CES2022にてIntelは第12世代CPU Alder Lakeのモバイル版などの発表を行いましたが、ハイエンドラップトップなどへの搭載が想定される最上位モデル、Core i9-12900HKのベンチマークが出現しました。性能はRyzen Threadripper 1950Xを超える性能を発揮。
モバイル向け最上位CPU、Core i9-12900HKの概要
IntelではCES2022にて第12世代CPUのデスクトップ向けのAlder Lake-S無印版および、モバイル向けCPUとしてAlder Lake-H/P/Uの3種類をリリースしましたが、この中でハイエンドラップトップなどで採用されるAlder Lake-Hの最上位モデルであるCore i9-12900HKのCinebenchベンチマークの結果や消費電力や温度などの情報が出現しました。
Core i9-12900HKについては、モバイル向けCPUとなっていますが、オーバークロックも可能なモデルとなっておりP-Coreは6コア、E-Coreが8コアで合計14コア20スレッド搭載となっています。TDPについては45Wが標準となっています。動作クロックについては、ベースクロックがP-Coreが2.8GHz、E-Coreが1.8GHzとなっており、最大ブースト時はP-Coreが最大5.0GHz、E-Coreが3.8GHzに達します。また、GPUについては96EUを搭載したモデルとなっています。
AMD Ryzen Threadripper 1950Xと同等以上の性能を発揮
今回、出現したベンチマークではラップトップの機種は不明なものの、メインメモリーにはDDR5-4800が32GB搭載されており、ストレージにはRAID0が組まれたNVMe SSDが搭載されておりグラフィックスカードにはNVIDIA GeForce RTX 3080 Tiが搭載されており、ハイエンドモデルであることがわかります。
Cinebenchのスコアとしては、Cinebench R15では2697pt、Cinebench R20では6741ptを記録しています。Core i9-12900HKの1世代前の最上位CPUであるCore i9-11980HKに対しては、Cinebench R15では2337ptで、15.4%、R20では5772ptで16.8%の性能向上となっています。また、AMDのRzyen 9 5900HXに対してはR15が18.8%、R20で28.9%性能が高くなっています。
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カテゴリーの異なるCPUとしてはTDPが100Wを超えるデスクトップ向けCPUであるCore i5-12600KはR15で2596pt、R20で6702ptでCore i9-12900HKが最大3%上回っているスコアを叩き出しています。また、HEDT向けのRyzen Threadripper 1950XではCinebench R15は2986pt、R20は6731ptとなっており、モバイル向けCPUがTDP 160W近いCPUと同等レベルを記録しています。
TDPはフルロードで113W。温度は99度を記録
非常に高いパフォーマンスを発揮するCore i9-12900HKですが、ベンチマークなどフルロード時にはパッケージ消費電力が113W、動作クロックは5.0GHzを記録しています。一方で、ラップトップの冷却性能の限界からか温度は99度を記録しており、サーマルスロットリングを起こしている状態となっています。そのため、ベンチマークスコアに関しては、冷却性能次第では更に高いパフォーマンスを発揮することが可能と見られています。
Core i9-12900HKについては、モバイル向けCPUにも関わらずデスクトップ向けのCore i5-12600Kや4年ほど前とはいえTDP 180Wにも及ぶCPUを超えたパフォーマンスを記録しており、モバイル向けCPUとして脅威的と言える数字を出しています。ただ、TDPについて110W、温度は99度などパワーでゴリ押ししている感もあるので、Ryzen 9 5900HXなどAMD製CPUやApple M1 Maxなどに比べるとワットパフォーマンス面では劣ると考えられます。
コメント
コメント一覧 (1件)
パワーでごり押しとか言うと、大したことないように思われますが、5800Xすら上回っていますので5900Xではごり押しすら出来ないといえますね