Intel Lunar Lake搭載のE-Core『Skymont』の性能が判明。E-Coreだが、Zen 3に迫るIPCに
Intelは2024年10月ごろにノートPC向けCPUのLunar Lakeを投入する計画です。このLunar LakeはP-CoreにLion Coveを搭載し、E-Coreは搭載せず、代わりにLPE-Coreに『Skymont』と呼ばれるAtom系CPUアーキテクチャーが搭載されますが、今回このSkymontアーキテクチャーに関する詳細を紹介した関係者向けプレゼンテーションの資料がリークされ、そのアーキテクチャーの特徴や詳細情報が判明しました。
このプレゼンテーションはメディアやアナリスト、業界関係者向けにIntelが開催した説明会でNDAも結ばれていたはずですが、Weibo上にプレゼンテーションを撮影した様子がアップロードされていたようです。
各資料の高解像度の画像はありませんが、このプレゼンテーションに参加した者によるとRaptor Lakeまで搭載されていたGracemont E-CoreからMeteor Lakeに搭載されたCrestmontではIPCの向上は約4%に留まっていました。しかし、CrestmontからSkymontの間には2桁%を超えるIPC向上を記録し、Intelが2018年に投入したIce Lake世代のSunny Coveや2020年に投入したTiger Lake搭載のWillow Coveに迫る性能になっているとのことです。この性能はZen 3アーキテクチャーに対して90%台の性能になっています。
Lunar LakeはすべてのタイルがTSMC製になっており、CPU含めたCompute TileはN3Bプロセスを使い、メモリーコントローラーやNPU、内蔵GPUを備えたSoCタイルはN6プロセスが用いられているとのことです。
このLunar Lakeに搭載されるSkymontは省電力に特化したLPE-Coreに用いられていますが、Arrow LakeではE-Core化されたものが搭載されているため、同様にE-Coreのパフォーマンスは高く、8P+16E構成のCPUでは非常に高いパフォーマンスが期待できると言えます。
IntelのAlder Lakeから搭載されているE-CoreはAtom系で使う事を考えたCPUアーキテクチャーであったため、性能は低くめになっていました。そのため、ゲームなどではあまり役立たない存在でしたが、Lunar LakeやArrow Lakeに搭載されるSkymontでは大幅に性能が上がり、スレッドスケジューリングの最適化次第なところもありますが、上手く活かせば非常に高いパフォーマンスを低い消費電力で実現できると言えそうです。
このLunar LakeやArrow LakeなどP-Coreと組み合わせたハイブリッドアーキテクチャーで使うのもいいですが、Alder Lake-NのようにE-Coreだけで構成されたCPUが登場すればAlder Lake-Nに次ぐ名CPUになりそうですので、登場を期待したい所です。
ただ、気になるのがLunar LakeはすべてTSMCで作られるようですので、Intelの20Aプロセスはあまりうまく行っていないのかも知れません。
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