IntelのBaselineプロファイル適用でもRaptor Lakeの不具合解消率は50%以下であることが検証で判明

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IntelのBaselineプロファイル適用でもRaptor Lakeの不具合の解消率は50%以下

IntelのRaptor Lake世代のCore i9-13900KS/K/KFおよびRaptor Lake Refresh世代のCore i9-14900KS/K/KFで発生している不具合について、Intelおよび各社マザーボードメーカーでは電力制限であるPL1やPL2値などを引き下げたBaselineプロファイルを投入し、暫定的に動作安定性を高める措置をしていますが、海外のユーザーが所持している複数のCore i9-13900KおよびCore i9-14900Kをそれぞれ10個利用してASUS製マザーボードを使い検証したところ、Baselineプロファイルでも半分程度しかシステムクラッシュなしに動作しなかったことを明らかにしています。

このテストでは、ASUS製Z790/Z690/B660/B760がマザーボードを使用し、1週間連続でMatlab、Visual C++、Visual Studioなどをバッチ処理するというもので、その間にシャットダウンしない事が求められていますが、その結果は以下の通りになっています。

  • Core i9-13900K AUTO (253W):10台中5台が完走
  • Core i9-13900K Baseline:10台中6台が完走
  • Core i9-13900K B760/B660:10台中7台が完走
  • Core i9-14900K AUTO(253W):10台中2台が完走
  • Core i9-14900K Baseline:10台中3台が完走
  • Core i9-14900K B760/B660:10台中4台が完走

このテストで用いられるワークロードは少々特殊で、一般ユーザーがゲーミングなどで使う状況とは大きく異なっています。ただ、それでも完走率が良くて7割、悪いと2割で信頼性が低い状況と言えます。

電力設定が過剰で不具合を誘発するAUTO設定ではCore i9-13900Kでは完走率は半分、i9-14900Kは10台中2台だけと悲惨な状態になっています。一方で、性能を犠牲に不具合を緩和するIntel Baselineプロファイルを適用してもCore i9-13900Kは6台、i9-14900Kは3台とほとんど効果がない事が明らかになっています。

テストを行ったユーザーによるとCore i9系とは対照的に、Core i7-13700Kについては安定性が非常に高く、同様のテストでは1台も失敗するCPUが無かったとのことです。そのため、このような長時間負荷がかかるワークロードでCPUを使う場合や単純にゲーミングPCを組み立てる際もCore i9-13900KやCore i9-14900KよりCore i7-13700Kを選んだ方が良いのではないかと提案しています。

なお、IntelではこのRaptor LakeとRaptor Lake Refreshの不具合について最終的な調査結果を2024年5月15日に発表を予定しているとのことですので、不具合に遭遇しているユーザーは保証書を準備して待ちましょう。

コメント

今回の検証については一般ユーザーが使うにしてはやや過剰なところはあるものの、AUTO設定に対してBaseline設定ではほとんど完走率が変わらないのは気になるポイントです。特にIntelのBaseline Profileについては電力設定を安全側に持っていくことで安定性を向上させる一方で、性能を犠牲にするという設定ですのでもし仮にこれがゲームなどでも同じであればプロファイル適用の意味は成さないと言えます。

もっと悪く言うと電力設定を変えたぐらいでは一度発生したCPUの不具合を解消することは難しいとも言えるのでIntel側は修理交換などを行う必要が出てくるかもしれません。(マザーボードとの組み合わせによってはデフォルトでもオーバークロック扱いで修理交換は無効と突っぱねる可能性も残されていますが。)

ソース

[CPU] 砸钱试稳13900K14900K。intel的BIOS baseline设定完全没解决任何问题 | Chiphell

https://www.chiphell.com/thread-2601877-1-1.html

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