2022年1月のCES2022にてIntelから発表が予定されているAlder Lake-Sの無印モデルですが、その中で上位モデルにあたるCore i7-12700のベンチマークが出現しました。
Core i7-12700のベンチマーク出現
Intelから2021年11月4日にAlder Lake-Sのオーバークロックが可能なKおよびKFバリアントが発売されました。このモデルは主にオーバークロックなどをするユーザー向けで価格は若干高めとなっていますが、Intelでは今後2022年1月に開催されるCES2022にて価格とTDPが65Wに抑えられた無印バリアントおよびTDPが大幅に抑えられたTバリアントをリリースする予定となっています。
今回は、無印バリアントの中で上位モデルに当たるCore i7-12700のベンチマークが出現しました。
性能はRyzen 9 5900X並みに。ベースクロックは2.1GHzに抑え気味
ベンチマークで登場したCore i7-12700はASRockのZ690 Taichiマザーボードに搭載された構成になっており、メモリーにはDDR5が32GB搭載されています。
CPUの仕様としてはCore i7-12700Kと同じくP-Coreが8コア、E-Coreが4コアの合計12コア、スレッド数は20スレッドとなっています。また、L1からL3キャッシュまでの容量もCore i7-12700Kと同じ構成となっています。
ただ、動作クロックに関しては大きく異なっており、Core i7-12700KではP-Coreのベースが3.6GHz、ブーストが5.0GHz、E-Coreがベース2.7GHz、ブースト3.8GHzとなっていますが、無印版のCore i7-12700ではベースがP-Coreが2.1GHz、E-Coreが1.6GHzと大幅に下げられています。一方で、ブーストはP-Coreが4.9GHzとほとんど変わらないです。
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ベンチマークのスコアとしてはCore i7-12700はシングルコアが1768pt、マルチコアが13843ptを記録しています。
Core i7-12700と競合するモデルであるAMDのRyzen 7 5800Xに対してはシングルコアが5.8%、マルチコアが33.4%上回っています。最も近い性能を発揮するAMDモデルとしては上位モデルに当たるRyzen 9 5900Xとなっており、シングルコアではCore i7-12700が5.7%リードし、マルチコアではRyzen 9 5900XがCore i7-12700に対して2.2%ほどリードする記録になっています。Core i7-12700もAlder Lakeから採用されたP-Coreで採用されている新アーキテクチャであるGolden Coveの高いIPCが発揮されており、シングルコア性能はRyzen 5000シリーズを引き離し、マルチコア性能ではP-CoreとE-Coreを組み合わせる事でより上位モデルであるRyzen 9 5900Xに迫る性能を発揮しています。
なお、Intelの旧モデルで比較するとシングルコア性能では前世代の最上位モデルCore i9-11900Kに対しては5%ほどリードを許していますが、マルチコア性能に関してはCore i7-12700が26%のリードを記録しています。シングルコア性能に関してはブースト時の動作クロックの差が表れていますが、マルチコア性能に関してはアーキテクチャーとコア数の差が顕著に出ています。
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Core i7-12700についても11月4日に発売されたモデルと同じく、一世代前のRocket Lake-Sに対して大幅な値上げは予定されておらず、恐らく5万円以下の価格帯で発売されるのではないかと見られています。11月4日に発売されたモデルはオーバークロックが可能な高価なモデルであり、マザーボードもZ690などハイエンドモデルしか登場していません。ただ、Core i7-12700が発表される2022年1月には上位モデルのH670とミドル、エントリーモデルとなるB660とH610マザーボードが発売されるため、全体的なコストを抑えたAlder Lake-S CPU搭載PCを組み立てる事が可能となりますので、このような構成を求める方はもう少し待つことがオススメです。
なお、AMDのRyzen 7 5800Xは現在5万円、Ryzen 9 5900Xは6.9万円程度で売られていますので、このCore i7-12700が5万円以下で登場すれば、コストパフォーマンス面ではAMDを圧倒する事となりますのでAMDのCPUも引きつられて安くなるかもしれません。