IntelがRaptor Lake系不具合原因は過大電圧と正式発表。8月にアップデートを実施へ

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IntelがRaptor Lake系不具合原因は過大電圧と正式発表。8月にアップデートを実施、影響を受けた個体のRMAも受付

Intelの第13世代Raptor Lakeおよび第14世代Raptor Lake Refreshで発生していたCPU動作の不安定化について、2024年2月頃から話題となり、4月にはIntelが正式に問題の存在を認め、対策を検討していることが明らかになりました。しかし、その後は進捗についての発表はなく、最近ではCPU本体の酸化が原因であるとの説や、ノートPC向けやサーバー向けCPUにも影響が出ている可能性が指摘されていました。

この一連のRaptor Lake系CPUの不具合について、Intelは過大な電圧が原因であると特定し、今後マイクロコードのアップデートを通じて修正を行うことを明らかにしました。

Intel 第13世代/第14世代のデスクトッププロセッサの動作不良品として返品されたものを分析した結果、一部の第13世代/第14世代デスクトッププロセッサが不安定になる原因は高い動作電圧にあることが判明しました。返品されたプロセッサの分析により、この高い動作電圧は誤った電圧要求をプロセッサに送るマイクロコードアルゴリズムに起因することが確認されました。

Intel Thomas Hannaford

第13世代Raptor Lakeおよび第14世代Raptor Lake Refreshで発生していた不具合は、動作電圧を制御するマイクロコードの設定ミスが原因でした。この発表ではCPUの劣化について明言されていませんが、誤った動作電圧設定によりCPUが最終的に不安定化し、劣化することが示唆されています。

Intelは、この動作電圧の上昇に対応するマイクロコードパッチを提供します。現在は、報告された不安定性シナリオを解決するために検証を続けており、2024年8月中旬にマザーボードメーカー経由でパッチを配布することを目指しています。

Intelは、顧客に対してこの問題を適切に対処することを約束し、 第13世代/第14世代デスクトッププロセッサで動作が不安定になる問題を経験しているすべてのユーザーに対して、Intelカスタマーサポートに連絡するようお願いしています。

Intel Thomas Hannaford

Intelはこの問題に対応するために過大な電圧を送ってしまうマイクロコードの修正を行い、2024年8月中旬を目標にBIOSアップデートなどを通じてこの問題の解決を図る予定です。なお、現在は修正されたマイクロコードの検証作業中です。

加えて、過大な電圧を受けてしまい動作が不可逆的に不安定になった第13世代Raptor Lakeおよび第14世代Raptor Lake RefreshについてはRMAを受け付けるようです。そのため、ゲームが頻繁にクラッシュするなどCPUが原因と思われる不具合に遭遇しているユーザーは、Intelカスタマーサポートまたは購入した量販店に連絡することで保証交換対応を受けられる可能性があります。

なお、この新しいマイクロコードが提供されるまでの間は、CPUへ過大電圧を与えないためにもIntelが提供しているDefault Profileに設定することが推奨されています。Core i9-13900K/14900KなどハイエンドCPUを使用しているユーザーも、一時的に性能を制限する必要があると言えます。

一部の第13世代Raptor Lakeでは耐酸化コーティング不良もあった模様。

数日前に、第13世代Raptor Lakeおよび第14世代Raptor Lake Refreshの動作不安定化の原因として耐酸化コーティング不良など製造工程に問題があった可能性について指摘が上がっていましたが、この件は第13世代Raptor Lakeの一部ロットにて製造工程に問題が発生していたことをReddit上で認めています。

Intelによると、この製造工程での問題は2023年に製造された初期の第13世代CPUが影響を受けるようで、既に製造工程でスクリーニングなどを通じて問題の解決が図られているとのことです。しかし、これが一連の動作の不安定化とは関係がなく、影響を受けるCPUも限定的とのことです。

Intelの第13世代Raptor Lakeおよび第14世代Raptor Lake Refreshに関する問題については、問題が表面化してから約半年間に渡って色々言われ続けてきましたが、遂に解決の目途が立ったと言えそうです。ただ、動作電圧を司るマイクロコードによって動作クロックなどパフォーマンスにどのような影響が出るのか不明点は多いため、まだまだ悪い意味で注目が集まりそうです。

コメント

今回、Intelはついに原因を突き止めたとのことで、今後電圧設定を見直したマイクロコードアップデートがBIOSアップデート経由で登場すると見られていますが、本当にこんな単純な理由だったのか少し疑問です。ただ、この辺りはIntelの言葉を信じるしかありません。

なお、電圧設定が新しいマイクロコードでは変わる見込みですが、これを適用した際に初期のCore i9-14900Kなどで見られていた高い動作クロックでの動作は維持できない可能性もあるため、新しいマイクロコード適用によってどれくらいパフォーマンスに影響を与えるのかが今後の焦点となりそうです。

ソース

July 2024 Update on Instability Reports on Intel Core 13th and 14th Gen Desktop Processors | Intel Support Community

https://community.intel.com/t5/Processors/July-2024-Update-on-Instability-Reports-on-Intel-Core-13th-and/m-p/1617113#M74792

Intel Core 13th/14th Gen desktop processors Stability issue | Reddit

https://www.reddit.com/r/intel/comments/1e9mf04/intel_core_13th14th_gen_desktop_processors/

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この記事を書いた人

『ギャズログ | GAZLOG』の編集兼運営者
幼い頃から自作PCなどに触れる機会があり、現在は趣味の1つに。
高い買い物でもある自作PCやガジェットをこれから買おうと思ってる人の役に立てるような記事を提供できるよう心がけています。
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コメント

コメント一覧 (2件)

  • BIOS修正されても、既に劣化したCPUは何時壊れるかは分からないので困りますね。
    壊れるだけなら保証期間内なら交換すれば良いけど、演算エラー等気付かないうちにデータ化け起こしたりすると困るので、仕事用PCには使いたく無いかな。
    金融で数値がおかしくなったり、納品データに気付かない破損、とかあると困りますからね。
    BIOSアップデートする知識の無い人達は泣き寝入りするしかないのは何とかしないと心象は最悪です。

  • 物理的な損傷だから、なっちゃったらもうどうにもならない感じなのよね
    保証期間内なら不良扱いで返品なり交換なりすりゃいいけど、保証切れてるから黙って中古に流すって人も相当数出るだろうし

    過電圧どうこうも、結局は無制限やらで大電力投じて爆熱高温状態でも性能維持するために更に昇圧してたって辺り、結局はスペックの為に掲げたTDP値そっちのけでデカい電力投じて電圧引き上げる仕様の問題
    TDP65WのCPUなのに220W以上(無制限だと300W超え)、TDP125Wだと最大250W(無制限だと350Wとか400W)みたいなのばかりすぎた

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