グラフィックカードの販売価格について、7月頃に底を打ちその後は徐々に右肩上がりに販売価格が推移、そして遂に10月末時点ではAMDのRadeonが定価の2倍、NVIDIAのGeForceは定価の1.9倍にまで販売価格が高騰しているようです。
グラフィックカードの販売価格が定価の2倍に高騰・・・
Hardware- und Nachrichten-Links des 30./31. Oktober 2021 | 3DCenter.org
欧州域でのグラフィックカードの販売価格を毎月2回ほど調査している3D Centerによるとグラフィックカードの販売価格が7月以降右肩上がりに上昇しており、AMDのRadeon系グラフィックカードについては販売価格が定価の2倍を記録する水準にまで上昇している事が明らかになりました。
Graphics Card Prices 🇩🇪🇦🇹 Oct 31, 2021
Availability dropped a bit, prices make another jump up.
👉 RDNA 2 now 101% over MSRP (+18pp), some cards near their all-time high price.
👉 Ampere now 88% over MSRP (+16pp), 3060 & 3090 get really expensive again.https://t.co/giO9HNRM8a pic.twitter.com/7irXdpJGCU
— 3DCenter.org (@3DCenter_org) October 31, 2021
販売価格は定価に対してAMD Radeonで2倍、NVIDIA GeForceで1.9倍に
3DCenterでは月に2回ほど、ドイツやオーストリアのパソコンパーツ販売店で売られているグラフィックカードの販売価格情報がまとめられています。
この情報によると、AMD製グラフィックカードは7月に記録された定価の1.53倍を底に、最新の集計結果が集められた10月31日までに販売価格は右肩上がりで上昇、遂に定価の2倍と言う所にまで到達してしまっています。この定価の2倍と言う価格は多くのグラフィックカードが枯渇した4月から5月頃の水準と同等レベルになっています。ただ、当時はグラフィックカードの在庫が無い事で販売価格が大きく引き上げられていた一方で、10月31日時点ではグラフィックカードの在庫は安定的に供給されているにも関わらず販売価格が大きく上昇しているとの事です。(グレーの破線が在庫量を示しています)
同様の傾向はNVIDIA製のグラフィックスカードでも記録されており、NVIDIA製グラフィックカードが8月初旬に販売価格が底を打ちましたが、そこから上昇。9月中旬から10月初旬にかけては一旦落ち着きをみせたものの、10月31日には10月初旬に比べて16%も上昇しています。
NVIDIA製グラフィックカードについても、在庫量に関しては安定しておりいるにも関わらず販売価格がAMD製グラフィックカードと同様、価格の上昇傾向が鮮明となっています。
在庫があるのに価格が高い原因はマイニングとAIBと卸売り業者が原因説
在庫があるにも関わらず価格が右肩上がりになる理由については、オーストラリアのテック系Youtubeチャンネルである『Hardware Unboxed』にて語られています。
GPU Prices: Getting Worse or Getting Better? – October 2021 Update – YouTube
Hardware Unboxedによると、北米を除く地域ではグラフィックカードの在庫は需要以上に存在しているが、あまりにも高い価格設定が行われている事から売れ行きも芳しくない状態が続いているとの事。
しかし、卸売り業者やAIBではグラフィックカードの価格が大きく引き上げた状態でもマイニング需要が高く、販売個数が少なくても、マイナーによって高い売上高や利益率を期待できる事から価格設定が定価を大きく超えた状態で維持されているとの事です。
卸売り業者やAIB側ではこのよな状態のため、グラフィックカードの在庫が積み上がり始めているとの事ですが、マイナーやブラックフライデーなどホリデーシーズンが近づいている事から強気の価格設定を維持し、高い利益を狙っているとの事。そのため、少なくとも2021年中は価格が下がる見通しは無いとの事です。
また、2022年に入ってもマイナーやゲーマー含めて定価を大幅に超えるグラフィックカードでも売れる見通しがある限りはグラフィックカードの値下げは積極的に行う必要はなく、定価を大幅に超える価格での販売が続けられるのではないかと語られています。
Hardware Unboxedではグラフィックカードの価格高騰は材料費や半導体不足が解消しても、定価を大幅に超える価格で買う人が減らない限り続くのではないかと最後締めくくられています。
Zen5の高効率コアにはZen 4D (Dense)を搭載。最大16コアになる模様
日本でもグラフィックスカードの在庫は比較的安定していますが、価格については高止まりの状態が続いています。最近では原油価格の高騰や運送コスト、半導体材料の高騰などで製造原価が上がっており、1年前に定められた定価以上の価格になっても仕方がない側面はあります。ただ、それが定価の2倍が適正かと言われると疑問符が付きます。Hardware Unboxedでも言われていますが、このような高い金額で購入する人が居る限り売り手側としては、価格が下げる理由はないのでなかなか値段が下がる事は無いかもしれません。
なお、過去にNVIDIAが価格を維持するために生産を抑える可能性があるという話がありましたが、このHardware Unboxedの話が本当であれば、NVIDIAと言うより卸売り業者やAIB側が値段を上げ過ぎた事でグラフィックカードの売れ行きが下がり、在庫が積みあがった事でNVIDIAが生産調整をするという流れな気がしてきました・・・
この調子で生産調整を続ければNVIDIAとしては2022年Q1の売上高を確保できなくなるので値段を下げるなど、商品の回転を高める対策を迫られるかもしれません。
コメント
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本当に必要としている消費者も可哀想だけど、NVIDIAも気の毒だよ…