GPUの販売価格については2021年は常に定価の2倍を超える金額で販売されるなど高値が続いていましたが、2022年に入り始めてから様々な要因により価格が下落傾向にありますが、まだまだ販売価格は下がっているようで、ASUSについては正式にGPU価格の値下げも発表しました。
3月も値下げは続く。GPU販売価格は記録以来の最低を更新
3D Centerでは欧州におけるGPUの販売価格推移を2021年1月17日以降、月2回のペースで記録しています。この価格推移では2021年5月にかけて定価の3倍、以降も安定的に定価の2倍程度での販売が常態化していることが明らかになっていますが、2022年に入り始めてから価格が下げに転じています。
そんな、GPU販売価格ですが、ついに3月28日に公開された最新の集計結果によると過去最低をまた更新し、定価の1.25倍程度のところにまで落ちてきているとのことです。
Graphics card price trend 2021-2022 in 🇩🇪🇦🇹, updated March 27, 2022
👉 Lowest level of price exaggeration since start of last year (2021).
👉 AMD now (at average) +25% over MSRP (–10PP), nVidia as well +25% (–16PP).https://t.co/OwgataWJSv pic.twitter.com/el5Qqql8RW
— 3DCenter.org (@3DCenter_org) March 28, 2022
NVIDIA、AMD共に定価の1.25倍。販売価格は1ヶ月で10%下落
GPUの販売価格については3DCenterが2021年1月頃から半月毎でまとめている集計によると2021年にかけてはGPUは定価の約2倍程度で販売されていたものの、2022年に入ってからは半月で約10%のペースで下落しており3月6日の集計では定価の1.35~1.4倍で販売されていたGPUが22年3月27日に集計された結果ではさらに10%ほど下落し、NVIDIA、AMD製GPU共に定価に対して1.25倍のところまで下がってきているようです。
2022年1月2日時点ではNVIDIA製GPUが定価に対して1.85倍、AMD製が1.78倍を記録していましたが、約4ヶ月で約30%ほど販売価格が下がった事になります。
在庫状況については3月6日の段階では過去最高の在庫量を記録していましたが、3月27日の結果では若干下がったものの、3月6日時点からは横ばいになっており販売価格が下がっても在庫が出て行かないという状態になっているようです。
販売価格低下に拍車。ASUSがGeForce RTX 3000シリーズを最大25%値下げすると発表。
Asus says it’s ‘reducing MSRP aggressively’ for graphics cards ‘across all SKUs’ | PC Gamer
在庫があるが売れない、結果値下げして販売という市場原理に従って下落しているGPUの販売価格ですが、これに拍車をかける可能性があるようです。NVIDIAでは3月中旬頃に、AIBに対してGeForce RTX 3000シリーズの供給価格を最大12%ほど引き下げるという話がありました。
これは、RTX 3000シリーズのGPUが製造されているSamsung 8nmの歩留まりが向上している事や4月から順次市場投入が行われるIntelのディスクリートGPU、Arc Alchemistに対抗するためと言われていますがAIBの一つでもあるASUSがGeForce RTX 3000シリーズについて大幅に値下げを行うとのことです。
ASUSの担当者はPCGamersに対して、米国で販売されているすべてのNVIDIA製 RTX 3000シリーズモデルに対して大幅な値下げを数ヶ月以内に行うとのことです。値下げの直接的な原因はアメリカが中国製の一部製品に対して課していた関税が引き下げられたことが挙げられていますが、おそらくNVIDIAのGPU供給価格など他の要因も併せての結果と見られています。
この値下げについて、PCGamersがサプライチェーンに関する専門家でもあるトーマス博士にインタビューを行ったところ、GPUの在庫を持つ量販店などは新しい商品が発売されれば賞味期限切れ状態として扱われる製品を持ち続けることを快く思うはずもなく、在庫を捌けさせるため更なる値下げに踏み切るのでは無いかと語っているとのことです。
GPUの販売価格は世界各国で下がっている事が確認されており、欧州や北米では特に顕著な傾向のようです。特に北米においてはドル高傾向にあり、同時に中国に対する関税が引き下げられたためGPUにかかるコストは大きく下がっており、今後も値下げが期待できそうです。日本では海外ほど顕著では無いものの徐々にGPUの販売価格は下がっているようで、RTX 3070 Tiについては最安値が99,980円、RTX 3060 Tiは76,800円とアッパーミドルレンジを中心に販売価格が下がり始めているようです。
サプライチェーンに関する専門家の言う通り今後、GeForce RTX 4000シリーズなど次世代GPUの出現時期が迫るにつれて在庫を持っている量販店側では在庫を捌こうとする動きが活発化する可能性は高いと言えます。特に、RTX 4000シリーズでは性能が倍増するようですので、40万円近くするRTX 3090 Tiの性能がRTX 4070クラスで実現できるため、ただでさえ高価なGPUの在庫を持っていると損失は大きくなるため4月や5月などかけて日本でも多くのGPU販売価格が下がると考えらえれます。
コメント
コメント一覧 (7件)
性能向上も必須だが1080Ti程度の性能で100W切るような製品も欲しいなあ
RX6600XTなんかは?
※但し日本市場を除く
アスク税撤廃
エントリークラスが8万とかありえんでしょ
企業としても技術革新による性能の進化は良い事なんだろうけど 正直一部のヘビーユーザーやマニア以外の リアルな一般ユーザーが置いてきぼりな状況が続いてますなぁ。
ことパソコンゲーム業界においては 「内容や面白さ」の伴わない高負荷・高性能・高価格要求ゲームばかり溢れて ここ数年 パソコン更新する気になれないユーザーも多いのでは? 回顧厨ではありませんが いい加減 グラ向上全振りゲー開発から原点回帰して欲しいですな
また750tiみたいに低消費電力、高性能、低価格なファンレス可能モデルを出して欲しい