Intel Arc B580 のレビューはコスパ高く高評価。日本では12月14日発売へ

Intel Arc B580 のレビューはコスパ高く高評価。日本では12月14日発売

IntelのディスクリートグラフィックカードにあたるArcシリーズは第一世代のArc Alchemistが2023年に発売されましたが、当初はドライバーの最適化不足に加え、性能や価格は競合モデルに対して優位性がほとんどなく、販売面では絶不調ともいえる状況でした。そのため、一時は開発中止という噂も出ていましたが、2024年12月3日に第2世代ディスクリートグラフィックカードとなるArc Battlemageを発表し、その中のミドルレンジモデルにあたるArc B580を12月12日から海外では発売しました。

この発売に伴いレビューも解禁されたのですが、CPUのArrow Lake-S世代のCore Ultra 200Sシリーズとは打って変わって、各レビューでは絶賛の嵐を獲得するなど非常に高い評価を得られているようです。

性能はGeForce RTX 4060 TiとRTX 4060の間。でも価格はRTX 4060以下と高コスパ

Hardware Unboxedのレビューでは冒頭3秒でその製品が良いか悪いかがわかり、その見方がホストのSteve氏が立っていれば悪い評価、座っていればいい評価のようです。

そんなHardware Unboxedのレビューでは12のタイトルでラスタライズ性能を比べた結果、1080p解像度ではArc B580はGeForce RTX 4060を7%、Radeon RX 7600を8.5%上回るなどミドルレンジ向けグラフィックスカードとしては期待通りの性能を発揮しています。また、1440p解像度ではVRAM容量が12GBあるというアドバンテージを活かしているのか、RTX 4060を14%、RX 7600を21%と大きく上回る性能を発揮し、平均FPSも57FPSとArc B580であればゲームにもよりますが、1440p解像度まで十分快適にプレイすることが可能と言える水準になっています。

レイトレーシングにおいても比較的良い結果を残せており、1080pではRTX 4060に対して20％劣るものの、RX 7600に対しては55％優れるなどレイトレーシングを有効化した場合でもXeSSなどアップスケーリングを適用すれば快適なプレイが実現できるレベルに達しています。

このArc B580の性能はレビュー結果の通り、現行のミドルレンジ向けグラフィックスカードに対して大きく上回る性能を実現しているわけではなく高評価要素はこれだけ見るとあまりありません。しかし、特徴的なのは価格設定で、RTX 4060の実売価格が$300程度でありながら、Arc B580は$250とコストパフォーマンスの高さが高評価につながっています。

1フレームレートあたりの単価ではRadeon RX 7600が$5.74、RTX 4060が$6.00ですが、Arc B580は$4.38と31%ほど優れたコストパフォーマンスを実現しており、しばらく停滞していたミドルレンジ向けグラフィックスカードのコストパフォーマンスを大きく向上させたと言える価格設定と性能になっています。

Promising headlines:
Battlemage impresses with its price and 12GB – HWLuxx
Better than expected – PCGH
The Best Value GPU! – HUB
Is actually great & affordable – LTT
The $250 RTX 4060 Killer – Paul's HW
Excellent Value – TPU
A New Mainstream King – WCCF Tech

— 3DCenter.org (@3DCenter_org) December 12, 2024

なお、他のレビューでもほとんどがそのコストパフォーマンスの高さを評価する内容になっており、「12GBのVRAMと価格が印象的」と12GBのVRAMを評価する声や「性能も良くてお手頃価格」「高コスパ」などCore Ultra 200Sで見られたレビューとは打って変わって、多くのレビュー結果は高評価になっています。

日本では2024年12月14日発売。価格は49,800円からとちょっと高め

海外では圧倒的な評価を獲得しているArc B580ですが、日本では代理店を経由するということから海外より高めの価格設定になっており、最安値モデルが「ASRock Intel Arc B580 Challenger 12GB OC」で49,980円からになっています。現状、GeForce RTX 4060が4.2万円前後で購入できることを考えると日本ではArc B580の競争力はあまり高いとは言えません。

ただ、この49,980円という高めの価格は俗に言うご祝儀価格であり、年末年始になればある程度価格は下がると考えられ、$=155+税という適正な為替レートまで下がれば4.3万円ぐらいでの販売にも期待できます。実際に、これぐらいの価格で販売されるようになればRTX 4060より高いパフォーマンスそして12GBというVRAM容量が評価され日本でもArc B580がミドルレンジ向けグラフィックスカードとして人気機種として躍り出ることに期待できそうです。

なお、Arc B580は海外では2024年12月13日から発売されていますが、量販店各社へ問い合わせた結果、2024年12月14日の開店時から発売されるとのことですので、もしArc B580を買い求める方は12月14日に実店舗またはオンラインから購入することができるようになります。