性があるなど想像を絶するぐらい広範囲のモデルが対象となることになります。

特にノートPC向けでこの問題が発生した場合、BIOSで簡単に電圧が変えられないほか、仮にBIOSアップデートで電圧を上げてもバッテリー持続時間に大きな影響を与えるなど『詰み』とも言える状況になります。そのため、仮にノートPCにまで波及した場合、OEMから大きなプレッシャーに直面するほか、不誠実な対応をすればAMDに乗り換えを促してしまう一方で、交換含めた誠実な対応を取るには莫大なコストがかかるなどIntelの財政面で大きな悪影響を与えかねないです。

ただ、これがまだ原因と確定した訳ではありませんが、短期開発など品質を担保できていないような開発日程であったかのようなリークも出ているため、今後の進展次第ではこのRaptor LakeはIntel史上最悪の黒歴史に刻まれる可能性がありそうです。

ソース

Intel Arrow Lake FULL Leak: 8+32 Cancelled, Desktop IPC, MTL-R, Panther Lake Performance | Moore’s Law is Dead Youtube

https://www.youtube.com/watch?v=2PO7hjYpWms&t=1061s

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コメント

コメント一覧 (2件)

  • Raptor Lakeの開発が短期間であったことは、2022年のIntel Tech Tourで公式に明らかにされています。
    曰く、Alder Lakeの設計を流用することで、半年の短縮を実現したとか。
    もっとも、今回の焦点は「その日程が妥当であったか」というところですが・・・。
    まぁ当時はZen3,4との競争激化で、焦った可能性は十分考えられるでしょう。

    今回興味深いのは、問題の疑われる箇所がより具体的になった点ですね。
    特にRing Bus周りの疑いについては、ありうる話だと思います。
    Raptor Lakeの段階で、E-Coreの使い方がかなり変わりましたからね。
    「E-Coreそんな風に使うの?ハイブリッド第2世代にして既に話が違うんだが・・・」と思ったくらいです。

  • もし13世代がAlder Lake Refreshだった場合はそんなことが起こらなかったと思うと短気開発や自動設計のCPUってやっぱりだめなんだな

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