Intel Core Ultra 7 256V Lunar Lakeのベンチマーク登場。30Wで40W動作するRyzen 7 8840HSを上回る性能を発揮
Intelは2024年9月ごろに省電力CPUであるLunar Lakeを搭載したノートPCを投入すると言われていますが、今回その上位モデルであるCore Ultra 7 256VのGeekbench 6ベンチマーク結果が公開され、優れた性能と電力効率が明らかになりました。
Lunar LakeはIntelの省電力PC向けCPUで、QualcommのSnapdragon XなどARM系CPUに対抗できる電力効率を目指して開発されました。今回登場したCore Ultra 7 256VはこのLunar Lake CPUの中間モデルで、P-Coreにはハイパースレッドを廃止したLion Coveを4コア、E-Coreは性能を上げたSkymontを4コアの合計8コア構成で、14MBのL2キャッシュと12MBのL3キャッシュを合わせて28MBのキャッシュ容量を持っています。
Core Ultra 7 256Vはベース2.2 GHzで動作し、ブースト時は最大3.3 GHzで動作する設定です。また、メモリーには16GBのLPDDR5Xを搭載しています。
スコアはシングルコアで2608ポイント、マルチコアで10506ポイントを記録しています。
CPU | シングルコア | マルチコア |
---|---|---|
Ryzen AI 9 365 | 2730 | 14773 |
Core Ultra 9 185H | 2246 | 12084 |
★Core Ultra 7 256V | 2608 | 10506 |
Ryzen 7 8840HS | 2139 | 9522 |
Core Ultra 7 256Vのシングルコア性能は最大40Wで動作するRyzen 7 7845HS並みの性能を発揮し、先代Meteor Lakeで最大115Wで動作する最上位モデルCore Ultra 9 185Hに対しても16%高い性能を記録しています。
マルチコア性能ではCore Ultra 7 256Vは最大30Wにブーストして動作しますが、最大115WまでブーストするCore Ultra 9 185Hに対して9割近い性能を持ち、35~40Wで動作するRyzen 7 8840HSに対しても5.4%ほど高い性能を発揮しています。
このLunar Lakeは電力効率を重視したCPUですが、このベンチマーク結果を見る限り電力効率は高いことが分かります。あとはノートPCにおいて重要なスタンバイ時間やアイドル時のバッテリー持続時間でどのような結果が出せるかが注目されます。
Lunar Lakeは電力効率を上げるためにハイパースレッディングを廃止したり、E-Coreだけで十分な性能を持たせたりと、非常に工夫されたCPUですが、ベンチマーク結果を見る限りその成果は確かです。このLunar Lakeは9月ごろに発売される予定ですが、先行して発売されているQualcommのSnapdragon XシリーズやAMDのRyzen AI 300シリーズに対して十分な性能とコストパフォーマンス、バッテリー持続時間を発揮できるか注目です。
LENOVO 83HM (Intel(R) Core(TM) Ultra 7 256V 2.20GHz) | Geekbench 6
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