Intel APOの開発は継続中。Raptor Lake RefreshやArrow Lakeが焦点なのは変わらず
Intelが2021年に発売したAlder Lake世代以降のCPUでは、P-CoreとE-Coreを組み合わせたハイブリッドアーキテクチャーが採用されています。この構成は特にゲーミング用途において、スレッドが高性能なP-Coreに割り当てられない場合にパフォーマンスが低下するという弱点があります。
この課題に対応するため、Intelは2023年に登場した第14世代CPU「Raptor Lake Refresh」から、ゲームパフォーマンスの最適化に特化した独自機能「Intel Application Optimization(APO)」を発表しました。当初はアップデートを通じて、対応ゲームタイトルを徐々に拡充する計画とされていました。
しかし、APOのアップデート頻度は数か月に1回と非常に遅く、対応タイトルの追加もごくわずかにとどまっていたため、一部ではIntelがすでに開発を放棄したのではないかとの見方も出ていました。そうした中、Intelのエンジニアを名乗る人物がReddit上でAPOの開発状況についてリーク情報を明かしています。

Redditユーザー「Aaron_McG_Official」と名乗るこの人物によれば、まずAPOの開発中止という憶測を明確に否定し、Intelは現在も対応ゲーム数を拡大すべく開発を継続しているとのことです。また、アップデートの頻度についての具体的な言及はなかったものの、次回のアップデートは2025年第3四半期中に予定されているとしています。
将来的なAPOに関する話も登場
Redditに投稿された情報では、現行のAPOだけでなく将来的な発展にも触れられています。

Aaron_McG_Official氏によれば、APOは単にゲームをP-Core上で強制的に実行させるだけの機能にとどまらず、今後はより大規模かつ複雑な最適化システムへと進化する予定だとされています。

具体的な新機能についての詳細は明らかにされていませんが、数日前にMoore's Law is Deadが報じた2026年登場予定の「Nova Lake」に関するリークでは、より高度な機能を備えた「APO+」という技術の開発が進められているとの情報もあります。これによると、ゲームの実行ファイル内に存在する旧式の命令セットを新しいものへ置き換える仕組みが検討されており、最大25%の性能向上が期待できるとされています。
このことから、Aaron_McG_Official氏が言及した「大規模かつ複雑な最適化システム」が、この「APO+」を指している可能性も考えられます。
なお、現行のAPOはRaptor Lake Refreshに対応していますが、類似アーキテクチャーであるAlder LakeやRaptor Lakeについても対応が期待されています。しかし、Aaron_McG_Official氏によれば、旧世代のCPUに対するサポートは一切検討されていないとのことで、旧世代CPUでのAPOによるパフォーマンス向上は期待しない方がよさそうです。
コメント