Google Pixel 10内蔵 Tensor G5 は競合に劣る性能で開発中。性能予測をまとめた内部資料がリーク
Googleのチップ設計部門であるgChipsで使用されている大量の内部資料が一部メディアにリークされているようです。ドイツのNotebookCheckが競合チップセットの予測性能およびTensor Gシリーズの計画性能をまとめた資料を入手し、GoogleのTensorチップセットが目指す性能上の位置づけが明らかになりました。
グラフはGeekbench 5を基に、競合のQualcomm Snapdragon、MediaTek Dimensity、そしてApple Aシリーズの予測性能とGoogle Tensorの計画値が示されています。
このグラフではApple Aシリーズが圧倒的なリードを取る予測となっていますが、2024年時点ではApple A18 ProとSnapdragon 8 Eliteは性能面でほぼ同等になっていることや、Dimensity 9400がGeekbench 5で既に8000ポイント近くを記録していることなど、競合チップセットデータは過小評価された予測となっています。
一方、Google Tensorに関しては2023年に登場したTensor G3がシングルコアで1400ポイント、マルチコアで3700ポイント程度であるため、グラフは若干盛られた数値となっています。
そんなGoogleのTensorですが、自社開発に代わる2025年登場予定のTensor G5では、シングルコアはPrimeコアがTensor G4と同様のCortex-X4を採用するため横ばいが見込まれますが、マルチコアではTensor G4の1Prime+3P+4Eから1Prime+5P+2E化など高性能コアを増やすことで性能の底上げが見込まれています。
ただし、それでも保守的な見積もりになっている競合のDimensityシリーズには10%ほど劣る見込みで、この傾向は2026年登場のTensor G6まで続く見込みです。
Google Pixelに内蔵されているTensorチップセットは、新モデルの発売ごとに競合に劣るチップセット性能が弱点として指摘されていました。これは、TensorがサムスンのExynosをベースにしていることや、TSMCより性能面で劣るサムスンファウンドリーで製造されていることが原因と考えられていました。
しかし、この性能計画を見る限り、Googleは競合に勝る性能を目指さない(目指せない?)ようです。そのため、今後登場するTensor G5やTensor G6は自社開発かつTSMC製造であることから性能面に期待がかかりますが、少なくともCPU性能に関しては競合モデルのSnapdragon 8 EliteやDimensity 9000シリーズに対して大きく劣る状況が今後も続くと考えられそうです。
Leak: Google’s performance forecast compares Pixel 10 and Pixel 11 with Apple, Qualcomm and MediaTek | NotebookCheck
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