Steamのハードウェアサーベイにて人気のグラフィックスカードは最近はGeForce GTX 1650が首位をキープしていましたが、2023年3月末には一気にレイトレーシング対応のGeForce RTX 3060が首位に上がりましたがどうやらこの結果はバグだったようで、4月末の結果では再びGTX 1650が首位に返り咲いたようです。
NVIDIA GeForce GTX 1650がGPUシェアで首位奪還。RTXシリーズはシェアが大幅ダウンだが集計方法によってはRTX 3060が首位に。
Steamでは毎月1回の頻度で市場で使われている大まかなPC構成を集計したハードウェアサーベイを発表していますが、2023年3月末に集計された結果ではGeForce RTX 3060がシェア1位を獲得し、他にもレイトレーシング対応のRTXシリーズGPUのシェアが大きく伸びていましたが、どうやらこの集計は誤りだったようで4月末の集計ではGTX 1650が首位に返り咲き、RTX系GPUのシェアは大きく落ちてしまっているようです。
3月末に集計されたサーベイでは1位にRTX 3060、2位にRTX 2060、3位がGTX 1060、続いてRTX 3070、RTX 3060 Ti、そしてGTX 1650が6位と言う結果になっていましたが、4月末の集計ではこのランキングは一気に変動し、再びGTX 1650が1位となりました。また、2位以降もGTX 1060、3位にRTX 3060、続いて4位にノートPC向けRTX 3060、RTX 2060、GTX 1050 Tiと大きく変動しています。
ただ、GTX 1650についてはノートPC向けもデスクトップ向けもGTX 1650として示されているため、RTX 2000シリーズ以降のようにノートPC向けで分けられていません。そのため、RTX 2000シリーズについてもGTX 1650と同様にノートPC向けなどサーベイ上に存在するバリエーションを組み合わせると、RTX 3060シリーズが市場シェア13.44%で圧倒的な1位になるようです。そして、2位にはGTX 1650シリーズで8.83%で、3位はGTX 1660シリーズの6.93%、4位はGTX 2060シリーズの6.34%、そして5位はRTX 3070シリーズの6.12%と言う集計結果になるようです。
なお、GPU世代別の人気ではNVIDIA製が圧倒しており、その中でもRTX 3000シリーズが29%の市場シェアを持っています。その次にRTX 2000シリーズが11%で、RTX 4000シリーズについては1.61%となっています。ただ、RTX 4000シリーズについては3月末に比べてシェアが倍増しているため、売れていないという話もありますが、シェアを伸ばしているようです。
なお、AMDについてはRX 6000シリーズが2.97%で、RX 5000シリーズが1.42%で、最もシェアを持っているのはRX 500シリーズで3.38%となっています。なお、AMDの最新鋭GPUであるRX 7000シリーズについてはハイエンドのRX 7900シリーズしか登場していない事からか、サンプル数不足で集計対象には入っていないようです。
人気のGeForce GTX 1650とGeForce RTX 3060の性能とコスパの違いは?
今回、Steamハードウェアサーベイで人気だったGeForce GTX 1650と、集計方法を統一すると1位だったGeForce RTX 3060について簡単に比較をまとめましたが、個人的なオススメとしてはGeForce RTX 3060を推したいところです。
GPU名 | GeForce RTX 3060 | GeForce GTX 1650 (GDDR6) |
---|---|---|
搭載GPU | GA106-300 | TU116 |
製造プロセス | Samsung 8nm | TSMC 12nm |
アーキテクチャー | Ampere | Turing |
ダイサイズ | 276mm2 | 284mm2 |
CUDAコア | 3584 | 896 |
TMUs / ROPs | 112 / 64 | 56/32 |
Tensor / RTコア | 112 / 28 | ー |
ベースクロック | 1320 MHz | 1410 MHz |
ブーストクロック | 1780 MHz | 1590 MHz |
浮動小数点演算 | 13 TFLOPs | 3.0 TFLOPs |
VRAM容量 | 12 GB GDDR6 | 4 GB |
VRAM仕様 | GDDR6 | GDDR6 |
VRAMバス幅 | 192-bit | 128-bit |
VRAM速度 | 16 Gbps | 12.00 Gbps |
帯域幅 | 384 GB/s | 192 GB/s |
TGP | 170W | 75W |
推奨電源ユニット | 450W | 250W |
外部電源コネクター | 8pin x1 | 6pin x1 (or 外部電源なし) |
価格(発売時) | ¥52,476 | \19,980 |
発売日 | 2021/2/25 | 2020/7/1 |
仕様面で見ると、GTX 1650はエントリーモデルという事で価格が2万円に抑えられている一方で、性能も非常に低く抑えられています。CUDAコアは896基で、VRAMは4GBのGDDR6を128-bitで接続し、帯域幅は192 GB/sとなっています。
GeForce RTX 3060については世代が新しい事やミドルレンジモデルという事でCUDAコアは3584基、VRAMは12GBでGDDR6を192-bitで接続し、384 GB/sと言う帯域幅となっています。
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23タイトルで1080p/1440p高画質設定でのパフォーマンスを比較した結果では、RTX 3060はミドルレンジという事もありほとんどのゲームでは快適なプレイが出来る閾値でもある60fpsを超えています。GTX 1650では30fpsを辛うじて超えるレベルに位置しており、ゲームによっては画質設定を引き下げるなど対応が必要になります。また、将来的に登場するゲームのプレイは困難であると言えそうです。
FortniteやValorant、Apex Legendsなど人気のPCゲームにおいては画質設定を『中』以下にすればGTX 1650でも60fpsを超える平均フレームレートは維持できます。ただこれはあくまで平均で例えばApexにおいてはバンガロールのスモークなど特に負荷が高い描写が入る状態で乱戦になった際には60fpsを下回る場合もありますので、ストレスが溜まる場面もあると考えた方が良いです。
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モデル名 | 販売価格 |
---|---|
Radeon RX 6400 4 GB | 22000 |
GeForce RTX 3060 12 GB | 41000 |
GeForce RTX 3050 8 GB | 37000 |
GeForce GTX 1650 | 20000 |
コストパフォーマンス面で見ると、1fpsを描写するのに必要なコストはGeForce RTX 3060が1fps辺り456円を記録している一方で、GTX 1650は525円を記録しておりRTX 3060の方が15%ほどコストパフォーマンスには優れる結果になっています。また、性能的にもRTX 3060はVRAMを12GB積んでいたり、レイトレーシングやDLSSに対応していたりと1080p解像度であればあと2〜3年間は現役で快適に使えるグラフィックスカードになっています。
一方で、GTX 1650に関してはVRAMが4GBということで最新ゲームのプレイは厳しいほか、今後登場するゲームでは画質を下げても30fpsを上回ることが出来ない可能性もあります。
ただし、RTX 3060はグラフィックスカード単体で4万円という価格もネックにもなるため、もしグラフィックスカード選びに迷っている場合、ApexやValorant、Fortniteなど限られたe-Sports系タイトルしかプレイしないのであればGTX 1650を買っても良いかもしれません。ただ、幅広いPCゲームをプレイしたい場合や、またグラフィックスカードを買い換えるのは嫌だというのであれば奮発してRTX 3060を買ったほうが後悔は少ないと考えられます。
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