AMD Ryzen 9 7950Xは爆熱、CPU温度は95℃超え。原因はダイサイズ縮小?

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AMDでは9月27日にZen4アーキテクチャーを搭載するRyzen 7000シリーズCPUを発売予定としていますが、この中で最上位モデルとなるRyzen 9 7950Xですが、消費電力は最大でも230Wと現代においては驚くほどではないものの、すぐに95℃に達するなど爆熱気味と言うリーク情報が出現しました。

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フラッグシップモデル、Ryzen 9 7950X

AMDでは2022年8月30日にZen4アーキテクチャーを搭載するRyzen 7000シリーズを発表、IPCはRyzen 5000シリーズに対して13%向上させ、動作クロックの向上によりシングルコア性能はトータルで最大29%ほど向上するとの事です。また、TSMC 5nmを採用する事でワットパフォーマンスの改善やダイサイズは競合のAlder Lake-SのGolden Coveダイに対して半分以下のサイズに縮小が行われています。

そんなRyzen 7000シリーズですが、この中でフラッグシップモデルとなるRyzen 9 7950Xの消費電力や動作温度に関するリークが出現しました。

Ryzen 9 7950Xでは16コア32スレッドを搭載し、動作クロックはベースが4.5 GHz、ブースト時が最大5.7 GHzとなりTDPは170W、PPTは230Wに設定がされる見込みです。

高負荷時の温度は95℃に。サーマルスロットリングでパフォーマンスが低下?

中国のBilibili上でIntelやAMD製CPUのリークを行い、ASRockから訴訟を起こされているECSM_OfficialからRyzen 7000シリーズの温度に関するリークが出現しました。

ECSM_Officialによると、Ryzen 9 7950Xのマルチコア性能はIntel Core i9-13900Kに負けるとのことで、その主な原因はRyzen 9 7950Xの発熱によるもので高負荷時にはCPU温度は95℃に達し、動作クロックを5 GHzや消費電力を230W程度に維持する事が出来ないとの事です。

また、これはRyzen 9 7950Xに限らずRyzen 5 7600Xでも同じような症状がみられ、120Wで90℃と言う温度に達してしまっているとの事です。

なお、消費電力面ではRyzen 9 7950Xは230Wですが温度は95℃、一方でCore i9-13900Kは270W消費していますが温度は82℃程度に収まっているとの事です。ただ、このデータに関してはES/QSのもので最終仕様では修正される可能性もあるようです。

また、wccftechが独自に入手した情報でも温度が非常に高いとのことで、360mmのハイエンドAIO水冷を搭載してもAIDA64を動作させた場合には92~96℃に達するとのことです。

爆熱の理由はダイサイズの縮小?熱密度はCore i9-13900Kの1.5倍。

AMDのRyzen 7000シリーズではTSMC 5nmを採用し電力効率の大幅な向上とダイサイズの大幅な縮小を実現しています。

実際に、AMDの発表会ではIntel Alder Lake-SのP-Core側であるGolden Coveと比べるとダイサイズは50%縮小しており、Zen 3のCCDは83mm2に対してZen4では71mm2と85%のサイズに縮小されています。

今回の爆熱の原因としてはこのダイサイズの縮小が原因ではないかと言われています。

 

Harukaze5719氏ではダイサイズと消費電力から熱密度を算出しており、Core i9-13900KやCore i9-12900K、Zen 4の内 Ryzen 9系とRyzen 7と5系の消費電力とダイサイズを基に計算されています。

この計算によると、Core i9-12900Kでは消費電力241W、ダイサイズ215mm2で熱密度は1.12W/mm2、Core i9-13900Kは350W、257mm2で1.36W/mm2と最大でも1.4W/mm2となっています。

しかし、Ryzen 9 9750Xのダイサイズは合計で142mm2として、OCした際にあり得る280Wの消費電力時は1.97W/mm2、仕様上の最大消費電力でもある230Wでは1.61W/mm2、定格消費電力である170Wで1.19W/mm2と熱密度は非常に高くなっています。

また、Ryzen 7やRyzen 5のようにCCDを1基のみ搭載するモデルでは、最大消費電力の130Wで1.83W/mm2、定格の105Wで1.47W/mm2と熱密度ではCore i9-13900Kを上回る値となっています。

Ryzen 9 7950Xの最大消費電力はCore i9-12900Kの最大消費電力である241Wに近いですが、ダイサイズが縮小された事で熱密度は1.4倍に上がっており、最大350Wと言われるCore i9-13900Kに対しても1.2倍となっています。

そのため、消費電力の面では230WとCore i9-13900Kの最大値の7割程度しかありませんがRyzen 9 7950Xでは簡単に95℃を超えるような温度に到達してしまうため、もしRyzen 9 7950Xに限らず、Ryzen 7000シリーズの購入を考える際には水冷である事はほぼ必須で、水冷でも可能であれば最低でも280mmのラジエーターを搭載したモデルを選ぶ事が必要となりそうです。

 

Ryzen 9 7950XではCore i9-12900Kに対してパフォーマンス面ではマルチコアが1.4倍近く優位であることがGeekbenchで明らかになっていますが、消費電力は241Wに対してRyzen 9 7950Xは230Wとなっており電力効率は非常に高い事は明らかです。

ただ、いくら電力効率が高くても230Wの電力が小さなダイに集中しているため結果的に360mmのAIO水冷などハイスペックなCPUクーラーを搭載してもCPU自体の温度は90℃を超えるような爆熱となってしまうようです・・・

個人的には本格水冷と言う沼に入ったのでRyzen 9 7950Xでも何とかなるとは思うのですが、空冷で組む人やスペース的に280mm以上のラジエーターは置けないという人にとってRyzen 7000シリーズの購入はレビューなどを見てから検討した方が良さそうかもしれませんね。

電力効率が良いけど、電力効率を上げるためにダイサイズを縮小したのが仇になってしまうのは・・・悲しいですので発売前までには何とかしてほしい所です。

 

ちなみに、AMDの発表会で表示されたRyzen 7000シリーズのベンチマークは280mmの簡易水冷クーラーであるNZXT KRAKEN X63クーラーを搭載して計測されたようです。(ソケットAM4とAM5間では互換性はあるようです。)

PS5は6000円値上げされますので、買えるかは分かりませんが欲しい人は早めにエントリーする事がオススメです。(転売屋からは買っちゃだめですよ)

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この記事を書いた人

『ギャズログ | GAZLOG』の編集兼運営者
幼い頃から自作PCなどに触れる機会があり、現在は趣味の1つに。
高い買い物でもある自作PCやガジェットをこれから買おうと思ってる人の役に立てるような記事を提供できるよう心がけています。
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コメント

コメント一覧 (6件)

  • TDP300対応を謳っている140mmのサイドフローでも無理何でしょうかね?

  • 爆熱じゃないハイエンドなんてそもそも存在しない件

  • Pentium 4のTDPが100W前後で爆熱扱いだったけど現代のCPU冷却基準で見ると大したことがないように、10年後はTDP250Wが省エネ扱いになるのかも
    高負荷のゲームをするときにCPUよりGPUなど他のパーツが先にボトルネックになる場合が圧倒的に多いことを考えると、CPUはコンピューターパーツの中で比較すると技術的に先行しているがために冷却技術自体が追いついていないのではないか

  • 発熱密度比較したいならせめて同条件で比較しなよ
    せめてCoreのコントローラーとGPUエリアカットして計算
    転載する前におかしいって気付かね?

  • なぜダイサイズだけ一気に縮小したのか理解に苦しむけど、別記事で電圧下げれ改善するとか言う噂レベルの話もあるし、買うとしたら改善されてからかな。
    どちらかというと、ダイサイズそのままでコア数増やして欲しかった。残念。
    微妙だけど、13900Kの方が優れてる気もしなくもない。

  • 「今度のCPUは発熱凄すぎて目玉焼きが出来るレベルらしい。放熱版が付くらしいぞw」
    とか
    「放熱版の上にファンが付くらしいぞ、アタマオカシイなw」
    とか言ってた時代が懐かしい

    Pentiumさんがブイブイ言わせてた時代

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