Intelが Arrow Lake Refresh の投入を再検討。 性能の大幅向上は期待できず?
Intelが2024年秋に発売したデスクトップ向けCPUの新製品である、Arrow Lake-S世代のCore Ultra 200Sシリーズは電力効率の向上は見られたものの、ゲーミング性能全般では先代のRaptor Lake Refresh世代に劣る他、AMDのRyzen 7 9800X3Dに対してはゲーミング性能が30%以上劣るなど競争力がほとんどない状態になっています。また、Intelはこの対策としてマイクロコードやBIOSのアップデートも積極的に行っていますが、あまり良い結果は導き出せていない状態で、販売台数の低迷につながっています。
また、さらに悪いことにIntelはデスクトップ向けCPUではArrow Lake-Sの次は2026年に投入予定のNova Lake-Sまで新製品が出ないと言われており、約2年間に渡りデスクトップ向けCPUでは競争力がない状態に陥ることが危惧されていましたが、Intelは戦略を改め、2025年中にArrow Lake Refreshを投入する可能性が急浮上してきています。
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Arrow Lake Refreshは元々、2025年投入で計画されていたCPUで、8P+32E構成になるとも言われていました。しかし、この8P+32E構成のCPUはレイテンシに問題を抱えていることや高コストなことから投入が中止され、最終的にはNPU性能の向上のみに留まる小規模なリフレッシュに変更されています。ただ、これだけでは競争力がほとんどなく、新たに発売する意味はないとして開発が中止されたと言われていました。しかし、中国のリーカーでおそらくLenovoなどOEMと繋がりがある金猪升级包氏によるとIntelは再びArrow Lake Refreshを投入する方向で再検討していることを明らかにしています。
このArrow Lake Refreshについては上述の通り、コア構成に変更はなく、NPUが高性能化され、Copilot+に対応できるようになる他、動作クロックが若干向上するなどに留まる見込みで、Raptor Lake RefreshやRyzen 7 9800X3Dにゲーミング性能で対抗できるほどの変更は加えられないと考えられています。
それであればなぜArrow Lake Refreshを発売するかという話になりますが、金猪升级包氏によるとかなり悪いイメージが付いているArrow Lakeのリフレッシュを図ることによる販売テコ入れと、マザーボードメーカーやOEMに対する収益確保も投入目的として考えられるようです。
Arrow Lakeの低い性能によりCPUの販売は壊滅的な状況になっていますが、この世代はソケットがLGA1851に刷新されているためArrow Lakeが売れない=LGA1851対応のIntelマザーボードも売れないということになり、LGA1851対応マザーボードのために投資をしたメーカーは大きな打撃を受けていると考えられます。また、このままIntelがマザーボードメーカーを放置すれば将来的にAMDプラットフォームに力を割くようになる可能性もあり、その対策も兼ねているようです。
仮にこのArrow Lake Refreshが登場するとなると、製品名はCore Ultra 300Sシリーズと命名されると考えられますが、ノートPC向けではアーキテクチャーが変更されているPanther Lakeも投入されるため、Core Ultra 300シリーズではデスクトップ向けとノートPC向けで再び異なるアーキテクチャーが搭載されるということになりそうです。
金猪升级包 | Weibo
コメント
コメント一覧 (2件)
正直Arrow Lakeは言われてるほど悪くないと思う
売り方を間違えているというか、自ら強みを消しきにてるから
最新なだけあって総合力では一番だと思うけど
言われてるほど悪いって、誰もそんなに悪く言ってなくね?
悪く言われてると言う人は居るけどさ